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唐辛子の厄除飾りのおかげもあって よい一年が過ごせたと縁起を担ぎ 土台骨組みをそのままに…
暦通りに冷え込んだ冬至の朝 ブリキの水遣りに張った 初薄氷に快哉を叫ぶ 見事に無傷で掬い…
陽気に誘われて小高い里山へ 霊峰を遥かに望む頂を目指して 緩やかにつづれおれる坂道を 熊…
ご近所さんから山ほどの柚子を頂戴し 柚子シロップを初めて仕込む まずは洗って水気を拭いて…
倉庫にかけたひさしの向こう とたん屋根を継ぎ足した干し場に 自慢げに吊るした柿と大根と芋…
真冬の訪れが間近に迫る吾が畠 だんだんに片付いていく野菜たち 端っこの一畝で芽吹いてくれ…
緩やかに流れる大河を満たす水が 冬の凍えた空気に触れて 川霧が盛大に湧き上がる のぼり立ての朝陽に照らされて 柔らかにしなやかに まるで踊るように漂っていく やがて陽の光にぬくもって 何事もなかったように消え去って 突然に視界が晴れ渡る 「冬は夙めて」と詠んだかの人も きっとこんな景色を見たのだろうかと いにしえに思いを馳せてみる 穏やかな風のない冬の朝
半袖で過ごした立冬のあと 唐突に訪れた本気の寒さは 瞬きする間に秋を追い越した 冷たい北…
ようやく癒えた膝の具合を確かめるべく ふた秋ぶりに来た小さな里山の登山道 こんなに険しか…
秋はゆっくりと、でも確実に進んでいくものだ。 まず、草むらの虫の大合唱が先陣を切り、 次…
蜜蜂たちが巣箱から消えてしまったと 蜂飼いの親父さんが嘆く 青々と茂ったはずの大豆の畝に…
秋めいてきた庭の陽だまりで 育って窮屈になった鉢の子を植え替える ほんの一回り大きくなっ…
青々と茂るルッコラの葉陰 傍らには芽吹きたての酢漿 乾いた畠の土塊の上で 艶やかに陽を照…
朝霧が白く湧き上がる遠くの青い稜線 秋風に少しずつ色褪せてきた雑木の林 緩やかな斜面に広がる畠と赤い小屋根 電柱の天辺で謳うイソヒヨドリの美声 小道を下っていく子供らの弾ける笑顔 忙しさの中にもゆったりと流れる時間 ふと、心に満ちてくる温かな既視感 そうかー。 ずっと昔から、 人々が豊かな暮らしを営む場所には こんな景色が広っていたんだと 遺伝子に刻まれた記憶が呼び覚まされた朝 きっと、ここはしあわせの丘