見出し画像

喫茶店で待ち合わせ②

待ち合わせの話しを書いていたら
昔目撃した激アツの待ち合わせを思い出した。
あれは私がまだ20代の頃だったかな。

昔は喫茶店でデート、が定番だった。
その日、白いブラウスを着た綺麗な女性が先に来て待っていた。
「ドスンッ」と大きな音と衝撃。
そしてバタバタと焦りに焦った男の子が入って来て女性の向かいに座り
遅れたことを詫び嬉しくてたまらない様子でお話しをしている。

20メートルほど離れた斜め向かいのお米屋さんがやって来て
「さっきの男の子車を壁にぶつけてうちの前に停めちょうで」
と言う。あの音は店の外壁周りの花壇にぶつけた音で、
そのままバックで米屋の前まで走行して店の真ん前に停めた後
走ってウチに来たらしい。

「えっ⁈」

父が男の子に話しをして連絡先を聞き
後日親御さんが壁の修理代を持って来た。

え?バカ息子⁈

時と歴史を刻んでいます

好きで好きでたまらない。
会うことが舞い上がるほど嬉しい。
こんなストレートな感情羨ましいね。

携帯やスマホのない良き時代。
「ちょっと遅れるよ」
「今駐車場着いた」
シュバッとメッセージが送れるのは便利だけども
待ち合わせのドキドキ感や不安やワクワク感は今はない。
便利なのか不便なのか。
幸せなのか不幸せなのか。

店にピンク電話があって「呼び出し」があった頃
「〇〇さーんいらっしゃいますか⁇」と叫ぶことで
いつも来るあの人の名前が分かったりもした。
やっぱ良き時代だったな。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?