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【インタビュー】スラッシュワークで海外ノマドに。

スラッシュワーカー。それは、「器用貧乏で飽きっぽい」を武器に、複数の仕事を同時に並行させて働く人のことを指します。仕事は1つでなくてもいい、色んな仕事を少しずつできるようになってまるでスラッシュを引くように職種を増やすことで、人生が豊かになるという考え方です。今回はそんなスラッシュワーカーを目指す、小林愛斗(こばやし あいと)さんにお話を伺いました。

2024年にデンマークでのワーキングホリデー(以下、ワーホリ)を予定している愛斗さん。ワーホリを目指すようになったきっかけや、スラッシュワーカーとしての目指す場所について迫ります。

■プロフィール
小林愛斗(こばやし あいと)さん
大学ではフランス語とフランス文学を専攻、20歳でフランス留学。現在は、フリーランスとしてリゾートバイト、ライティングなどの仕事を行う。学生時代に健康や食に関して興味を持ち、独学でブログやSNSを通した発信も行っている。2024年よりデンマークにワーホリで滞在予定。

小林愛斗(こばやし あいと)さん

—簡単に自己紹介をお願いします
小林愛斗です。大学時代はフランス語とフランス文学を専攻していました。大学院を経て、現在はフリーランスとして働いています。来年、ワーキングホリデーを活用して、デンマークに渡航予定です。現在は、リゾートバイト※(以下、リゾバ)という体験型バイトのサービスを使って、岐阜県に滞在しています。来月からは山梨に滞在するなど、国内を転々とした生活を送っています。

※リゾートバイト:日本全国のリゾート地や観光地にあるホテル、旅館、カフェ、飲食店、テーマパーク、スキー場などで、住み込みで働くアルバイトのこと。 基本的には、寮費、食費、光熱費が無料で生活費をかけずに仕事ができる制度。

北欧の最先端教育で、コミュニケーションと向き合う


北欧発祥のフォルケホイスコーレ

—まず、ワーキングホリデーはなぜ行こうと思ったんですか?
ワーホリに興味を持ったきっかけは、1年前に友人がワーホリに行くのを聞いたことですね。その話に刺激をもらいました。同時に、自分も年齢的に翌年の6月までに申請しないと、ワーホリに行けない※ことに気づいて焦燥感を持ったんです。そこで、まずはデンマークにワーホリに行く意思だけは固めておくことにしたんです。

※ワーホリに参加するには、申請時の年齢が30歳以下であることが条件

—デンマークでワーホリするにあたって、やりたいことは決まっているんですか?
デンマークのフォルケホイスコーレ※に行きたいというのが一番の決め手です。

※フォルケホイスコーレ:北欧独自の教育機関。生徒は国籍関係なく、国からの助成金を受けられるため、学費の一部を払うことで入学ができます。

—-どうしてフォルケホイスコーレに興味を持たれたんですか。

理由は3つあります。
1つ目はフォルケホイスコーレのコンセプトに惹かれたからです。フォルケホイスコーレには入学試験や成績といったものがありません。成績や評価がなく、対話を通じて、思考力や論理力・コミュニケーション力に関する学びを深めることができます。その仕組みがとても面白いなと思いました。

2つ目は大学院の勉強を通して教育分野に興味を持ったからです。大学院時代、専攻分野の中で、哲学や人間を観察する学問を勉強していました。その中で、教育のテーマを扱うことが多く、今注目されているフォルケホイススコーレの内容を、現場で感じてみたいと思いました。日本の教育はネガティブな意見が見られることも多いので、日本と北欧の教育でどのような違いがあるのかも学んでみたいです。

あとは、コミュニケーションに関わるテーマを深く勉強してみたかったというのも大きいです。実は僕自身が人見知りで、初対面の人と話すことがとても苦手です。でも、人と話をすることは大好きなので、対話や雑談から自分の考えやスキルを磨いていきたいと思っています。

もともとデンマークは自分が行きたかった国なので、そこで自分のやりたい勉強をできるのが楽しみです。

ライフスタイルを模索する日々…そしてスラッシュワーカーズとの出会い

スラッシュワーカーが集まるコミュニティ「スラッシュワーカーズ」

—スラッシュワーカーを目指したきっかけを教えてください
まず、スラッシュワーカーズに入ったのは、コミュニティが立ち上がった2021年ですね。まだ学生の時でした。

スラッシュワーカーを目指した理由は、1つは、大学院で研究をしている中で「このままでいいのか」という違和感を持ったからです。修士までは進みましたが、博士に行こうか、別の道に進んでいくのか考える中で、このまま研究だけしていてもいいのかという葛藤がありました。その時期にコロナウイルスが広がったこともあり、一旦大学院を休学して、将来のことを考える期間を作りました。

もう1つは、ルイスさん※の生き方を参考にしたことです。休学中、海外に滞在したいと思いジョージアに行く予定だったのですが、コロナの影響で渡航1週間前にフライトがキャンセルになってしまって…。その時期は、自分の生き方やライフスタイルをどう選んでいくかが全く見えなくなって、精神的に苦しかったですね。そんな時に、たまたまルイスさんの発信を通してスラッシュワーカーという存在を知ることになりました。

ルイスさんの発信を見る中で、「彼が運営しているコミュニティに入れば様々な生き方や働き方を知ることができるのでは」と考えたのが、スラッシュワーカーズというコミュニティに入ったきっかけです。

※ルイスさん:ルイス前田さん。スラッシュワーカーが集うコミュニティ、「スラッシュワーカーズ」の発起人。

—ルイスさんの生き方でどういったところを参考にしていましたか。
ルイスさんの「旅人力」ですね。ルイスさんは、自身の発信から旅することが心から好きだと伝わってきましたし、なにより旅人としてのスキルの高さを感じました。

自分の海外渡航歴としては、ヨーロッパにしか行ったことがなかったので、ルイスさんを参考に旅人力を上げて、もっと色んな国に行ってみたいと思ったんです。

—旅人力って面白い表現ですね。旅人におけるメンタルや旅の仕方におけるスキルみたいなものですか?
それに近いと思いますね。

自分はスラッシュワーカーズというコミュニティでの活動を通して、旅人力を高めていくのと同時に、「自分にとっての理想の仕事ってなんなんだろう」「自分には何ができるんだろう」ということを模索していきました。

その中で自分は海外ノマド※をしてみたいと思うようになりました。今回デンマークにワーホリに行くのも、将来的に海外ノマドになることを見据えてやっています。

※海外ノマド:海外に居住しながら自宅やカフェなどを仕事場所として、リモートワークをする人々

—スラッシュワークという働き方を通して、どんな姿になりたいですか?またスラッシュワーカーとしての現在地についても伺いたいです。
最終的になりたい姿として先ほどもいった通り、海外ノマドですね。
これを1番大きな目標として掲げています。

現在取り組んでいるスラッシュワークは、リゾ―トバイトの仕事がメインで、その傍らでライティングの仕事をしています。具体的にはキュレーション記事を執筆しています。加えて、今後はインタビューライティングの仕事にも挑戦したいです。過去には、プログラミングなど色んな職種にも挑戦してきました。

—リゾバやライティングを選んだ理由ってありますか?
リゾバは単純に、ワーホリのための資金集めです。リゾバは仕事先の宿泊が無料なので、固定費を極限まで下げて支出を減らすことによって、貯めるお金を増やしたいという思いですね。ワーホリに行く時期も決めているので出発までに資金を確保したいです。

ライティングを選んだ理由は、書くスキルが長期的な目で見ても大切だと思っていること、あとはオンラインでできる仕事として始めやすかったことですね。正直、書くこと自体は嫌いでも好きでもないんです。でも自分の中で一定持っているスキルではあるから、今はそれを収入源として確保しているという感覚はあります。

不摂生な生活からの脱却。健康や食をスラッシュワークに

ひょんなことで健康に関心を持つことに!

—これからどんなスラッシュワークを増やしていきたいですか?
僕自身も、食や栄養学を独学で勉強していて好きな分野なので、いずれはその分野で商品を作って、独立できたら嬉しいです。

—健康や食についてはかなりニッチな情報もSNSを通して発信していますよね。
そうですね。この分野は、見せ方を工夫すれば、一定の人が求めているニーズとマッチするんじゃないかと想像して発信しています。ただ、昨年はインスタグラムの運用に挑戦しましたが、思うようにいかず挫折しました。

同時にブログも立ち上げていて、食や健康に関する情報を届けることができたら面白いなと思っています。収入源になればとても嬉しいです。

—健康や食に関心をもったきっかけはなんですか。
健康や食に興味持つ前までは、不摂生な生活を送っていました。高校入学から8年ほどはずっと忙しくて不摂生な生活をしていました。その結果、年齢よりも老けて見られることが多かったです。(笑)

でも4年前のある日、鏡で自分の姿を見てすごい違和感を覚えました。「僕、このまま歳取って死ぬのは嫌だな」と。

そう思って、まずは筋トレを始めました。でも、しばらくして運動より食べ物を変えたほうがいいのではと思うように。体が強くなる食べ物や、病気予防のメソッドなどについて興味を持ち、栄養学の本で勉強しました。

さらにアウトプットとして、学んだことをnoteに自分なりにまとめたり、研究データを整理して、家族や友人に紹介していましたね。

—今後は健康や食の分野でどのようなことをしたいですか。
まだまだ定まっていません。興味はあるので色々チャレンジしているものの、収入の柱として成り立っていないというモヤモヤがあって。特に、他の発信やサービスとの差別化に悩んでいます。

満遍なく栄養や食について取り扱うようにするのか、食だったら、その中でさらにテーマを絞っていきたいなと思っています。

海外ノマドを目指し、スラッシュワークを磨く

—スラッシュワーカーとしての今後の展望を教えてください
最終的には海外ノマドになることを目指しています。その手段としてスラッシュワーカーになりたいです。ただ、自分は長い目で見て、スラッシュワーカーになれれば良いと思っています。以前はとにかく早く複数のスキルを持っておきたいと焦っていましたが、ワーホリに行く目標ができたことで、少しずつスキルを積み上げていけば良いんだという気持ちに変わりました。

そのため、ワーホリが終わるまでにライティングやブログで少しずつ経験を積み、スラッシュワーカーとしての基盤を固めていきたいです。

—面白いですね。愛斗さんは先に向かうべき方向を大きく決めてしまって、そこまで走り切るために努力する方なんだなということが印象的でした。目標も大きいものばかりで話を伺っていて、とてもワクワクしました。
そうですね、ありがとうございます。
まだまだ思うようにいかないこともたくさんあるので、これからも頑張っていきます!


【編集後記】
今回は自分が所属する「スラッシュワーカーズ」というコミュニティで、メンバー内のインタビューライティングを行いました。

まだまだインタビュアー、編集者として未熟な点だらけですが、今後色んな方を取材しその方の人生を深掘る仕事ができたら嬉しいなと思っています。

ポートフォリオも載せておくので、よかったらお仕事の依頼もお待ちしております!




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