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ラーム・チャランさんと「進撃のインド人」

「インドの映画」と言えば?

日本の映画とは一風変わった作風、
とにかく明るい、歌とダンス!!
そういうイメージがある、かもしれません。

私は、日本での興行記録を持っていた
1995年『ムトゥ 踊るマハラジャ』くらいしか
知らなかった門外漢なのですが、

2022年10月に日本で公開された『RRR』
このムトゥの記録を塗り替えて、
日本でのインド映画の中で最も高い
興行収入を記録しています。

この映画で主演を務めたのは、
ラーム・チャランさん。
本記事では、彼の紹介を書いてみます。

彼は1985年にインドの都市
チェンナイで生まれました。
チェンナイは、旧名、マドラス。
「南インドの玄関口」とも言われる港町で
人口約七百万人を超すインド第四の都市です。

2023年には、38歳。

父親は映画界のスターでした。
母親は名優の娘。
…当然ながら彼も俳優の道に向かいました。
(インド映画界ではこのような
「大スターの一家」がいくつかあります)

2007年、22歳でデビュー!

そのデビュー作『Chiruta』は適度なヒット、
2作目の『マガディーラ 勇者転生』
爆発的なヒットとなりましたが、

続く『Orange』
ロマンス中心のストーリーに挑戦したところ
興行的に大失敗してしまいます…。

2013年には自身の主戦場である
「テルグ語映画」ではなく
「ヒンディー語映画」である
『Zanjeer』にチャレンジしますが、

これも壊滅的な失敗に終わる…。

ただ、あえて違う世界に挑戦していって、
芸風を広げる、という意味合いが
強かった、とも言われています。

…ここで少し説明を挟みますと、

インドは多種多様な人々が住んでいますので、
言葉も文化もまた多種多様、なんですね。

「テルグ語」とは
ドラヴィダ語族に属する言語です。

主にインドの南東部で話されている言葉。
テランガーナ州(州都ハイデラバード)
というところの公用語でもあります。

ハイデラバードの近郊にある
「フィルムナガル」というところでは
多くの映画が撮影されており、
「ハリウッド」をもじって
「トリウッド」とも呼ばれています。

彼はあえてこのテルグ語映画から
抜け出して、違う世界を見てきた。

私はここに、大きな分かれ道が
あったように思うんです。
28歳。30歳を前にして、
それまで慣れ親しんだ環境から
抜け出して、違う世界に身を置いてみる。

これが、彼の俳優としての幅を広げた。

その甲斐があったのか、
2014年の『誰だ!(Yevadu)』
『Govindudu Andarivadele』で、
徐々に演技と人気を持ち直していきます。
後者は、初めての農村の物語。
情感たっぷりに演技をしています。

『Bruce Lee: The Fighter』(2015年)では
コメディーで持ち味を発揮!
『Dhruva』では筋肉を大増量させて、
大人の男を演出!

「アクションもロマンスもできますよ。
もちろんインド映画には欠かせない
ダンスもばっちりですよ!」としたところで、

満を持して、2018年には
『Rangasthalam』に主演します。
ここで彼は大人気を博したのです。

小さな農村「ランガスタラム村」が舞台。
ラーム・チャラン演じる青年チッティ。
村を牛耳る金貸しの自称
「プレジデント」から村を救うべく、
兄のクマールと共に雄々しく立ち上がる…!

スリルあふれる(インド映画っぽい)展開。
変化に富んだダンス。骨太なストーリー!
この映画は2018年公開のテルグ語映画の中で
二位以下に圧倒的な差をつける
大ヒット作になった
のです。

「役者人生の転換点」と
彼自身も後に語る作品となりました。
これらを経ての、2022年『RRR』。

ミュージカルアクション映画です。
実在した独立運動指導者をモデルにした
フィクションで、
イギリス領インド帝国に戦いを挑む物語。
日本でも興行的に大成功!
第46回日本アカデミー賞では
「優秀外国作品賞」を受賞しています。

私は日本にいますので、
どうしても他の国のことに
疎くなってしまう。
それは地理上、しょうがない部分がある。

しかし、例えば映画などを通して
他国の文化に触れてみる。

そうすることで、逆に
日本の文化の特徴もまたよくわかるものです。
日本のアニメ、例えば『進撃の巨人』なども
海外ではよく見られている
ように…。

最後に、まとめます。

本記事ではラーム・チャランさんの
キャリアを通して、
インド映画、テルグ語映画などについて
簡単に紹介してみました。

彼の「転換点」の一つである
2018年の映画『ランガスタラム』は、
2023年の7月4日から
新宿ピカデリーほかにて日本で初公開されます。
もし興味のある方は『RRR』とともに、ぜひ!

…え? 忙しくてインド映画を観に
映画館に行く暇はないですよ、ですって?

そんな方のために、以下の動画を。
…なんというか、こう、
日々のあれこれがぶっ飛ぶような動画です。
ちょっと疲れた時などに、ぜひ。

(注:雰囲気だけは味わえると思います。
というか、この動画、よく作ったな…)

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