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日本は47都道府県。アメリカ合衆国は50州。

「では、インドは?」

…えっと、どれだけあるのでしょう?
言われてみれば、インドにも「州」や「県」が
あるはず、ですよね。

私は、知りませんでした。
調べてみました。州の数を。
すると、ページによって数が違うんですね。
27? 28? 29? なんか、はっきりしない。

…どうやらインドは、その時々で
州の数が刻々と変わっているようなんです。
「47都道府県」「50州」のように、
固定気味でしばらく変わっていない、
という状況とは、違う。

ここに、インドの「流動」と「混沌」
私は感じました。
国連人口基金(UNFPA)によると、
インドは今年半ばには中国を抜いて
世界最多になるそうです。(もう抜いている?)

その数、実に14億人越え!

人口が減少している日本。
逆に、増えゆくインド!
そのインドの「いま」を知ることで、
対比として、何かをつかめるかもしれない。


ということで、本記事では
「いまのインド」を紹介していきます。
(記事執筆時の情報、変わる場合はご容赦を)

まず、州の数、なんですが
「28州」のようです。

インド(インド共和国)の行政区分としては、
まず、一番上に「国(政府)」がある。
その下が「州」になります。
(連邦直轄領という国が直接治めるところもある)
さらに下には「地方」「県」「地区」「郡」と続く。

何しろ日本の約9倍もの面積があります。
人口も、約14倍
「治める」だけでもケタが違うのです。
しかも亜大陸、地続きだ。
「日本の都道府県」のイメージでは、ない。
アメリカ合衆国の「州」に近い。

かつ「インドは世界・州は国」とも言われます。
州によって歴史も文化も言語も宗教もばらばら!
インド共和国、という共通の国ではありますが、
その実、群雄割拠状態なのです。

…ただ、この28州の名前を羅列的に書いても
「ふーん、そう」で終わりそうですので
(と言いますか、書ききれない)
「紅茶」や「有名な都市」を中心に、本記事では
地域別の一点豪華主義で
ピックアップして書いてみます。

≪北インド≫「首都ニューデリー」

インドの首都は、北インドの「ニューデリー」!

ニューがあれば、オールドもあります。
イギリスの植民地時代、
ムガル帝国時代の首都(オールドデリー)と別に、
都市計画に基づき「ニューデリー」が作られて、
イギリス領インド帝国の行政機関が置かれました。

ただ、イギリス人にとって、インドは暑い…。

イギリスの人はもっと北にある
「シムラー」という都市を
「夏の首都」として定めていました。
季節によって首都を変えていたんですね!
(ニューデリーができる前の初期は
東インドの「コルカタ」が中心でした)

ガンジス川タージ・マハルなど、
「インド」と言って真っ先に思い浮かびそうな
見どころもたくさんの地域です。

≪北東インド≫「アッサムティーのふるさと」

南アジアの地図を見ると、
ガンジス川の河口のあたりは
「バングラデシュ」という隣国なのですが、

そのバングラデシュの北東側は
インドの領土
になっているんです。
ぴょこっと、ここだけはみ出している感じ。
「インドの中の異国」とも言われます。
東南アジアにも近い。

この地域で有名なものは「アッサム州」の
「アッサムティー」でしょう。
インドと言えば、紅茶が有名!
この地域にあったタイ族系の「アホム王国」が
英語で「アッサム」と呼ばれるようになりました。

≪東インド≫「ダージリンティーのふるさと」

「コルカタ」と言えば
バングラデシュとの国境の近くにあり、
「ウエスト・ベンガル州」の州都です。
昔は「カルカッタ」とも言われていました。

そもそも「バングラ」デシュの国名も
「ベンガル地方」から来ています。
このベンガル地方が、ヨーロッパ諸国の
貿易活動の拠点だった。
ゆえに、ニューデリーができる前は
このコルカタ(旧カルカッタ)が
イギリス領インド帝国の首都だったんですよ。

ただ、イギリス人にとって、インドは暑い…。
(大事なことなので2回目)

イギリス人は避暑地として使うため、
ヒマラヤに近い高地、ダージリンに向かう
「山岳鉄道」を作った
ほどでした。

このダージリンは、お茶の産地としても有名。
イギリスはネパール人をここに移民させ、
お茶を作らせていたのです。
今でもダージリンにはネパール系の人が
たくさん住んでいます。

≪西インド≫「世界一の『統一の像』」

アメリカの「自由の女神」は
台座まで含めると約93メートル。
何とその約二倍、182メートルの高さの像が、
西インドの「グジャラート州」にあります。

めちゃめちゃ、高い! 高さも価格も。
総工費は約300億ルピー(約470億円)。

これは「統一の像」と言います。
インド建国の父の一人である、
ヴァッラブバーイー・パテールの像です。

インドと、西の隣国パキスタンは、
独立時に「分離」して独立しましたが、
パテールはヒンドゥー教徒として
多くの藩王国を説得して
インドに帰属させたんですね。
「インドの鉄の男」「インドのビスマルク」
とも呼ばれています。

現在、インド政府の与党はインド人民党で、
ヒンドゥー教を重視しています。
パテールの評価も、高まっている。
(注:モディ首相の地元もグジャラート州)
2018年に、この世界一の像が完成しました。

≪南インド≫「紅茶のブルーマウンテン」

南インドの西ガーツ山脈の南部にある
ニルギリ丘陵では、
紅茶がたくさん栽培されています。

現地語で、ニルギリは「青い山」!
人呼んで「紅茶のブルーマウンテン」です。
「タミル・ナードゥ州」に属します。

この州の州都はチェンナイ
(昔はマドラスという名前)の港町。
西海岸の「ムンバイ(旧名ボンベイ)」
東インドの「コルカタ(旧名カルカッタ)」
並んで、世界都市であり世界の港の一つです。
綿花や紅茶などがこれらの港から
大量に輸出されていきました。
(もちろん、今でも)

南インドは、ニューデリーの北インドとは
全く雰囲気が異なります。
テルグ語、タミル語、カンナダ語など、
「ドラヴィダ語族」が多いのです。
「ヒンディー語」とは違う言葉を話す人が多く、
(そもそもインドは言語も混沌、多種多様ですが)
その「言葉」によって州が分けられている、
という側面もある。

以上、ごく簡単ではありますが、
「いまのインド」を地域別に紹介しました。

ただ、いまのインド、とは言え、
歴史や地理(ヒスとジオ)に
大きく影響されています。

(産業革命・アフタヌーンティー好きの
イギリス人によって、
綿花や紅茶をガンガン栽培させられた、
という歴史もありますので…)

カレーのことまで書いていったら
終わりそうにないので、ここで終わります。

ぜひ、読者の皆様も
紅茶を飲む際には、悠久のインドに
想いを馳せてみてはいかがでしょう?

※インドに触れるには「インド映画」もおすすめ↑

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