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エアロスミス雑感 ~ 前半は彼らの才能の赴くままに、後半は+コラボで再生

エアロスミスは、大きく分けると、2つの期に分けられます。

前半は、1980年代の初期の頃まで。
後半は、1980年代後半から現在まで。

何がちがうかというと、後半は、外部ソングライターを多く起用するようになっている点です。伴い、楽曲の質自体も向上。

アルバムというものを考えたとき、ほとんどの人は、全曲良い曲であることを期待すると思います。僕もそうですね。

そういう意味では質の向上は、うれしい限り。

あとは、時代の変遷によるものですね。後半になるにつれ、キーボードを加味していったので音がゴージャスになったということと、CD化による録音時間により1枚のアルバムに多数の楽曲を収めることができるようになったという点。特に後者については、12-3曲が当たり前になっています。

楽曲の質について

実はよくよく70年代のアルバムを網羅的に聞いてきて、ある結論に達することができました。

ロックにおいては、全曲素晴らしいアルバムがあまり無いということ。(後述のレッドツェッペリンのような例外はあります。音のカテゴリ的な例外)

いい線行っているものもあります。
クイーンのオペラ座の夜、シンリジイのブラックローズ、ディープパープルのマシン・ヘッドなど。

*レッドツェッペリンはそもそも、質というよりは黒人ブルーズの影響下にあるので、そういった論点は当てはまらず。

エアロスミスもそうで、前半期の名曲たちは、アルバムに散見されるも1枚通して、傑作というのは中々ない。この記事の中でも出来の良いトーイズ・イン・ジ・アティックは悪くないが。。

「トーイズ・イン・ジ・アティック」は、全9曲で、Toys in the Attic, Sweet Emotion , Walk This Way, You See Me Cryingといった永遠の名曲4曲を含みます。が、それ以外が弱いのが残念。それでも名曲が半分だから良いのかもしれませんが。

初期には他にも、Dream on , Mama Kin , Back in the Saddle , Same Old Song and Dance, などがありますが。この時期のアルバム「ダン・ウィズ・ミラーズ」までに、8枚のアルバムがあると考えると、ちょっと物足りない。

といった時代、、この問題の原因は、アーチスト自らが楽曲を手掛けていたからですね。ただエアロスミスだけではなく、アン・ウィルソン&ナンシー・ウィルソンのハートや、初期のデフレパード、クイーン、カテゴリを広げてエリック・クラプトンらにもみられる傾向なんですよね。

70年代に華々しく大ヒットを飛ばし、スターダムにのし上がってきた。が、70年代の後半から失速し、悪くて解散という道をたどっていくような。

ここで、前述のアーチストたちは、コラボを始めます。外部ライターと。

BonJoviが最初の成功例でしょうか。ボン・ジョヴィもセカンドアルバムで燃え尽き症候群が見えてきていました。明らかにセカンドは質が劣ります。

ここで、外部ライターを入れて一気にのし上がったのが、サードアルバム「邦題:ワイルドインザストリーツ」でした。

この流れを次作「ニュージャージー」まで延長し、唯一無二の存在に躍り出ました。

ハート、デフレパードも同様ですね。
ジョン・サイクスに助けを求めたホワイトスネイクも同じかもしれません。

この流れが、エアロスミスにも押し寄せ、彼らの後半生を彩っていくことになります。後半は再生と発展の時代でした。

エアロスミスも過渡期のアルバムは、彼らの歴史を俯瞰してみたときに内容的に劣るものが多くなっています。

パーマネント・バケーションというアルバムから、彼らは変貌を遂げます。コラボで自分たちの作曲熱も高まったのか、アルバムにこれでもかといわんばかりに楽曲を詰め込みます。そして、音はゴージャス。もちろん質は高い。

という状況になりました。この時期からの名曲は、数多いです。

I Don't Wanna Miss a Thing , Angel , Love in an Elevator, Dude  , Janie got a gun, What it Takes , Livin' on the Edge , Young Lust , Pink , Full Circle , Nine Lives , Rag Doll, Hole in My Soul, Just Push Play, Eat the Rich, Walk on Down, Fly Away From Here, Falling in Love, Cryin', Amazing, Crazy, Kiss Your Past Good-Bye,,,etc


アルバム1枚を聞くのに1時間を超えるので、アルバムを作品として味わうというよりは、楽曲が詰まった音源として味わうようになっていくことになるわけですが。

そして、彼らの歴史を俯瞰して思うのは、楽曲に揺れ幅が少ない事でしょうか。前半であれ、後半であれ、楽曲のばらつきは前半に顕著ではあるが、彼らの「音」という意味では、大きなぶれはありません。

クイーン、ハートは顕著に変わっていますし、デフレパードやボン・ジョヴィには実験的な作品もあった。揺れ幅があったんですね。

エアロスミスには、あまりこれが無いことは特筆すべきかもしれません。ということは、安心して聞けるということですね。これは彼らのバンドとしての軸があったというほかに、スティーブンタイラーの声やジョーペリーのギターによるものともいえます。また、大きな視点でいえば、エアロスミスもまた、レッドツェッペリン同様、アメリカ南部の音楽・ブルーズを基調にしているからと言えるかもしれません。

レーナードスキナードや、テデスキ・トラックスバンド、エリッククラプトンなども、大きな揺れ幅は無いといえますね。

前半は彼らの才能の赴くままに、後半は+コラボで再生。

と、つらつらと書いてきました。

ちょっと、今日はエアロスミスをたくさん聞こうと思いますww



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