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80年・90年代日本音楽史「拾遺」Vol.1 〜 椎名林檎。上京にまつわる物語。「正しかった街」

日本が高度成長期を終えた後、その名残のように襲ってきたのは急激な一極集中でした。

その一つが若者の上京という現象。

今の時代、東京にいることがアドバンテージになることは以前ほど少ないと思いますが、当時、東京は花の都(長渕剛「とんぼ」)であり、成功の足掛かり、成功のための必須要素だったんですね。

そして、そんな東京に出てきてみれば。。

夢を抱えていたはずだったのに、、、思っていた風景とはちょっとちがう。。そう、理想と現実の狭間を少しの間行ったり来たりして、戸惑うのが常。

そう、、だからこそ、この大都会にきても、その狭間でとまどい、相変わらず訳の分からないことを言ってみたりする(くるり「東京」)

また、上京という現象は、遠距離恋愛という事象も生み出し、それにまつわる様々なドラマが生まれることにもなりました。どこまでもついて来て欲しかったその言葉言えずに、、という夢の代償としての別れもあったでしょう。(シャ乱Q「上・京・物・語」)

あの日の君の言葉と、あのとき、名残惜しそうに振り返った(振りかえさせた)あの街が正しかった(椎名林檎「正しい街」)と、若干の後悔が浮かんだり。

1980年代当時は夢のような場所だった東京は、現在では、どのような街として映っているのでしょうか。

リアルタイムで今を、夢を抱えた10代として、地方で過ごしているわけではないので体感はできません。

ただ、もしかするとインターネットが距離を縮め、コロナ禍でワークシフトが急激に進んだこの時代では、東京はきらびやかな姿ではなく、単に東京にしかないものがある場所(ブランド旗艦店、お台場とか、浅草とか、東大とか、)として映っているのかもしれません。

もしかすると、今後、地方で、その場所にいながらにして、夢への挑戦を成し遂げていく人物が多数出てくるのかもしれません。

そんな時代の変遷を、目の当たりにできるとしたら、それはそれで幸運なことともいえますね。

東京より20年前に後にした地元の街並みを思い浮かべながら。。


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