悲しみが雪のように積もった3月の夜 ~ 「悲しみは雪のように」 ~ 6世中村歌右衛門を送った季節外れの雪月花
暖かい春のような日が続くのかと思いきや、打って変わって寒い日が再来中ですね。
あの暖かさは季節外れだったのでしょうか。
季節外れで思い出すのは、2001年の3月31日のこと。
あの時、季節外れの、雪が降り北部ではかなり積もっていました。当時の勤務地が埼玉南部(東京から見たらかなり北の方)でしたので、短靴では中に雪が入るくらいの積雪。
当時はすでに桜も咲いており(たしか例年より開花速度も速かったのではないか?)、桜に雪という、幻想的な風景が広がっていたのでした
そして夜。月あかりがその風景を照らしていました。澄んだ空気によっていつも以上に美しく見えたその月は、何事かをやさしく包んでいるかのようでした。
雪月花。
実はこの日、とある不世出の歌舞伎俳優が世を去った日でもありました。
それは6代中村歌右衛門。女形としては7代尾上梅幸と並び称された、伝説的な方で、彼の当たり役の一つが、道成寺。
桜が咲き誇り、舞い落ちるこの演目の舞台のように、雪月花に見送られた臨終の場だったように感じます。
悲しみが雪のように、、積もる夜でした。
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