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しんどいときに聴く音楽(71)〜 パット・マシーニー(3)の思い出話

(3 min read)

Pat Metheny / We Live Here

パット・マシーニー(パット・メセニー)のことを三回も書いていますけど、やっぱり大好きなんですよねえ。でもぼく最初はパットのことバカにして聴いていませんでした。ちょうど大学生のころ。

といってもジョニ・ミッチェル『シャドウズ・アンド・ライト』のことは好きで、とってもよく聴いていたんですけど。そのなかでのパットのギターも好きだったし、それにだいたいぼくはパット世代どまんなかのはずだったのに、周囲がもてはやすのに対するちょっぴりひねくれもの的な反発もあったんでしょうか。

そんなわけで大学生のころにはパットの作品を一枚も買わなかったんですが、東京の大学院に進んだらパットのことを推薦してくる人物がまわりにけっこういました。特に一年後輩の金山くん。金山くんが「戸嶋さん、パット・メセニーはいいですよ〜」ってさかんに言うんですよね。

それでもなかなかレコード買わなかったんですが、転機は1995年に新築マンションを買って引っ越してからのこと。その前からFM雑誌を定期的に買っておりまして、そのなかの新作リリース情報のページにパット・マシーニー・グループの『ウィ・リヴ・ヒア』(1995)が載っていたわけなんです。

当時のFM雑誌は音楽専門誌という側面もあって、いまみたいにネット情報なんてないし、音楽のことを知るソースとしてぼくは活用していました。FMラジオの音楽番組もよく聴いていましたし。そいで新作情報コーナーに載ったパットの『ウィ・リヴ・ヒア』のジャケット写真がいいなぁ〜って、そう思いました。

1995年の話で、レビューをどなたがお書きになっていたかはもう忘れちゃいましたが、たしかその文章にもおおいに刺激される部分があって、パットはだいたい大人気ミュージシャンだし、と思ってショップでCD買ってみたんです。

それで聴いてみたらなんかほんとうにカッコよくって。一発でパットの音楽に惚れちゃいました。2024年のいまでも『ウィ・リヴ・ヒア』は最も好きなパットの作品の一つです。それくらい本作はある意味衝撃的ですらありました。

その後はパットのことをフォローするようになり、新作が出たら欠かさず買う(いまはサブスク)ようになって、過去のアルバムもさかのぼってぜんぶCD買って聴いてみました。ぼくにとって1995年の『ウィ・リヴ・ヒア』がすべてを変えた転機だったんです。

(written 2024.1.2)

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