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【台湾の面白い建物】南埕衖事

台南に、藤本壮介氏の設計したリノベーション案件があるというので見に行ってきました。場所は林百貨店のすぐ近くです。

この建物は、不思議なことに用途はアイスクリーム屋さんです。元々の建物は著名なホテルとして使われていたものを、オーナーが藤本壮介に惚れ込んで、彼に自由に設計させ、それを苦労して実現したというものです。この空間を体験してもらうためのインスタレーションと言った様相の建物になっています。
見どころは、上層部に設けられた半屋外の階段空間。この階段を法規的にどの様に位置付けて建築ライセンスを通すのか、そして施工するのか。それは8年にも及ぶ苦労の連続だったそうです。

この建物は、この上階部分に入るためには入場料を払う様になっています。そうすれば、中国語ですが解説のスタッフがついて、丁寧に1時間ほどこの建物の建設の由来と苦労を説明してくれます。台南に行くことがあれば、寄ってみてください。確かにとても面白い空間体験ができます。

外観

これは、裏通からの立面です。
改装した部分が左上に見えますね。

2階店舗部分

低層部の階段。この部分は元のままです。
2階のアイスクリーム屋さんの客席部分。
インテリアのデコレーション。
ノスタルジーを感じる、中庭の空間。
アイスクリーム屋の座席部分。

地下室

この地下室は、昔はダンスホールだったそうです。

1階、エントランスロビー

1階のエントランス前のアルコーブ。
ここに集合して説明を受けた後に上階に移りました。

階段室

階段空間を見下ろす。
解説のお姉さんが、この空間の作られ方や特色を
丁寧に説明してくれました。
この空間には用途のない不思議な階段空間が
たくさんあります。
行けずのバルコニー。
錯綜した階段空間。
立面に表すために作られた、入れない階段。
天井にはガラス屋根があり、
この空間は半屋外の内部空間になっています。
この階段空間は、床スラブを取り除いた
減築として実現しています。
辿り着けない階段がたくさんあります。
互いに行き来のできない空間であることを、
"ET"のシーンを模して体感しています。
床を撤去していますが、梁は抜けないので
階段の施工が大変だったそうです。
階段スペースを見上げる。
様々な工夫をして鉄骨階段を施工しています。
左上に不思議な階段の様子が見えます。

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