島 裕之 Hiroyuki Shima

台湾で建築コンサルタントの仕事をしている建築士です。仕事のかたわら、台北のジャズライブ…

島 裕之 Hiroyuki Shima

台湾で建築コンサルタントの仕事をしている建築士です。仕事のかたわら、台北のジャズライブに頻繁に足を運んでいます。 ほかにも、街歩き、ハイキングと本屋巡りなどを楽しんでいます。

マガジン

  • 徒然の記

    Noteではテーマを4つ選んで文章を書いています。建築/音楽/歴史/中国語ですが、そのいずれにも当てはまらない記事もありますので、それをここにまとめておきます。 台湾で暮らしている中で遭遇した、あるいは感じた面白い出来事を紹介します。

  • 学生時代のヨーロッパ旅行

    僕は大学3年生の終了時、一年間の休学をして、そのうち半年をアルバイト、そして残りの半年でイギリスへのワーキングホリデーとヨーロッパ旅行をしました。この旅行をしたことは、その後の僕の人生を大きく変えてしまいました。 既に40年近くも前のことになりますが、大学の時に実行したこの旅行のことを紹介してみます。

  • 台湾のジャズライブ

    台湾で実際に足を運んで聞いた、特に特徴のある興味深いジャズライブの内容を紹介していきます。ミュージシャン、音楽の特徴、ライブ会場等について触れます。 FBで"台湾ジャズ指南"というグループを作っていて、こちらではタイムリーな台湾のジャズライブの情報などを発信しています。FBを利用している方はこちらもご覧ください。 https://www.facebook.com/groups/576457089563845

  • 台湾の面白い建物

    僕は台湾の設計事務所で働いたこともあり、日本の設計事務所で台湾の建築師とJVを組んで一緒に設計業務に臨んだこともあります。そんなことから、台湾の現代建築をとても興味深く見ています。それで、暇をみては台湾のあちこちの面白い建物を見学に行ってます。 そんな中でも特にこれは面白いと思ったものをNoteで紹介します。日本では現在建築デザインが非常に保守的になっていると思いますが、台湾ではたくさんのおおらかなデザインの建物が実現しています。

  • 明清交代人物録

    台湾に関わりを持つようになってから、言葉の勉強を兼ねて中国語による台湾の歴史の本を読むようになりました。その中で特に興味を持ったのは歴史家曹永和氏の著作です。17世紀の台湾の歴史を、オランダの資料を基に再構築し、台湾の歴史を台湾島の歴史としてとらえ直しています。 ここからスタートして、明朝末期から清朝の初めにかけての様々な歴史資料を読んできました。日本ではこの時代についての詳しい書籍はあまり多くないので、この様な読書経験から、日本ではあまり触れられていない面白い人物を知ることになりました。その中から、僕が興味を持っている人物をピックアップして紹介していこうと考えています。 第一部【鄭芝龍】 第二部【フランソワ・カロン】 第三部【フレデリック・コイエット】 第四部【洪承疇】 第五部【陳永華】

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謝明諺

台湾で最もアグレッシブにジャズの活動を繰り広げているサックス奏者です。毎年2回ほど日本でのツアーを行っており、2週間ぐらい東京関東近辺を中心にライブを行っています。

FBでの案内

6月11日

6.11 w/吉本章紘, 瀬尾高志, 落合康介 @代々木上原 hako gallery

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6.12 w/豊住芳三郎 @

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2024年5月20日、賴清德が第18代中華民国総統に就任しました。僕は政治ウォッチャーではないので、この新しい総統のことを詳しく知っているわけではありません。それでも台湾で普段仕事をしたり、台湾の友人と話をしている中で、この人物についての話題が出てくることがあります。その時の印象と、中華民国の総統の過去の歴史から感じることがあるので、それを合わせて思うところを書いてみます。

台南市の市長として

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僕ら夫婦は、国際結婚で長距離恋愛をしていた期間も長く、今また単身赴任で東京と台北に分かれて暮らしています。そのため、現地で落ち合うとか、現地で別れるとか、個別に単独で行動する旅行をしょっちゅうしています。
とても自由なスタイルで気に入っていますが、周りに夫婦でこんな風に旅行している人はあまり聞かないので、紹介してみます。

シンガポール/マレーシア

これは、結婚する前の台湾の輔仁大學語言中心留学

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ジェノヴァで華やかな週末を過ごした後は、イタリアを更に南下、フィレンツェに向かいました。

フィレンツェの友人

Tiptreeでは、フィレンツェの友人とも知り合いになっていました。ヴィットリオ君と言います。ロベルトと一緒にいたことが多かったのは、ジェノヴァとフィレンツェが地理的に近いということもあったのでしょうね。フィレンツェに着くと、真っ先にこの友人に連絡しました。

ヴィットリオはフィレンツ

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林佾璁 Jeffry Lin

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台湾で生活していると、日本で暮らしていた時とは全く異なったタイプの人間と知り合うことが良くあります。日本での生活が仕事で精一杯で、趣味に割く時間も限られており、とても限られた人間関係しか持てないのに対し、台湾では日本から来ている人間同士が集まりやすいこと、台湾の人々自体がとても開放的でオープンな人間関係を持っていること、もう一つは僕がジャズという、とても皆で繋がりやすい音楽に関わっていることなど。

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2024年のGW、家内と2人でカナダのバンクーバーに遊びに行ってきました。日本で知り合った2組の夫婦がバンクーバーに移民として移っており、彼らを訪ねていこうという旅行でした。
そこで個人的にカナダと台湾には似ているところがたくさんあると感じたので、そのことを書いてみます。

街の発展状況

バンクーバーは、ダウンタウンの発展も進んでいますが、今はそこから郊外への電車が複数伸びており、そこが新しい居

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高雄の北にある台湾シュガーの工場跡地が見学できると聞いたので、台南から高雄への移動がてら行ってみました。広い敷地に日本時代の木造の建物が点々と残っており、レストランになったり、インフォーメーションになったりしています。

見所は工場跡です。群馬県で世界遺産になった富岡製糸工場を見たことがありますが、こちらは明治時代ではなく、ごく最近まで現役で稼働していた近代的な工場です。規模が大きい。日本で見学で

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ここから、清が明の残存勢力を倒し、中国全土の制覇を進めて行くフェーズに入って行きます。
初めに、この明の勢力のことを概観しておきます。この王朝を中国史では南明と言います。鄭芝龍が当初その軍勢を投入し勢力を拡大したのも、南明においてです。

この南明政権については、日本語ではあまりまとまった書籍をみることはありませんが、中国語ではとても多くの本が出版されています。これは、清という満州民族の政権に抵抗

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2024年3月のSapphoのLate Night Jamsessionでのホストバンドの演奏です。この日は、普段からここのJamsessionで鳴らしている若手ミャージシャンがホストバンドを勤めていました。

 ピアノ:詹宗霖
 ギター:趙阿蘭
 ベース:李成員
 ドラム:林加恩

Anthropology

【台湾の面白い建物】南埕衖事

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台南に、藤本壮介氏の設計したリノベーション案件があるというので見に行ってきました。場所は林百貨店のすぐ近くです。

この建物は、不思議なことに用途はアイスクリーム屋さんです。元々の建物は著名なホテルとして使われていたものを、オーナーが藤本壮介に惚れ込んで、彼に自由に設計させ、それを苦労して実現したというものです。この空間を体験してもらうためのインスタレーションと言った様相の建物になっています。

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台湾の神様に助けられた話(その四)

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農安街に、たまに顔を出す"塵世音樂酒吧"というバーがあります。普段あまりお客さんがいないことが多いので、一人でカウンターでママさんともう1人のスタッフとお喋りしていることが多いのですが、その日は奥にもう1人のお客さんがいました。

農安街のバーで

いつものように、お店のキーボードを借りて何曲か弾いて遊んでいたら、そのお客さんが声をかけてきました。
彼は宜蘭から台北に出てきていて、タイに来ているミ

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2023年11月、台北で西郷隆盛のひ孫に当たる西郷隆文氏の講演会がありました。西郷隆文氏は陶芸家として名をなしている方ですが、併せて西郷家の事績を顕彰するための様々な活動を行っています。
この時の西郷隆文氏の話に、台湾に関わるとても興味深いエピソードがあったので紹介します。

西郷菊次郎

西郷隆文氏の祖父である西郷菊次郎は、京都市長として活躍し、琵琶湖疏水を政策として立案した人物として知られてい

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2024年3月にとても面白いバンドのコラボレーションがありました。ドイツのフュージョンバンドSamekaと、台湾のジャズストリングスカルテット玩弦四度が一緒にステージに立つというものです。

このプロジェクトは、Sameka Bandが元々ドイツで弦楽カルテットと一緒にアルバムを作成していて、その新作の発表を台湾では玩弦四度と一緒にやろうとしたことから実現したのだそうです。
僕はこの演奏をSapp

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学生時代のヨーロッパ旅行(その二十、イタリア)

学生時代のヨーロッパ旅行(その二十、イタリア)

Lago MaggioreのGianniのところで、旅の準備を整えた後、ミラノからジェノヴァへと旅を進めました。イタリアでは行く先々で友達に連絡をとって、週末を一緒に過ごしています。ジェノヴァではRobertoを訪ねました。

ミラノ

ミラノにはLago Maggioreで知り合った2人の友人が同行してくれました。そして、Gianniと同じ様に、あちらこちらの名所に連れていってくれ、食事は一緒に

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「Cross-Border 1624」

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少し前のことですが、台南の国立歴史博物館で開催された「跨•1624:世界島臺灣國際特展」に行ってきました。1624年というのは、オランダ人が明の時代に澎湖島を占拠しようとして失敗し、その代わりに大員(Tayouan)の地、現在の台南にゼーランティア城を築いた年です。
この時代の歴史には特に関心を持って勉強してきたので、このテーマの展覧会は見逃すわけには行きません。3月中旬2人の友達に声をかけて台南

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