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【詩】くらげのゆりかご

くらげはずっと、くらげらしくあるのを、
私は望んでいる。くらげとして生きたいの
ではなくて、私として生きたいのに、くら
げはどうしてもくらげでしかない。

プカプカ浮かぶあの発光体が光っていると
気づいたのは、いつの、誰だったんだろう。
息をしているのか、言葉を発しているのか、
誰にもわからなかったはずなのに、いつも、
暴かれてしまう。

私もずっと、くらげのままだったらといいの
にと望むけど、どうもそうはいかないみたい。
植物なのか、動物なのか、わからないまま、
でも誰かが何か言わなくちゃいけないから、
答えを探すんだね、そんなもの、ありもしない
のに。

深海をただよう私たちの発光体は、どんな色を
しているだろう。

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