【現代詩】 をへて 新橋通狂詩曲
を経て
5月は狂人の季節
6日
目撃する
放射状
みずがめ座エータ流星群
新橋通の夏日の夜
気もふれる
を経て
あなたは星に愛されたのかもしれない
東山のサイギョウアンから
白川のポンヌフへ
この短い通りは
守られていた
荒ぶる神々や
白川の狂人たちに
縄手の罪人たちは
ゾロゾロ歩いていく
四条河原へ
首を切られるために
ある者は銀閣寺のそばに住み
政治の季節に恋しながら
髪を伸ばし労働を憎み
アンビエントを聴き続けた
ある者は
薬剤師を続ける傍
宣材用の古いCDを掘り続け
大きな話は勘弁して欲しい
ある者は
一族の呪われた血を嘆き
消費経済に隷従しつつ
反政府デモに参加する自分を
嫌悪する
を経て
ついに愛しい人は来らず
一人陰陽を整え
音海に溶け
うどん ん ん ん
あうん 秘密の
ポリリズムに至る
をへて
濃い空
流れていく
うどん
狂人
明日は雨
※新橋通一帯は、正徳2年(1712年)、祇園内六町の茶屋街として開発された。江戸時代、浮世草子浄瑠璃の舞台に。昭和48年(1973)に3階建てのビルを建てる計画が持ち上がるが、反対運動が行われ
昭和51年(1976)に「重要伝統的建造物群保存地区」に選ばれた。
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