HIROYA ISOZAKI

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インド文学研究家への手紙

MU様 誠実な返信に心から感謝申し上げます。貴重なジボナンド・ダーシュの訳詩もありがとございます。詩誌 「SM」のご縁、ファウンダーであるSK氏が残してくださった温かいつながりを感じ、嬉しく思います。彼は「人間を書く」ことを何より大切にされていたと聞きます。 MU様が、繊細な感覚でロマンティックな思いを大切にする詩人であることを理解しました。ダーシュの詩は常に女性への思いが語られ、それが世界への思いと自然につながっています。 私は20歳の頃、恥ずかしながら、恋愛至上主義

    • 徳川頼宣と鄭成功

      平戸の海賊、鄭芝龍は 明国復興のため 幕府に応援を依頼するが 徳川四天王の直系 井伊直孝により 退けられる 日本乞師を助け 幕府で実権を持ち始めた 徳川頼宣は 熊野水軍とともに 荒ぶる侍に 活躍の機会を与えたかったが 浪人によるクーデターをきっかけに失脚 鄭成功も南京で敗北 鄭成功は台湾を占拠し 現在の台湾の基礎を築く

      • インド ベンガル語の詩 臼田雅之訳 ジボナノンド・ダーシュ

        『時、ときならぬ時、不吉な時』     おお炎よ、おまえは 果てしない 星の列なり、暗闇に おまえの 聖なる火が 燃える ぬばたまの闇夜が もし 創造の最後の言葉であるなら そして、その写しが 人間の心であるなら、 それでも ふたたび 光りは 創造の 濃密な心意の力で 燃えあがる、時間の 空の 大地の 胸に、 わかったのである 夜明けごろの 日の光りに 空の青さに 暗い ひそまりかえった夜に 無数の 星辰の炎先に、 大いなる世界が ある日 真っ暗な闇夜にな

        • 吉増剛造の記録 5月17日

          昨夜虎ノ門のカフェで吉増剛造の土方巽について語るライブが行われた。そのできる限りの口述を残す。 吉村剛造 ネノネ ライブ   なんとかこのテキストのネノネに辿り着いた 病める舞姫を読む目の根が止まらない 早く 病める舞姫を読むところに戻りたい うっかりした心持ち ぐったりした心持ちにつながる ナマズドジョウを新品として大事にすることも 顔を撫でる アメをくれる人を追っかけて 頭を下げる仕草 ぼんやりした 暗がりの中に隠れるのを 読みきれなかった このぐったりした心の薄暗が

        インド文学研究家への手紙

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        • ピルグリム
          2本

        記事

          『ピルグリム』刊行記念ライブ磯﨑寛也×渥美幸裕

          ★シェアと参加を希望します 新詩集『ピルグリム』刊行記念ライブ 磯﨑寛也×渥美幸裕  『ピルグリム』は京都の街で西行法師や空海が私と様々な人と場所を結びつけてくださったご縁で完成することができました。その京都のど真ん中、四条河原町、京都で最も厚い新スポット高島屋T8で、盟友渥美幸裕氏とライブを行うことになりました。この3年間の集大成であり、アーティスト伊藤公象先生と美術研究家小泉晋哉先生からいただいたチャンスを、京都で形にすることが叶いました。 🔳磯﨑寛也『ピルグリム』刊

          『ピルグリム』刊行記念ライブ磯﨑寛也×渥美幸裕

          四元康佑講演会 現代詩事情 メモ 日本詩人クラブ

          四元 康祐(よつもと やすひろ)講演会 現代詩最新事情 1959年生まれ日本の詩人、作家アメリカ、ドイツで日本語の詩を発表していた。2020年から日本に拠点を移している。大阪生まれ、上智大学、1991年第1詩集『笑うバグ』1994年ドイツ移住、2022年4月から日本経済新聞にコラム「詩探しの旅」を連載。 IWPのレポート アイオワに詩のレジデンシーがある 中上健次 田村隆一 白石かずこ 吉増剛造らがレジデンスをしている エジプトやウクライナ、フィジー中国韓国、リコト

          四元康佑講演会 現代詩事情 メモ 日本詩人クラブ

          VOY記録

          VOY内容 VOY voyant/voyage/voyager “ VOY” は航海者であり、冒険者であり、見者である。 “ voyant” はアルターモダン(オルターモダニティ)におけるプロメテウスになろうと決意する。世界無意識に深く潜り導いたpoesyによる世界観の再編を担う。 “ VOY” 信じるlyric/poetryは、この世に生を受けた赤ん坊の最初の泣き声であり、言語の前の音であり、柔らかな息づかいであり、原初の雄叫びであり、神話であり、経典であり、夢であり、

          VOYの詩

          “ VOY” は泳ぐ 言葉の荒海を あるいは静かな羊水の中を イメージの冒険は 私たちを透視者へと導く VOYは判断する ポエジーのあるなしを オルターモダニティにおける プロメテウスとはいかなるものか 世界の無意識に目覚める テクノロジーは自然界の一つの要素である 世界は調和を見つける “ VOY” 信じるポエジーは 地球の無意識である 人類誕生の声 新生児の泣き声 言語の前の音である。 母や森や海ほ柔らかな息づかいであり、 原初の雄叫びである。 それは、新しい神

          詩集『ピルグリム(2024 磯﨑寛也)』 は京都と銀座の蔦屋で絶賛オンセール!15日はポエトリーイベントが京橋であります。

          アーティスト青山悟氏とのコラボ詩集 『ピルグリム(2024 磯﨑寛也)』 は 京都と銀座の蔦屋で絶賛オンセール! 15日は記念のポエトリーイベントがあります。 京橋3丁目の「ギャラリーユマニテ」で7時からです。 青山さんもくるのでぜひご参加ください。 Amazonは来週からです。 売り場には過去の詩集3冊 『ソラリスの襞』 『キメラ/鮫鯨』 全部並んで置いてあります。 この際3冊揃えてみるのも良いと思います。 ご希望の方にはボックスをお作りします。 (蔦屋書店より) 15

          詩集『ピルグリム(2024 磯﨑寛也)』 は京都と銀座の蔦屋で絶賛オンセール!15日はポエトリーイベントが京橋であります。

          駒込の教会

          駒込の教会で 詩を読む 教会の人に会ったことはない 今日若者が2人来た 特に私に興味はない 友達の付き合い 2人ともIT 転職希望 より良い条件の会社 経済合理性万能の時代において 詩などなんの価値も認めてもらえない それでも友達が詩人なら聞いてみようかと思う そこから始めよう

          駒込の教会

          その音楽 言葉 世界

          その音楽は必要な時に現れて 何時の間にか 消えていく マニダイテル その本は 読まなければならない時には 書き物机の上にあり そのうちにいくら探しても出てこなくなる モデコナクピナコテーク その絵は ある朝はっきりと夢の中に形を表し しばらくすると いくら思い出そうとしても 思い出せなくなる タセナキスクセナキス 向こう側に消えていく プラス電子のように 人類と自称する 妖しい者たちは それを こちら側に残そうとした 重力に逆らって そうして 言葉が生まれた つまり

          その音楽 言葉 世界

          【現代詩】 をへて 新橋通狂詩曲

          を経て 5月は狂人の季節 6日 目撃する 放射状 みずがめ座エータ流星群 新橋通の夏日の夜 気もふれる を経て あなたは星に愛されたのかもしれない 東山のサイギョウアンから 白川のポンヌフへ この短い通りは 守られていた 荒ぶる神々や 白川の狂人たちに 縄手の罪人たちは ゾロゾロ歩いていく 四条河原へ 首を切られるために ある者は銀閣寺のそばに住み  政治の季節に恋しながら 髪を伸ばし労働を憎み アンビエントを聴き続けた ある者は  薬剤師を続ける傍  宣材用

          【現代詩】 をへて 新橋通狂詩曲

          【現代詩】 路地と河原 辮髪の歌

          辮髪のヨウは 北の水死者を弔う 手の甲に母の癖字で 巻石と彫った アウシュビッツの国で 辮髪のナムは 路地の証言者 南の街を踊った 淀みに浮かぶ オノマトペにあわせて 骨の海 臓腑の波 一人一人 呼び覚ましていく 細心の注意を払う 肌をすまし骨を磨く 浜辺で小さく叫ぶ ゆれている きざんでいる 青年は慄えた 半透明の膜で 連なる花弁は 白々しい空に ひらひららと 忘れたくなくても 忘れちまう 体に刻んでも いずれは朽ちる 頭に残された 黒のかたまりが 北の川のト

          【現代詩】 路地と河原 辮髪の歌

          ユウコ

          突然現れたユウコ 謎めいている 玉置神社に行きたいと 人を通じて伝えてきた 前の旦那から こっぴどく騙されたので 人を信用できなくなった ネイリスト 自転車で現れる 一体何をしている人なんだろう