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熱海でポートレート撮ってきた話

こんにちは、あなたのココロのスキマ♡、写真と熱海でお埋めします、hirotographerです

なんだか最近、熱海が人気らしい。

そんな話をビデオグラファーの佐藤しんやさんとした。
「とにかく人気らしいんですよ!若者に。」
割と得意げに言ったものの、実は熱海には行ったことがない。無論若者でもない。それどころかATMにも最近行ってない。キャッシュレスだもの。みつを。

熱い海、というくらいなのできっと夏が似合うのだろう。なんなら海から温泉も湧いているのかもしんまいな、などという「ざっくり」で済ますにはあまりに雑なイメージがあるだけだ。それぐらいよく知らないし、極めつけに残念ながら季節はもう秋だ。

しかし、なぜか不思議とふつふつと湧き上がる探究心。
初めての熱海に向けて、意を決して初めての被写体募集をした。

・・・後ほど気づくがDMを開放し忘れていた。
これでは相互フォローの人しかDMを送れない。募集しておきながらこの体たらくである。この場をお借りして全力で謝罪したい。

が、ありがたいことに数名の方からお申し出をいただけた。このときほどツイ廃でよかったと思えたことはなかった。ありがとう、それしか言葉がみつからない。多分みんな熱海が好きなんだろうな、そうなんだろう。なぜかは知らないけど。混み合う週末の熱海を避けて平日を優先してスケジュールさせてもらった。

60年前の熱海ブームから一周(?)回って新たな熱海ブーム。一体熱海の何が今になって人を引きつけるのか。それは理由は写真に写るのか?いや写せるのか?

熱海の観光の歴史を振り返ってみる。観光需要のピークは高度経済成長時代の1960年代半ばで年間500万人以上が宿泊した。その後、増減を繰り返しながら徐々に減少し、バブル経済崩壊の1991年以降、急激に落ち込み、2006年には熱海市が「財政危機宣言」を発出。2011年にはピーク時の半分の246万人にまで落ち込んだ。
この凋落には複合的な要因がある。バブル崩壊によって多くの企業の保養施設が閉鎖され、企業の慰安旅行も激減。旅行市場のトレンドも団体から個人に変化していくなかで、宴会型宿泊から体験型宿泊に変わってきた。また、1990年代前半に発生した伊東沖での群発地震も観光客の足を遠のかせた。

https://www.travelvoice.jp/20201108-147348

変化が起きている場所、変化を起こそうとしている場所は大好きだ。
そこには仕組みや仕組みを考える人がいてその意志が宿っている。その意志に触れたときに感じる喜びが最近の旅の楽しみだったりする。最近の旅のキーワードだったりする。

今加熱している熱海、に行けば、それが感じられるかもしれない、と淡い期待が背中を押す。

品川駅から新幹線ひかりでたったの30分。神奈川と静岡の二県をまたぐというのに拍子抜けするほどにあっという間に着いてしまう距離感。これが東北ならこうはいかない。学生なら鈍行でワイワイ行くのもきっと楽しいだろう。仲良しの不動産屋さんによると最近は熱海の先の三島あたりからも大学生が都内に通学しているらしい。そんな事を考えながら(集中しろ!)、改札を抜けると出迎えたのは溢れ出る温泉とそのリフレクションだった。

温泉の成分によってはリフレクションの質も変わりそうである。みんな大好きウユニ塩湖を参考にするならば塩泉のほうがよいのだろうか。

熱海といえばアーケード。私の地元のアーケード街は数年前取り壊され、かつての面影のないただの道路になってしまった。路面の店舗も殆ど残っていない。2歳の時母に手を引かれてそこを歩いたのが私の一番古い記憶だ。雨風や厳しい陽光を遮るその佇まいが記憶を呼び起こす。「雨でもショッピングできるように」という祈りを込めて作られた日本各地のアーケード街は、その祈りすら「晴れていても薄暗く、そもそもシャッターが閉まっている」という呪いに変えてしまった。時の流れはあまりにも残酷である。しかし、熱海のアーケード商店街は活気づいている。

一度路地裏に入れば、カラフルで少し寂しく、なんだか違和感のある景色が広がっている。いいじゃん、熱海。なんかもう好きになった。ありそうで、あんまりない。そんな感じにあふれている。

モデルの里杏さんも無論最高である。立ち姿の時点で凛としている。そういう人はちょっと崩しても凛としている。

熱海プリンなどの比較的新しくてポップな店舗がある一方で、街中には謎の景色も広がっている。唐突に現れるダンジョン感。千と千尋の神隠しで迷い込んだ遊園地のような感覚だ。ああ、もしかしてこれか。栄枯盛衰が目に見える形で同居するこの感じ。生命の細胞が死に、新しく少しずつ入れ替わる新陳代謝のイメージ。


まるでスチームパンクの世界観に迷い込んだようなパイプのジャングルジム。背景に負けない存在感を出してくれるのがありがたい。

小一時間ほど撮影したので丁度昼過ぎとなり、ランチスポットへ。都内でもあまり見なくなった純喫茶がそこかしこにある。でもお店独自のグッズを売ったりしているところは少し新しい。前面に出るんじゃなく、エッセンスとしての新しさ。そんな熱海の街の塩梅が心地よい。

注文したナポリタンは熱々の鉄板の上に乗っかってやってきた。自分で作るときはブイヨンとトマトピューレを使って甘さと旨味をコントロールするがこのナポリタンはケチャップのみのクラシックなスタイル。だがそれがいい。麺の太さは2mmくらいで純度100%の純喫茶ナポリタンである。仮にナポリタンに関する法律を立法するなら「2mm未満の麺を利用しているものはナポリタンと認めない」という条項を私は必ず入れるつもりだ。


お店の迷惑にならない程度に許可を撮って数枚だけ撮る。

カーシェアを借りて少し移動する。熱海も例外なくカーシェアのステーションが多数ある。坂道も多く、バスなども本数も限られるので公共交通手段よりもカーシェア利用が便利だ。
拠点までは新幹線で、拠点からの移動はカーシェアで、と言う移動が最近自分の中でも主流になってきている。

坂道を登って日本一短い熱海ロープウェーの先、ACAO Rose Gardenへと向かう。バスで再奥地までアクセスしてから下るように園をめぐる構造だ。

雨雲レーダーを見ながら、喫茶店を出てきたが
「40分後に雨が上がります」という表示と「4時間後に雨が上がります」という表示が交互に現れる。

歩きながら写真と動画の撮影は続く。

突然「ざくろだ」と里杏さん、イエス・キリストの受難を表すこともある(脱線
園内にはカフェもある。一日ここで撮ってもよさそう。


ACAO Rose Gardenはまさに「海の見える丘」という言葉がぴったりで、なだらかな丘陵地帯に広がっている。坂を下りながら見る景色は曇天でも絵になる。いわゆる映えスポットもいくつかセットされているが基本スルー。平日ということもあって人もまばらで撮影しやすい(許可取得済み)。
ここで一日使ってもよいかもしれないくらいのロケーション。

熱海城を入れて。
海とモデルを望遠で抜いて、遠近感ぶっ壊す。
海の音も聞こえそう(聞こえない)
もじゃもじゃ

最後は海辺で。
10月ともなると日没は結構早い。曇ってきてどんどん暗くなる中撮影もクライマックス。初めての熱海は楽しかった。新しさとレトロの入り混じる独特な雰囲気は他の場所だとなかなか味わえない絶妙なバランスだ。意志の入り混じったバランス。レトロに傾きすぎるとシャッター商店街。若い人向けの新しさなら渋谷原宿あたりに傾く。海もあれば、丘もある。今回時間の関係で行けなかったけれど、神社もあれば美術館もある。そんな歩くだけで少しワクワクする感じがギュッと詰まった街だと思う。また、写真を撮りに来よう。

さよなら熱海

さて、一緒に撮影したしんやさんのアカウントと動画はこちら↓
ビデオサロンなどにも寄稿されていて、撮影やカラグレ・編集のクオリティ高いので是非チェックしてみてください!!

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