エッセイ 非典型たちが人生を豊かにしてくれた 2024年5月7日

最近数年ぶりにエレキギターのゲイリー ムーアGary Mooreを聴いている。彼の曲をほとんど知らないが、「The Loner」「Parisienne Walkway」は素晴らしい。主旋律を変奏して崩して弾いていくのも心に負荷をかけて切ない気持にさせる。

https://youtu.be/-G-PtmcPyK0?si=oBQJq0VOQzgnfo3k

https://youtu.be/e356RkTWUUM?si=9C6myi7t619JNAFg

https://youtu.be/HtmV2I4Fl7Q?si=MeVXjEReyPf15ONz

ゲイリー ムーアは1952年にアイルランドで生まれ、2011年に心臓発作で休暇中のスペインで死んだ。58歳である。私は彼のことを何も知らない。以下はWikipediaからの情報のみである。
晩年はアルコール依存で苦しんだようである。死亡時の血中アルコール濃度はほぼ致死量に近かった。
完璧主義者で、それを自らにも共演者にも課した。そのことは彼を生きづらくさせたようだ。
ここからは私の想像である。彼は非典型だろう。もしかしたら発達障害があったかもしれない。もしかしたらどうしようもない奴だったかもしれない。しかし彼にとって人生はとても生きづらいものだったとも思う。苦しんだと思う。そのことは彼にとってなにも良いことはなかったが、非典型だからこそ、この素晴らしい音楽を残せたのだと思う。彼の人生は苦難に満ちたものだったと思うが、そのお陰で私たちは素晴らしい音楽を共有している。

私たちは無数の素晴らしい芸術、学問を共有し楽しんでいるが、これらの多くの部分が非典型が生み出したものではないか、と思う。
彼らは非典型ゆえに社会にうまくて適応できず、隣人から理解されず、緊張を強いられ、自分の世界で何かを達成しようとした。その一部が私たちの世界を素晴らしいもの、豊かなものに変えた。

大いなる矛盾、大いなる不均衡だと思う。


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