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【SF】キエルキオク1〜忘れたことすら忘れてしまった記憶たち〜

とつぜんですが、みなさんは3歳の時の記憶、ありますか?

先日、3歳の息子を寝かせつけ、リビングで嫁と2人でドラマを観ていたら、記憶が1日しか残らない、脳外科医の物語をやっていた。

今3歳になる息子は絶賛言葉覚え中で、「なんでなの?」と、ことあるごとに聞いてきて、一つ一つの事柄について、理由を知ろうとする。

「なんで太陽は明るいの?」、聞かれた時、えっ?となり、「なんでだろうね‥」と、親もいっしょに悩む日々。

でも、このやり取りも、いつか消える。

1.少年

『スミヒロ3歳』

•ひらがなもカタカナもよめる
•トイレでおしっこもうんこもできる
•はしもフォークもスプーンもつかえる
•YouTubeのリモコンそうさもできる
•ようちえんのバスもひとりでのれる

嫁が関西の人なので、「なんでやねん」と流暢な関西弁をしゃべり、思わず笑ってしまう。

最近は仕事の帰りも早いので、夕食の後に息子とお風呂に入ってる。

息子の中でマイブームは、耳掃除用の綿棒が入っていた、透明な円筒形のコップみたいな空箱を、犬の口みたいに、口にパコっとハメて、くーと吸って、顔に貼り付けて遊ぶ。

その、くーと吸ってる必死な顔がおもしろ過ぎて、思いっきりツボに入り、本気で笑ってしまう。

でも、これもいつか消える記憶。

2.中年

『タケヒロ51歳』

50歳で転職し、現在入社3ヵ月がたったばかり、前職は課長職で、マネジメントが主な仕事だったけど、今の職場は機械の組み立て、配線、電気回路設計、PLCのプログラムと、すべてが現場仕事。

製造現場に机があり、油に塗れて、仕事をしているが、部下はおらず、主に一人で作業しているので、気が楽だ。

でも、これもいつか消える記憶。

3.老年

『ムサシ82歳』

第二次世界大戦真っ只中、ワシは生まれた。

昨年、食事中にピロリ菌が体内に入り、急激に体調が悪化し、入院した。

死の狭間で思い出すのは戦争のことばかり。

ミッドウェー海戦で6体の空母のうち、4体を米国に沈められ、敗戦が濃厚となり、航空勢力は16:1という、圧倒的な不利な状態でも、日本は戦い続けていた。

子供の頃は、戦艦にあこがれていたが、実は当時の戦争では、核兵器を抜きにすれば、圧倒的に空母の性能が、勝敗のカギを握っていた。

でも、これもいつか消える記憶。

4.ED曲

『巡る巡る』

(つづく)

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