次の10年の覚悟

1年半ぐらい前にこの文章を書いた。
この時は研究者として続けられる保証もなかったので、適度にトーンを落として文章を書いている。

今年になって5年は続けないといけない状況になったので、次の10年について自分が考えていることを残しておく。うまくいかなくても自分のアイディアは価値があると思っている。

細かい内容についてはわからないが、テーマについてはほぼ決まっている。しかも次の10年は研究者として、最も重要な時期になるという気持ちで臨む。これ以降はビジネス的な意味での挑戦が起こってくるだろうと思っている。

メタサイエンスの研究で、科学者として最も創造的なことができる時期があるとかないとかいう研究がある。

ノーベル賞受賞者は大体、30代後半から40代前半の頃の研究で受賞しているという話がある。利根川進先生もそのような話をしている。

一方で、研究者として注目されるかどうかは、生産性が変わらなければいつでも可能性があるという研究もあり、結局のところ40代以降は活動が続けられるような自由な時間が与えられず体力も落ちるので生産性が落ちるというのが多くの人が陥る落とし穴なのだろう。

また、ビジネスにおいては、起業のタイミングは40代が一番生産性が高いという話もあり、少なくとも統計的に言えば、研究成果を30代後半から40代前半に作りつつ、40代でそのまま起業をするのが良い可能性があると思っている。

その準備期間として、38歳以前はとても重要であり、自分も今年で33歳になり38歳が具体的なターゲットとして見えてきた。

私の最終的なキャリアの目標は、新たなコンセプトで社会に貢献する研究組織を作り支援するというものなので、それにつながるものを中心に活動している。

抽象的にどのようなテーマを深ぼっていくか書いていく。
3つのテーマ、つまり研究&技術、金融、ビジネスで何を深ぼっていくか少しだけ書いておく。

1. 研究 & 技術: ニューロテック

ニューロテックとは自分にとって思い入れのある研究領域であり世界的にも注目される領域だと思っている。

現在プロジェクトとしては、好奇心やウェルビーイングを対象に認知神経科学的なテーマから研究しているが、そこに、身体情報などから好奇心やウェルビーイングを計測&介入していくような研究や技術開発を進めていく予定である。さらに、Ph.D初期から考えていた全脳シミュレーターによる脳活動の予測をもう少し形にしていきたい。

これらは、全般的にニューロテックという括りで活動することになりそうで個人的には大きな期待がある。

10年後以降は、これらの研究に関する自動化技術や自動探索技術などが増えていく、人工研究者というべき存在も生まれてくると考えているので、これらはその下地になると思っている。

2. 金融: クリプト

いつの時代もお金になる源泉は、金融であり、特にクリプトが持つ可能性はいまだに高い。

今まで参入できていなかった市場にアクセスできる人が増えるほど、今まで活用できていなかった経済が活性化される。そのような動きが始まっている。投資という観点でも面白い動きが出ているので、ここら辺を学ぶことで金融知識を身につけることができる思っている。

DeSciなどのような科学におけるムーブメントに関わりつつクリプトでの活動を増やしていきたい。

3. ビジネス: 製薬業界

アラヤという会社に所属しており、ビジネスに直接関わっているわけではないが、ビジネスの動きを知る機会はたくさんある。

これまで株式会社の仕組み、会社法、VCについて調べていたが、概説レベルの段階で留まっており、具体的な分野を決めて理解が進んでいないと感じている。

特に重要な内容として、製薬会社やその周りの資金調達は、ニューロテックにおいても重要なターゲットでありここら辺の理解を増やしたい。

シリーズAで数百億円以上の資金調達をする会社もありここら辺の変遷も理解すべきだと感じている。

次の10年を生きる

これら3つの領域にはシナジーがあると思っていて、ここら辺にどうやって自分が関われるチャンスがあるのかを見極めたい。

これらの3つの先に新たなコンセプトの研究組織はある。そう確信している。

自分が感じているのは、私がもっとも(少なくとも研究では)創造的なことができる10年がきていると感じている。

この10年を有意義に過ごしたい。

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