濱田太陽

沖縄科学技術大学院大学でPh.Dを取得し, 株式会社アラヤで研究者. 脳とAIを結びつ…

濱田太陽

沖縄科学技術大学院大学でPh.Dを取得し, 株式会社アラヤで研究者. 脳とAIを結びつける好奇心について研究. Twitter @HiroHamadaJP

マガジン

  • 大富豪はなぜ研究財団を設立するか?

    大富豪は寄付をする。 それも莫大な額で。 研究機関にはそういった寄付に期待する人もいるだろう。 しかし, 慈善の心で寄付をするのだろうか? 何か偶然の巡り合わせなのだろうか? それとも他の思惑があるのだろうか? このマガジンでは, 大富豪が研究財団や機関に寄付してきた歴史や動機について解き明かしていく。

  • 研究小話

    研究の小話をしていきます. 生活とかキャリアとか, そういうところについてこぼれ話を書いておきます.

  • 研究の研究シリーズ

  • 【起業家精神, イノベーション, 研究】

    研究所の運営や財団, それらの歴史などの記事を安く購入できます. - 『理化学研究所三代目所長, 大河内正敏とは何者か?』 - 『高峰譲吉の夢: 国民科学研究所の設立の経緯』 - 『イノベーションの用語集』 - 『イノベーション関連の書籍紹介』 - 『起業家精神, 好奇心, そして歴史』

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面識のない方が濱田に質問する際のお願い

最近twitterを通じて多くの連絡をいただきます。 多くの方に丁寧なメッセージを頂くのですが、そうでない場合もあります。 恐る恐る話してみると、高校生や学生の方であ…

濱田太陽
2年前
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繋いでもらったら報告しよう

『濱田さん!〇〇さんに繋げてください!』 というのはいいんだけど、繋げた後に事後報告してくれない人って結構多い。 というか8~9割ぐらいそういう人間は簡単に声かけ…

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5日前
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Funding the Commonsとデジタル財

この文章は、2024年に7月24日・25日に開催を予定しているFunding the Commons Tokyo (FtC Tokyo)の文脈について共有するためのシリーズの一つの予定である。 今回は、Fund…

濱田太陽
9日前
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彼を知り己を知れば - あるいは35歳問題への私の応答

昔村上春樹が書いた35歳問題について思うことを残しておきます。 つまり、35歳で「自分の限界がわかり、着地点もわかってくる」という問題です。私はこれを思想家の東浩紀…

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3週間前
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人を繋げたがる人の胡散臭さについて

誰かと誰かが繋がると何か面白いことが起こるかもなんて考えることがよくある。それが本当にうまくいくこともあるが、大抵は、変な人と出会って終わることが多い。 こう言…

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1か月前
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日本でDeSciを進めるための現在の問題 ver 2.0

約2年前に『日本でDeSciを進めるための現在の問題 ver 1.0』という記事を書いた。この時の記事は、日本でDeSciをやる可能性が明確ではなくDAOを中心に考えていた。 しかし…

濱田太陽
2か月前
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逆張りの慈善活動家: ジョン・テンプルトン

ジョン・テンプルトンと聞いて、20世紀後半を代表する投資家としての彼を知っている人は投資家だろうし、研究者はジョン・テンプルトン財団を通じて知っているだろう. だ…

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テイカーとギバーの自己認識が異なることで生まれる誤解がある

テイカーとギバーには認識の違いがあることが最近わかった。 自分ではギバーのつもりで提案しているつもりでも、雑用を受けてあげているという認識の人もいる。そういう人…

濱田太陽
8か月前
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ヴィジョンとパスと成果について

最近考えていることにヴィジョンとパスの関係がある。 よくヴィジョンが大事という話があるが、ヴィジョンを説いても反応が悪いことが多い。 さらにヴィジョンから考えら…

濱田太陽
8か月前
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DeSci Tokyo Conference 2023開催に向けて考え、動いたこと

DeSci Tokyo Conference 2023 #DSTC2023 を4月15日、16日に開催すること ができた。私が一番作業をしたためCommittee Chairとして名乗らせてもらうことにした。 この記事…

濱田太陽
1年前
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一時の熱狂で冷めてしまう人にはそれなりの罰が下る

ここ一年相談を受けることが多くなりました。 基本的には私はコールドメール/メッセージの方が好きです。 人脈なき人にとってそれがもっともフェアに繋がれる方法だからで…

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1年前
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【連載1】統合科学技術としてのニューロテック: ニューロツイン、分散型データ基盤、機械学習

ニューロテックとは、Neurotechnologyの略称で、ブレインテックとも呼ばれ、脳の活動をモニタリングする技術や、脳を刺激し治療や能力向上をうながす技術、またこれらを支…

濱田太陽
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Neuralinkの発表をどう評価すべきか? [修正予定]

2022年12月に Neuralinkから発表があったのは多くの人たちもご存知だろう。 この発表の目的はリクルーティングと最初に述べられており、素直に捉えれば、この発表の目的が…

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Metascientiaで目指すもの

Metascientiaは、「科学を再考する」をコンセプトに、世界の科学ニュースやディープテックスタートアップをメタな視点で紹介&考察していくメディアです。 2022年の10月か…

濱田太陽
1年前
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次の10年の覚悟

1年半ぐらい前にこの文章を書いた。 この時は研究者として続けられる保証もなかったので、適度にトーンを落として文章を書いている。 今年になって5年は続けないといけな…

濱田太陽
1年前
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分散型サイエンスは新たなオープンサイエンスを可能にするか?(ポスター)

https://www2.aeplan.co.jp/jaas2022/

濱田太陽
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面識のない方が濱田に質問する際のお願い

面識のない方が濱田に質問する際のお願い

最近twitterを通じて多くの連絡をいただきます。

多くの方に丁寧なメッセージを頂くのですが、そうでない場合もあります。

恐る恐る話してみると、高校生や学生の方であることもあります。

よく知らない方から一方的にメッセージを頂くのは私は怖いと思う人間なので、質問するのであれば以下のことを頭に入れておいてメッセージを書いて欲しいと思います。

メッセージを頂くことが増えてきたので、今後このこと

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繋いでもらったら報告しよう

『濱田さん!〇〇さんに繋げてください!』
というのはいいんだけど、繋げた後に事後報告してくれない人って結構多い。

というか8~9割ぐらいそういう人間は簡単に声かけてくる。言っても無駄かなともうけど、2度はない。

あと自分は普通に「失礼だからやめろ」というと、厳しい人みたいに言われる。実際私割と厳しい人だと思うけど、ちゃんとやろう。

やらないということは関係が切れても良いということなんで、そ

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Funding the Commonsとデジタル財

Funding the Commonsとデジタル財

この文章は、2024年に7月24日・25日に開催を予定しているFunding the Commons Tokyo (FtC Tokyo)の文脈について共有するためのシリーズの一つの予定である。

今回は、Funding the Commonsが果たしている役割とクリプトにおけるデジタル財の取り組みについて、公共財の観点から濱田が考える文脈を共有する。

Funding the Commons (以

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彼を知り己を知れば - あるいは35歳問題への私の応答

昔村上春樹が書いた35歳問題について思うことを残しておきます。

つまり、35歳で「自分の限界がわかり、着地点もわかってくる」という問題です。私はこれを思想家の東浩紀の話から20歳ぐらいの時に知ったと思います。

また、利根川進先生の本に38歳程度で研究者は、生涯で最も顕著な成果を残す仕事をすることが多い。という言葉も、少なくとも35歳までにその準備をしておかなければならないという教訓として心に残

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人を繋げたがる人の胡散臭さについて

誰かと誰かが繋がると何か面白いことが起こるかもなんて考えることがよくある。それが本当にうまくいくこともあるが、大抵は、変な人と出会って終わることが多い。

こう言うのが好きなお節介な人は、そこそこセンスがないと大体なんか動くけど面倒な人だなと思われる。

じゃ自分も胡散臭い人ではないのかと言われると、ある人から見れば胡散臭いし、そうではないということもある。文脈にも非常に依存する。

一般的に胡散

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日本でDeSciを進めるための現在の問題 ver 2.0

日本でDeSciを進めるための現在の問題 ver 2.0

約2年前に『日本でDeSciを進めるための現在の問題 ver 1.0』という記事を書いた。この時の記事は、日本でDeSciをやる可能性が明確ではなくDAOを中心に考えていた。

しかし、2年経ってさまざまな活動を経て、DeSciの可能性がより明らかになってきた。その結果が、2024年3月に『情報の科学と技術』より公開された論文に記してある。

この論文の成果としては、以下の3つであり日本のみならず

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逆張りの慈善活動家: ジョン・テンプルトン

逆張りの慈善活動家: ジョン・テンプルトン

ジョン・テンプルトンと聞いて、20世紀後半を代表する投資家としての彼を知っている人は投資家だろうし、研究者はジョン・テンプルトン財団を通じて知っているだろう.

だが、彼が何者なのかその半生と共に知っている人は少ない.

ジョン・テンプルトンはテネシー州で1912年に生まれた投資家・篤志家である. 彼の半生は、2022年にYoutubeにコントラリアン(="逆張り投資家")というタイトルであげられ

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テイカーとギバーの自己認識が異なることで生まれる誤解がある

テイカーとギバーには認識の違いがあることが最近わかった。

自分ではギバーのつもりで提案しているつもりでも、雑用を受けてあげているという認識の人もいる。そういう人たちにとっては、私がテイカーで彼らがギバーであるのだ。

その認識の違いがある場合は仕事がうまくいかないことが多い。うまくいっても長期的な関係にはならない。離れることでチャンスを自己認識させるまで待つしかないことが多い。

この感覚がわか

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ヴィジョンとパスと成果について

最近考えていることにヴィジョンとパスの関係がある。

よくヴィジョンが大事という話があるが、ヴィジョンを説いても反応が悪いことが多い。

さらにヴィジョンから考えられるパス=道筋を提案し結果が出たらようやく反応が変わることが多い。

そこでようやくヴィジョンの価値が出てくる。このサイクルを何度も回していかないとうまくいかない。遡行的にヴィジョンの価値が出てくる。

つまり構想としては、ヴィジョン→

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DeSci Tokyo Conference 2023開催に向けて考え、動いたこと

DeSci Tokyo Conference 2023開催に向けて考え、動いたこと

DeSci Tokyo Conference 2023 #DSTC2023 を4月15日、16日に開催すること
ができた。私が一番作業をしたためCommittee Chairとして名乗らせてもらうことにした。

この記事は、理解してもらうためではなく記録として残しておくために執筆した。このような自由を許してくださったCEOの金井さんと、応援してくれた株式会社アラヤの方々には本当に頭が上がらない。

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一時の熱狂で冷めてしまう人にはそれなりの罰が下る

ここ一年相談を受けることが多くなりました。
基本的には私はコールドメール/メッセージの方が好きです。
人脈なき人にとってそれがもっともフェアに繋がれる方法だからです。

一方で、コールドメールであってもサポートできないメッセージを送る人たちがいます。

大抵そのような人たちが提案するプロジェクトは似通っていて、仮説がはっきりしていない場合が多いように感じています。

その場合、他の関連した人たちに

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【連載1】統合科学技術としてのニューロテック: ニューロツイン、分散型データ基盤、機械学習

【連載1】統合科学技術としてのニューロテック: ニューロツイン、分散型データ基盤、機械学習

ニューロテックとは、Neurotechnologyの略称で、ブレインテックとも呼ばれ、脳の活動をモニタリングする技術や、脳を刺激し治療や能力向上をうながす技術、またこれらを支援する技術など、”ニューロサイエンス(神経科学)を応用した技術”の総称とされています [1]。

Neuralinkに代表されるように大規模な研究開発が進んでおり、ニューロテックが社会で今後どこまで受け入れられるか注目されてい

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Neuralinkの発表をどう評価すべきか? [修正予定]

2022年12月に Neuralinkから発表があったのは多くの人たちもご存知だろう。

この発表の目的はリクルーティングと最初に述べられており、素直に捉えれば、この発表の目的がリクルーティングに適したメッセージを送っていたのかを評価する必要があるだろう。

この文章では、この観点に立って、2022年12月14日行われるイベントのためのメモとして残しておく。

本発表とのちに出てきた報道に基づいて

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Metascientiaで目指すもの

Metascientiaで目指すもの

Metascientiaは、「科学を再考する」をコンセプトに、世界の科学ニュースやディープテックスタートアップをメタな視点で紹介&考察していくメディアです。

2022年の10月から複数のメンバーと共に立ち上げます。濱田1人で運営するのではなく、複数のメンバーがそれぞれ放送したい内容を上げていくスタイルを目指します。

■ Twitter
https://twitter.com/meta_scie

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次の10年の覚悟

1年半ぐらい前にこの文章を書いた。
この時は研究者として続けられる保証もなかったので、適度にトーンを落として文章を書いている。

今年になって5年は続けないといけない状況になったので、次の10年について自分が考えていることを残しておく。うまくいかなくても自分のアイディアは価値があると思っている。

細かい内容についてはわからないが、テーマについてはほぼ決まっている。しかも次の10年は研究者として、

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