(今日の1枚)Ali Cherri / Of Men and Gods and Mud
シアトルに移住して、1年半程度。
マウントレーニアなどの大自然が素晴らしいワシントンで楽しく過ごしている一方で、アート欲が満たされないで、鑑賞したアートの経験をより大切にするために、自分のためのアート評を書き始めました。
今回はその第一弾として、Henry garary でみた。Ali Cherri の作品について。
展示の概要
場所: Henry Art Gallery, シアトル
期間: 2023年2月4日から5月7日まで
展示名: "Thick as Mud"
キュレーター: Nina Bozicnik
映像は暗い洞窟の先が、夜空と繋がっていくような映像から始まる。
この映像作品の力強さは、延々と炎天下の中で作業する男性たちの営みを映し出しつつも、それが歴史の一部だったことを思い出させる。
泥がレンガになり、レンガは家になり、家は文明になる。
文明とプリミティブが入り混じるリアルリティ。
藁で編んだような休憩部屋に吊ってあった、ラジオだったかスマフォだったか。
サッカーチームのユニフォームを着て作業する男性たち。
個人的な感想だが、大好きなフランシス・アリスを彷彿とさせる映像作品だった。
彼の、《 実践のパラドクス1 (ときには何にもならないこともする) 》の作品で描かれるような、大きな氷の塊が溶け切るまで、9時間以上氷を押しながら街を進み続けるだけ、と言う作品にも見られる、
果てしなさ、そのような果てしなさの中に、人間の忍耐強さを見て感動する。
また別の作品も見たいと思う作家だった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?