Kaji

物書きを目指すしがない会社員です💦同じ志を持つ方とぜひ繋がりたく思います😊スキやコメン…

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物書きを目指すしがない会社員です💦同じ志を持つ方とぜひ繋がりたく思います😊スキやコメントで、お互い高め合えたらなお幸いです🙇‍♂️

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すべからく『愛』を謳え 序章

あらすじ 幼い頃、事故で両親を亡くした聡太郎。 彼自身も生死の境を彷徨った挙句、息を吹き返す。 目を覚ました彼は、自分に違和感を覚える。 不意に訪れる激しい頭痛。その最中に脳裏に浮かぶ、絶望に打ちひしがれた誰かの叫び。 その後、派生する紅い右眼と、燃えるように熱い左手。目の前には闊歩する異形の者たちの世界。 そして彼の中で渇きを訴える誰かの声。 『誰かがいる……』 その誰かの声に従い、足を踏み入れるは、無情と異形の織り成す地獄絵図。 自ら

    • すべからく『愛』を謳え 第六話 邂逅

      すべからく『愛』を謳え 第六話 邂逅 ①遭遇 少年は常に神出鬼没だった。 というより、ずっとそこに居るのかもしれない。何かを伝えたい、或いは何かしらの感情が高ぶった際に、その姿を具現化させているのであろうか? その是非は分からないが、朝な夕な、その姿を見せるという事、それ相応に彼の情念のは深く、重く、苦しいものであることだと、聡太郎は察するのだった。 その日も朝早くから現れ、聡太郎の視界の中に点在していた。 「おはよう」 聡太郎は目を覚ま

      • すべからく『愛』を謳え 第5話 『少年』

        すべからく『愛』を謳え 第5話『少年』 ①葛西さおり 「三点で千二百八十円です」 材料費の高騰で、ここのケーキ屋も、とうとう値上げに踏み切ったようだ。時勢柄それは致し方ないとは理解するものの、やはり給料据え置きの契約社員からしてみれば、そこ百円、二百円の値上げでも辛いのが本音。 「あ、いつも来ていただいてらっしゃるので、おまけ、つけておきますね!」 女子大生だろうか? 小柄で愛嬌のあるバイトらしい女の子が、マドレーヌ二個をそっと包装箱の中に忍ばせた。 「あ、あ

        • すべからく『愛』を謳え第4話 『懺悔』

          すべからく『愛』を謳え 第4話 『懺悔』 ①察知 絶えず緩やかに流れゆく水面は、過去の記憶を失ったかのように、なだらかに『現在』(いま)を流れていた。 深夜一時。 聡太郎は、いざよい橋の下に流れる川に降りて、あの女を探していた。 彼女はこの川を根城にして、そこから見える自分と同じ苦しみに喘ぐ命を、ずっと探していたようだ。そのため、そこら中にそれと似た念や、低俗霊がウヨウヨしている。 それらは聡太郎が現れると、彼の中の『誰か』を察して、蜘蛛の子

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        すべからく『愛』を謳え 序章

          すべからく『愛』を謳え 第3話 『報復』

          すべからく『愛』を謳え 第3話 『報復』 ①宣告 志保の目の前に現れたのは、紛れもなく梨乃だった。しかもその出で立ちは、取り急ぎ着合わせたかののように、皺だらけのシャツと、ボタンを締め掛けのデニム。妙に艶めいて蒸気した表情が、なにかの最中であったことを想起させた。 「あ、ほんとに来ちゃった」 悲壮な面持ちの志保を目の前にして、少しだけ枯れた声で、梨乃は冷たく呟いた。 「誰だよ? このタイミングで誰が来たんだよ!」 薄暗い部屋の中から、ドタドタと足音を立て

          すべからく『愛』を謳え 第3話 『報復』

          ホラー小説部門で応募しているのに、トップメニューに出てくる『ホラー小説部門』のカテゴリーには僕の作品が載ってないのはなんでだろう?🤔ハッシュタグから行けば見えるのですが💦 あそこにあがるのはイノセントなクリエイターさんのみ?なんて勘繰ったり(笑)或いは応募になってない?

          ホラー小説部門で応募しているのに、トップメニューに出てくる『ホラー小説部門』のカテゴリーには僕の作品が載ってないのはなんでだろう?🤔ハッシュタグから行けば見えるのですが💦 あそこにあがるのはイノセントなクリエイターさんのみ?なんて勘繰ったり(笑)或いは応募になってない?

          すべからく『愛』を謳え 第2話 『翻弄』

          すべからく『愛』を謳え 第2話 『翻弄』 ①絶頂 「ひっ! いっ、痛い!!」 志保はあまりの激痛に、シーツを握りしめ、歯を食いしばる。 彼女の叫びを無視して、名護は背中越しに覆い被さり、獣のように腰を打ち付ける。そして肩を抱くようにして左腕を絡めると、右手を彼女の首もとにあてがう。そのまま無理やり上体を反らさせ、顎と首の付け根に回した指で、急速に圧迫を加える。 「く、苦し、い……」 急な締め付けに恐怖を感じた志保は、慌てて名護の手を振りほどこうとする。し

          すべからく『愛』を謳え 第2話 『翻弄』

          すべからく『愛』を謳え 第1話『蠢く』

          すべからく『愛』を謳え 第1話『蠢く』 ①春原志保(すのはらしほ) 『うふふ……欲しいもの……あなたが欲しいものはなあに?』 『私が、私が欲しいものは、な、な、名護先輩! 名護先輩が欲しい!』 そう叫んだ刹那、春原志保(すのはらしほ)は、ベッドの上で目を覚ました。 「ゆ、夢か…….あ、痛い……」 目が覚めたのはいいものの、浮遊感と共に鈍く重い痛みが、こめかみを襲う。 たまらずシーツの中に、彼女はもう一度潜り込んだ。 彼女は今年の春よ

          すべからく『愛』を謳え 第1話『蠢く』

          創作大賞2024応募します!

          昨年も全くの圏外でしたが、今年はホラー小説部門が出来たので、そちらに挑戦致します!! もう、本当に『賞』と名のつくものには、ほんとに応募出来たの?って疑いたくなるくらいに、圏外を貫き続けておりますが、いーかげん、そろそろどこかの一次審査くらいは突破したいところ…… という事で、先程今回応募作『すべからく『愛』を謳え』の序章だけアップしましたので、どうか、どうぞ、お読み頂けると泣いて喜ぶ次第です💦 応募者の皆様、互いに切磋琢磨致しましょう!

          創作大賞2024応募します!

          ショートショートに挑戦中!

          今更ながら、とっても苦手なショートショートに挑戦を始めました(笑) 400文字にどれだけドラマとメッセージ、そして喜怒哀楽を込めれるか、ひとまず挑戦なうです。 因みにnoteでは、暗くて重くて、ドロドロなのが多いですが、こちらでは、にんまり、ほっこり、たまに切ないをメインに書き始めてます! 是非とも遊びに来て頂けたら、泣いて喜びます!よろしくお願いします。

          ショートショートに挑戦中!

          君に幸あれ 第6話 朴訥が故に

          君に幸あれ 第6話 朴訥が故に 第5話はこちら 「あのねぇ! あんた社員なんでしょ?そんな基本的な事も出来なくてどうすんのよ? いい加減成長したら? 全く進歩の欠片もないんだから! あぁ!ちょっと休み取っただけで、こんなになるんなら、あたしゃ一生休めないんですけど!」 奈央が店に入るや否や、ヒステリックな女性の声が店内に響き渡った。 店内の他の客もその声の大きさに、一瞬ざわついたが、皆、我関せずで、それぞれの買い物カゴに目を戻す。 奈央はよもやと思い、その怒声の

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          第2回『幻想と怪奇ショートショート・コンテスト』応募してみた

          新紀元社さん主催の上記コンテストに、とりま応募してみました💦 絶対に絶対にかすりもしなければ、誰の目にも止まらない自信に満ち溢れてはいますが、どこかに殊勝な物好きがいて、わずか一文字だけでも共感して貰えれば💦等と淡く無駄な望みを抱く自分も居ないかと言えば、嘘になる次第💦 また、作品のリズムと展開的に、変な癖がついているようで、どことなく今まで書いて来た作品の二番煎じというか、作風がバラエティ豊かでは無いことも、認識してしまう次第💦 やはり基本のキ、小説講座とか、ちゃんとお金払

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          君に幸あれ 第5話 歓喜

          君に幸あれ 第5話 歓喜 第4話はこちら 向前は厳粛に、そして大切に通話終了のアイコンをタップした。 『ありがとう……後ろ前ちゃん…….』 そう、エマの声が最後の最後に、彼の耳に届いた。紛れもないエマの声だった。彼が聞き間違えるはずもない。正真正銘、それはエマの声だった。 繋がりはしたものの、うんともすんとも発しない電話の向こうを、正直訝しく思ったが、それは彼の杞憂だった。切々と唱えたエマへの『愛』は、彼女の耳と心に届いたのだ! そして、『名前』を呼んでく

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          君に幸あれ 第4話 兆し

          君に幸あれ 第4話 兆し 第3話はこちら 「…….いつも、エマっちの元気な笑顔に励まされて、『頑張れ!』って、背中押して貰ってます! 僕が推すことが少しでも、エマっちの人気と笑顔に繋がることを祈ってます!」 けたたましく鳴り響く着信音に、気を失いかけていた奈央は、目が覚めたよつに我に返った。 エマのスマホは、暗く不安に澱む空気を切り裂くように、金切り声をあげる。 奈央はその着信音に、躍動する何かを感じた。そのスマホを取ろうと、躍起になって男から伸びた触手を振りほ

          君に幸あれ 第4話 兆し

          君に幸あれ 第3話 不遇

          君に幸あれ 第3話 不遇 第2話はこちら 「あの! そこ、邪魔なんですけど!」 「あ、すみません」 「ったく、歳だけとって、なんにも仕事出来ないんだから! 分かったら、とっとと、そこどいて!」 勝気なパートタイマーの吉毛に一喝され、申し訳なさそうに道を譲る男、向前 太一郎(むこうまえ たいちろう)。 吉毛は、さも鬱陶しそうに、鼻をふんふんうならせながら、彼の前を通り過ぎていく。 「ちょっと! 向前さん!発注お願いしてた佐々木ビールの黒、まだ届いてないんだけど!

          君に幸あれ 第3話 不遇

          君に幸あれ 第2話 粘着

          君に幸あれ 第2話 粘着 第1話はこちら 「誰か、思い当たるファンの方とかいらっしゃいませんか?」 「いえ、ファンの方一人ひとりを把握している訳ではないので……でも、気持ち悪いファンの方は多いです」 あのライブの騒動のあと、病院に運び込まれたエマ。死んだように気を失い、目を覚ましたのはそれから3日後。以前にも増して頭痛と倦怠感が酷くなり、立ち上がるのがやっととという程に、身体は衰弱していた。 しかし検査結果は全て異常無し。本人を前にして、主治医も首を傾げるばかりだった。

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