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駐車違反・・・イギリス・フランス5年間の赴任生活<第17話>

駐車違反をしてしまいました。しかし、今もって納得できていません。

ある日、隣町の店に車で買い物に行き、車を隣接した公共の駐車場に停めました。
通常、公共駐車場や路上駐車帯には駐車券販売機があり、コインを入れると駐車券が出てきます。その駐車券を運転席のダッシュボードの上の見えるところに置いておく仕組みです。

いつも通り駐車券を買うために販売機のところに行ってみたら、コインの挿入口にコインが2枚挟まっています。きっちり挟まっていて動かず、引き抜きも押し込みもできません。
困っていると、近くに停めたおばさんがやってきました。お互いに顔を見合わせ、困ったね~、でも仕方ないよね と言って、二人ともそのまま買い物に行きました。

17_駐車場-3

20分程で買いものを済ませ車に戻ると、駐車違反取締りの係員が、違反切符を私の車のフロントガラスに取り付けている最中でした。
私は抗議しました。「切符を買おうにもマシンが壊れていて買えないんだ。マシンを見てくれ。違反切符を取り消してくれ。」

でも係員は少しも動じず、
「自分は役所から頼まれている単なる係員で、違反車を見つけて切符を切る仕事をするだけ。苦情への対処はできない。文句があるなら、違反切符に書いてある役所の連絡先に連絡してくれ。」だと。
確かにその人は、単なるアルバイト的な感じの兄ちゃんで、決して警察官ではない。
会社でも各従業員の業務内容はしっかり決められており、分業が徹底されていて、自分の担当範囲以外のことは大抵対応してくれません。こちらの社会はそういう仕組みなのですね。

罰金は5000円程度でした。仕方がないので、家に帰ってからさっそく不服申し立ての手紙を書くことにします。
どんな文章にしたらよいかをいろいろ苦心しながら、書いていきます。
 ・事のいきさつを明確に。マシンが壊れていたことを強調して。
 ・払う意思はちゃっとあったのに、仕方なかったことをはっきりと。
内心、会社だったらこの時間分の労務費のほうが罰金よりも高くつくなあと思いながら、2~3時間をかけて手紙を書きあげました。
さっそく 郵便局へ持って行って投函。もちろん、罰金は振込みしていません。

そのまま、何事もなく2ヶ月ほど経ちました。役所からは何の音沙汰もありません。よっしゃ!申し立てが認められたのかな。
しかし、さらにしばらくして役所から手紙が届きました。文面には下記のように書いてあります。
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・あなたから手紙を受理しました。
・その日の公共駐車場の記録をチェックしましたが、マシン故障についての報告は入っていません。
・したがって、あなたの申し出は認められません。
・もし、この決定に不服があるなら、役所に対して正式に訴訟を起こすことは可能です。
・訴訟裁判でそれが認められれば、あなたは罰金を支払わなくてもよい。
・しかし、その申し出が不成立の場合、罰金は2倍支払うことが必要です。
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これを読んで、あきらめました。不服申し立ての労力のほうが大変で、5000円払ったほうがよっぽど簡単。
罰金を郵便局で振り込みました。

それにしても あのおばさんはどうしただろう...

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