今日のおすすめの一冊は、藤原和博氏の『どう生きる?人生戦略としての「場所取り」の教科書』(祥伝社新書)です。その中から「どの場所に陣取るか」という題でブログを書きました。
本書の中に「日本の学校教育を変えるには」という心に響く文章がありました。
◆今、注目されている教育の考え方がある。今から90年以上も前にドイツの教育学者ペーター・ペーターセンが取り組んだ学校教育の考え方「イエナプラン」だ。
それは、いくつかの特徴がある。
●《異年齢学級》 イエナプラン・スクールでは、通常、3学年(幼稚園では2つの年齢集団)の生徒たちから 成るファミリー・グループと呼ばれる異年齢学級が基本単位になっています。子どもたちは、 同じ学級で3年間過ごし、年少・年中・年長という異なる立場を経験します。
●《4つの基本活動》 イエナプラン・スクールでは、4つの基本活動をもとに学校での活動を企画します。それは、対話・遊び・仕事・催しの4つです。
●《リズミックな時間割》 毎日の日課は、教科ごとに区切られてはおらず、上の4つの基本活動が循環するように決められています。そこでは、すべての時間を科目ごとに同じ長さで区切るのではなく、その日の子どもたちの雰囲気や活動への関心の度合い などを考慮して柔軟に伸ばしたり短縮したりできるようにしています。
●《ワールドオリエンテーション》 科目の壁を越えて、生きたホンモノの題材をもとに、子どもたちが、協働で探究する学びです。 ワールドオリエンテーションは、イエナプランのハートと呼ばれており、子どもたちの学校生活のすべてにかかわるものです。 つまり、ワールドオリエンテーションのテーマは、遊びや催しのテーマにもなるし、教科学習の内容にも可能な限り反映されます。
●《生と学びの共同体》 学校は、子どもたちが1日の大半を過ごす場です。イエナプラン・スクールでは、学校を「生と学びの共同体」と呼び、家庭と同じように、生活の場として考えると同時に、教員は、子どもたちの学びをファシリテートする養育者であると考えます。
以上『イエナプラン 実践ガイドブック』(教育開発研究所)より
大量生産大量消費の工業化社会の時代から、今、社会経済活動が大きく変わった。マニュアルを早く覚え、手足を使い、一斉、画一的に、如何に効率的に仕事をこなしていくか、という画一的で従順な人材を創る教育からの転換だ。
それは、自ら考え、創造し、自ら律するという「自律」して行動するための教育。
まさに、この教育改革を平川理恵氏(元広島県教育長・元リクルート)は「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」と言っていた。これは、リクルートの創業者江副浩正氏が社訓としてつくった言葉だ。
藤原和博氏もリクルート出身。常に新たなチャレンジをし、新しい価値を生み出し続ける姿勢はこの「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉に凝縮されている。
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