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茶畑部活動報告(2023年9月)①

こんにちは、ヘルシーパスの小野です。
今回は畑部の活動報告ではなく、個人的な茶畑部の活動報告として「秋の茶摘み・発酵茶作り体験」をレポートしたいと思います。

瑞徳舎、秋の茶摘み

さて過日2023年9月2日(土)、奈良・大和高原にある「瑞徳舎」にて開催された秋の茶摘み・発酵茶づくりイベントに参加してまいりました。
「瑞徳舎の茶摘み」は春と秋に開催されており、煎茶美風流家元である中谷美風氏と、無農薬・無施肥で茶を栽培されておられる健一自然農園代表・伊川健一氏のお二人が講師を務める、お茶好きには堪らないイベントです!
(トップ写真は講師のお二人です!)

人間的魅力溢れる講師陣

「瑞徳舎の茶摘み」イベントには様々な魅力がありますが、中でもやはり講師陣の人間性の魅力が大きいと小野は思っています。中谷先生と伊川先生、お二人とも大変素晴らしい人柄で、講師陣の人間的な魅力に惹かれて小野はかれこれ3回も瑞徳舎のイベントに参加しております。
茶道家であり水墨画家でもある美風先生は、「文人趣味WEBサロン」を毎月開催されていますので、ご興味を持たれた方はぜひリンクを覗かれてみてください!畑部の趣旨ではないため割愛しますが、上記のWEBサロンでは美風先生の考え方というものを垣間見ることができます。
このサロンにおいて、小野にとっての一番の学びは「詩や書や画は、感覚だけでは本当の意味でそれらを味わうことはできない」ということを知ったことです。
もちろん感覚的に作品を楽しむことは大切ですが、その背景にある情報(作者の性格、人間関係、時代背景など)を知り理解が深まると、さらに深く作品を楽しむことができるということを学びました。
「対象(相手)を知る」ということは、芸術鑑賞においても、日頃の人間関係においても、共通する基盤なんだと小野は思います。

JR奈良駅からバス40分、バス停「松尾」下車徒歩2分

茶摘みの前日、仕事終わりのその足で夜に奈良入りし、翌朝9:11※奈良駅発北野行きの奈良交通バスに乗車します。
バスに揺られること約40分、松尾というバス停で下車し、徒歩2分ほどで目的地の瑞徳舎に到着です。
尚、奈良市内から車で行く場合は運転に注意です。山間なので結構曲がりくねった道ですが、地元の方はなかなかのスピードで走行しています。
※バス時刻は変わる可能性がありますので、ご利用の際は最新の時刻表をご確認ください。

瑞徳舎とは?

作業場に掛けられた扁額(へんがく)、篆書体がいい感じです。木板も味がありますね。

作業小屋に到着しますと、まず目に入るのは瑞徳舎の額です。素敵ですね。
参加者が全員集まったところで、中谷先生と伊川先生よりご挨拶の時間です。
瑞徳舎についての説明や、この土地の歴史や自然に関するお話、春の新芽と夏を越えた葉の違い、季節・気候と製茶の関係など、とても興味深い内容を沢山お話しくださいます。

楽しそうにお話しされるのは講師のお二人(左:伊川先生、右:中谷先生)。お茶摘み前のお話も非常に興味深く、学びで溢れています。

曰く、瑞徳舎とは、その名の通り元々は瑞徳さん家のお宅だそうです。
ちなみに「瑞徳」という名字は日本でここだけだそうです。
こちらにある三反の茶畑を、15年前より伊川先生が中心となって管理をされてこられ、中谷先生は「瑞徳舎」を管理維持しながら大和高原の自然を生かした文人趣味的な活動をされておられるそうです。
瑞徳舎には茶畑のほかにも、小さな畑、小さな田んぼ、小さな蓮池があり、まさに自給自足な小農スタイルを営める環境にあります。
そこも一つ魅力なのです。

人の手によって育まれてきた、人が住める自然豊かな山里

また、山の中にも有用な植物が多く生えているそうです。
中谷先生のお話によると、もともとこの辺り一帯は東大寺に材木を納めるための荘園・杣(そま)だったそうで、奈良時代から現代に至るまでの長きに渡り、人の手で管理されてきた山なのだそうです。そのため、有害な植物は淘汰され、人にとって有益な植物ばかりが残っているということです。
マムシなどの有毒な生き物も見かけないとのこと。(ちなみにスズメバチは普通にいるので注意です)

近くに生えていたツリガネニンジン。チリンと音が鳴りそうな、可憐なお花ですね。根は生薬になるのだとか。

高度経済成長期における自然破壊の印象が強いせいか、自然に人の手が入ることは悪というイメージを抱きがちですが、人の手が入ることによって保たれる自然の秩序というものも確かにあるんですよね。

日本人にとって聖なるものとは何か(少し脱線。。)

中谷先生にお話によると、日本における磐座文化のはじまりも熊野やこのあたり一帯だそうです。
ちなみに磐座とは、岩に神が宿るとされる自然崇拝(アミニズム)の一種です。日本では古くから自然そのものが信仰の対象とされてきました。石、山、樹木などが代表例です。例えば、奈良県桜井市にあり日本最古の神社といわれている大神神社(おおみわじんじゃ)の御神体は三輪山そのものです。樹木に関してはもっと身近で、全国各地に数えきれないほど御神木があると思います。皆さんのご近所にもきっとあるはず!
なぜこんな話をしたかというと、人が生活しやすいように手を加えた山林であっても、人だけでなく他の多くの生物も生きやすい環境に整えてこられたのは、そういった古代からの自然信仰の影響もあったのではないかなと思ったからです(あくまでも小野個人の感想です)。
ちなみに、小見出しは書籍『日本人にとって聖なるものとは何か』上野 誠 著(中公新書、2015年)より拝借したものです。万葉集など古典がお好きな方へおすすめの一冊です!

無農薬・無施肥、生き物の棲家、瑞徳舎の美しき茶畑

お茶摘みはここで、手摘み専用の茶畑ゾーンです。

いよいよ次回から本題の「茶摘み」「製茶」のレポートをいたします。
茶畑部活動らしい記事となるはずです!

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