見出し画像

コロナというミスディレクション

 いつも、このnoteで記事を読んでいただきありがとうございます。
 ヒーローウッドエンタ-テイメントの廣木涼です。

 このアカウントも、いつの間にか2000人以上の方にフォローをいただいている状況となりました。
 もともと僕は、ライブドアブログで無料記事を書いていて、このnoteでは有料記事を販売するためにアカウントを作りました。
 たまに、こちらでも無料の記事を出しておりますが、現状、ほとんどが有料記事・有料マガジンです。

 しかし、せっかく2000人以上の方が見てくれているのに、有料記事ばかりで、読むことができないのは、読者の方にも申し訳ないことです。
 せめて、少しでもお役に立てる無料記事を書こうと思うようになりました。

 これからは、無料記事として、日々思うことを書いていこうと思いますので、軽い気持ちで読んでいただけると嬉しいです。


 さて、今回は、
『コロナというミスディレクション』
という話をしようと思います。

 ミスディレクションと言うのは、「誤誘導」という意味のマジック用語です。
 マジシャンは右手で秘密の動作を行うときに、その動きを観客から隠すために左手に注目させる、と、そんな話をご存知の方もおられるかもしれません。
 それがミスディレクションです。

 ミスディレクションというのは奥が深くて、その存在を知っているからといって見破れるようなものではありません。
 たとえば、
「左手を見せているときは右手を隠したいときだから、左手を見ずに右手を見ればいいのだ!」
という話にはなりません。
 なぜなら、左手にも重要なものを持っているからです。
 観客は、左手を見ないわけにはいかないのです。

 たまに誤解があって、
「ミスディレクションとは、秘密を隠すために無駄な動きをすること」
と思われたりもしますが、どちらかといえば、
「秘密を隠すために、それに匹敵するほど重要なものを見せること」
のほうが、マジシャンとしての現実に近いです。

 僕もマジシャンですから、ミスディレクションはいつも使います。
 するとお客さんは、視界に入っているのに、見えているのに、その存在に気が付かない、というような状態になります。
 目の前の物をあまりにも強く意識しすぎるがゆえに、他の物に対して盲目になってしまうのです。



 さて、ミスディレクションの説明はこのくらいにして。
 それで、『コロナというミスディレクション』とは一体どういうことなのか、という話になります。

 それはつまり、コロナウイルスへの印象があまりにも強烈すぎて、それ以外のことに対して気が回らなくなっている、ということです。

 2020年、コロナウイルスに感染して亡くなった方は、3414人でした。
 それだけ多くの方がお亡くなりになったことは、傷ましいことです。

 ところで、同じく2020年、コロナ以外の死因による死亡者数がどれくらいかご存知でしょうか?
 138万人だそうです。
 コロナによる死者数の400倍の数字です。コロナ感染者数よりもはるかに大きな数字です。
 2020年には、日本人は138万人以上がお亡くなりになりました。

 この死者数を多いと思いますか?
 実は、この死者数は、2019年の死者数よりも少ないのです。
 年々増加していた日本人の死者数は、2020年で、コロナ禍の中、11年ぶりに減少したのです。

 一方、自殺者数は逆の推移をしています。
 過去10年間減ってきていたのに、2020年で11年ぶりに増加し、20919人だったそうです。

 いずれも、一喜一憂する要素はありますが、どういうわけか、ニュースとしては小さいです。
「年間の死者数が11年ぶりに減少しました!素晴らしいことです!」
という話にもなりませんでしたし、
「年間の自殺者数が増加し、2万人以上の方が大変残念なことになりました」
というニュースも、コロナのニュースの陰に隠れていたように思います。


 と、このように世の中は、あまりにもコロナに注目しすぎるがゆえに、他のことに意識が向かなくなっているようです。
 もちろん、コロナに感染しないように、あるいは重症化しないように計らうことは、自分の身を守る上で重要なことです。
 しかし、コロナから身を守りさえすれば、自分は安全であると思うのは、いささか早計だと言わざるを得ません。
 コロナ以外の死因に対しても、向き合わなければならないはずです。

 たとえば2020年には、早期発見できなかった肺癌の患者数が、8000人ほどいるだろう、という見積もりも出ているようです。
 コロナ感染の可能性を嫌がって、癌検診に行く人が減ったからだそうです。

 日本人の死因として最も多いのが癌で、その中でも肺癌がトップとなっています。
 つまり、138万人の死者数の内、最も多い死因が肺癌だということです。
 日本人が、最も怯えるべき病気だと言ってもよいでしょう。
 なのに、その発見を疎かにしてしまうほど、コロナだけに注目してしまっている現実があります。
 リスクマネジメントとしても、あまり健全だとは言えないでしょう。


 ところで、ミスディレクションというものは、意識散漫な状態のお客さんにはあまり効果を発揮しません。集中して見たり聞いたりしている人に対して、とても良く効果を発揮します。
 ですから、今、コロナというミスディレクションにかかっている方々は、真面目に生きていて、真面目にニュースを聞いている方であることでしょう。
 しかし、真面目であるだけで全てが上手くいく世の中では、もうありません。というより、狭い視野に囚われた状態を続けていることで、いいことはありません。



 昨日、緊急事態宣言が延長されたり、新たに発令されたりすることになりました。
 不要不急の外出はしないように、というお達しも出ています。
 しかし、この「不要不急」の判断基準は、各人に任されています。
 外出を控えてより大きな不幸に見舞われる結果となってしまっては、本末転倒というものです。
 読者の皆様におかれましては、どうぞ広い視野を持って、緊急事態宣言下の日々を送っていただきたいと思う次第です。
 広い視野を持つことが、心のゆとりにも繋がりますから。


無料記事に価値を感じていただけた方からのサポートをお待ちしています。より良い情報をお伝えするために使わせていただきます!