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【香港🇭🇰「 修養」日誌62】ついに貴族になった 20220906

僕はついに貴族になった
哲学を修め 和歌を詠む
あと蹴鞠とか竪琴とかだろ
パルテノンの丘の寝殿造りで
世を憂い筆を舐めるのだ
香港の小部屋で
マルクス・アウレリウス・アントニヌスごっこだ

フィリピンから
ジェシカさんがやってきた
住み込んだ途端
ベッドのシーツがピンとなった
排水口からプルメリアが香った
焼きうどんすら出てきた
プロフェショナルだわが口癖になった

勝手に衣食住が回るようになってしまった
有難い極みだが 僕も何かを回さねば
立派な貴族という概念は
言語矛盾を抱えている気もするが
立派な貴族という概念が
僕には緊急に必要だ 指針として

この小貴族も数年後には庶民に帰る運命である
期間限定で「Sir」と呼んでもらえる
今だからこその何かを 回さねば

2022/9/6