再び君は、うそをつく。雨の日のベストソングは、涙だって。

「空から、涙が流れている」

窓の外を眺め、君は誇らしげにそう言った。
梅雨時期の雨を、涙にたとえた。
ありきたりな比喩こそ、装飾品かのように。
あるいは、子ども時代の懐かしさを求めて。

「雨は、涙じゃないよ。空は、泣かない」

そう反論しても君は、再び同じ言葉を重ねる。

「空は涙を流す、原理的にそうなっている」
「そんなの全部うそだって、みんな知ってる」

君は、原理的、という言葉を口にしてご満悦だ。
原理なんて言葉、朝焼けのベッドの中では、不適切だ。

君は、かっこいいと思われたいのかもしれない。
もしくは、賢い人って、見られたいのかもしれない。

そんな私の本心は、君には伝わらない。
私の本心は、いつだって君を傷つけてしまう。
まるで、ありきたりな比喩のように。

ご満悦の君は、遠くを見ながら、再び口を開く。

「雨は、涙。それも、最高の歌」

再び君は、うそをつく。
雨の日のベストソングは、涙だって。

＊＊＊

えーっと、前回のように小説の冒頭的な感じから、本文はスタートです。パッと思いついたから書きました、即興は楽しいですわ。前回のやつは、これです。

えーっと、前回の方が上手にできた感じがするし、「パッと思いついたから書きました」とか書いておきながら、冒頭の小説的なやつ、ちょっと練ったという笑。

いずれにしても、梅雨の時期です。

前回と同じように、雨の日に聴きたくなる曲について書きたくなったので、パッと思いついたやつ、3曲紹介してみます。各曲の個人的な思い出も綴ります。

あ、「パッと思いついた」と書きましたが、少し考えました笑。

再び君は、うそをつく。

君は、かっこいいと思われたいのかもしれない。
もしくは、賢い人って、見られたいのかもしれない。

【Steve Aoki ft. Lovefoxxx - Heartbreaker】

■名前：スティーヴ・アオキ
■曲名：Heartbreaker
■職業：DJ
■出身：アメリカ（フロリダ州マイアミ）
■リリース：2012年

Steve Aokiと言えば、EDMです。

EDMは、Electronic Dance Music（エレクトロニック・ダンス・ミュージック）の略称です。

で、2010年代、EDMはめっちゃ流行った時期があって、私はSteve Aokiのみならず、亡くなってしまったAviciiとか、ほかにもCalvin HarrisとかZeddとか含めて、よく通勤電車の中で聴いてました。

通勤電車って、チョー満員電車だから、チョーしんどい。

だから、EDMによって、無理やりテンションを上げていたのです。エレクトロニック・ダンス・ミュージックなのだから、聴いていれば勝手に気分が高揚します。

といっても、この曲はおとなしい感じがするので、雨の日に向いてそうです。

【大森靖子 - 絶対彼女】

■名前：大森靖子
■曲名：絶対彼女
■職業：シンガーソングライター
■出身：日本（愛媛県松山市）
■リリース：2013年

大森靖子さんの『絶対彼女』。

カラフルなアートワークです。スタイリッシュではなく、カラフルだからこそ、たぶんテンションを上げてくれます。

という話はさておき、大森靖子さんの『絶対彼女』、歌詞もサウンドも、「カラッと快晴！」という感じはしないから、梅雨の時期に向いてそうです。

たしか2010年代半ばだったと思いますが（間違ってたらすみません）、渋谷パルコ前のフリーライブで、大森さんの演奏を見たことがあります。

渋谷パルコは、今のやつではなく、前のやつです。ユースカルチャーの、あるいは渋谷の象徴的な建物の感じだった、前の渋谷パルコです。

そこで大森さんは、アコースティックギター1本で「私は新宿が好き」という歌詞の楽曲をしっかりと歌い上げ、どっかに走って逃げていきました笑。

逃げてもいいよね。

雨からも、渋谷からも、スタイリッシュからも。

【小松未歩 - 謎】

■名前：小松未歩
■曲名：謎
■職業：シンガーソングライター
■出身：日本
■リリース：1997年

2022年5月末、小松未歩さんの楽曲、サブスク解禁。

ということで、小松さんの『謎』。

あんまり、雨っぽくもないし梅雨っぽくもないけど、サブスク解禁したから、どうしたってこの曲について書きたくなるぜ。

『謎』は、あの『名探偵コナン』のオープニングテーマです。

30代の私は、ミステリー系コンテンツの初体験といえば、『名探偵コナン』、あるいは『金田一少年の事件簿』だったりもします。

今一瞬、コナンドイルや江戸川乱歩のことが頭によぎり、レジェンド作家による作品がミステリー系コンテンツの初体験、と書こうと思いましたが、私自身の歴史を修正することはありません。え、だって、そんなことしたら、

再び君は、うそをつく。

君は、かっこいいと思われたいのかもしれない。
もしくは、賢い人って、見られたいのかもしれない。

って、思われちゃうもん。まぁなんか、アレです。

という話は横に置いといて、『名探偵コナン』はここ最近、ちょろっと劇場版を見ていて、小学生時分とは異なり、「ああ、ここが伏線だな」ということがわかって、なんかニコニコしてしまいます。昔は、まったく伏線とかわからなかったのになぁ。

そんな『名探偵コナン』のオープニングテーマである、小松さんの『謎』。

私のこのnoteも、内容が謎。

君は、かっこいいと思われたいのかもしれない。
もしくは、賢い人って、見られたいのかもしれない。

って何度も自虐的（批判的）な感じで書いてるのに、トップ画像とか最初の方の小説みたいなやつとか、さらにタイトルとか、まぁまぁ気取ってるよね。

（了）

※この記事で紹介した音源は、Spotifyさんの公式にあるやつです
※トップ画像は、素材を加工したやつです