全国ニュースに載るということ。

閲覧頂きありがとうございます。HIROKIです。

どこから説明しようかな、、、

私は誤認逮捕を受けて、無罪を主張して3年半裁判を争って、結果的には有罪判決だったけれど、結果がどうであれこうした冤罪事件があるということ、冤罪と闘うということがどれほど難しく、辛く長い闘いであることを一人でも多くの人に知って欲しくてインスタグラム(bartender_hiroki)で「獄中便り」と題して3年半、裁判の過程や心境を伴走してくれる親友とともに綴り続けてきた。

そこに、弁護士ドットコムのイチミヤという記者からDMが来て、一度話を聞かせて欲しいと言われた。
私的には、事実や現実をより広く知ってもらうためにも記事にすることは賛成だった。

そして4月中頃、都内某所のカフェで取材を受けることになり、私は事実関係や現実、心境などをそれなりに詳細に話した。イチミヤは物腰も柔らかく、プロだから当然なのだが要点を要領よく整理し、私の話をしっかりと理解してくれているな、という認識だった。
それでも一応記事を世に出す前に誤報があってはならないので、ゲラを確認させて欲しいと伝えると、
「それは出来ない。口頭でなら概要は伝えられる」
と言い、その時点で大丈夫か?とはなっていたがまぁその世界にはその世界のルールがあるんだろうしそんなもんなのかな、って思って話を聞いていて、内容的にも問題は無いように思われた。
しかし5月12日午前に配信されたネット記事を見ると

自分の名前を検索してみた結果。

「これじゃ再犯せざるをえない」という見出しが踊っていた。これじゃあ誰がどう見たってあたかも私が事件を起こしたようにしか見えない。なんなら新手の犯罪予告だ。実際、4200件を超えるコメント欄を見ると「自業自得」「犯罪予告か」「一生刑務所にいてほしい」といった声が多く寄せられていた。
まぁニュースなんて真剣に見る人は少ないし、元受刑者がどうこう言っている記事なんて流し読みされるものだし、コメントを寄せてくれる親切な人(暇人)はネットヤンキーというか、表面上の物事しか見ることができない浅はかな人たち。だからどれだけまともな事を真剣に発信していても批判や中傷というのはつきものというのも分かっている。
イチミヤは私に対して、「受刑者の出所後の困難やデジタルタトゥーという問題は非常に深刻な社会問題。そこにフォーカスを当てて記事を構成する」と言っていたが、それがこれ?って感じ。
当事者である私が見てもそう思ったが、事件の経緯や私が無実であることを知っている友人知人達からも、そして私のことを何も知らない人たちからも、タイトルに「これじゃ再犯せざるをえない」ってなってたらあなたがやっちゃったようにしか見えないよ、という指摘をたくさん頂いた。まぁそりゃこの書き方だとそうなるよね、って話なんだけど、つーかこのイチミヤって記者はなに考えてんだ?の一言。デジタルタトゥーが問題だと言っていて、自分がそれやっちゃったら本末転倒じゃんっていう。
とりあえずイチミヤに連絡して記事は訂正出来ないのか?と問うと、「事実に間違いがなければしない」というお返事。

イチミヤとのやり取り。

すると電話がかかってきて、「なにかまずかったですか?」と。まずいもクソも、、😅イチミヤの話を要約すると、【堀口さんの経験した問題は社会に共有、提起するべきだから一人でも多くの人に伝えなければならなかったからあのタイトルにした。あのタイトルや内容でも伝わる人には伝わるし、そもそもYahooニュースの読者なんかは読解力が低いのでそんなコメント気にするだけ無駄。むしろ、これだけのコメントが来るような記事になったので成功だと思っている】という認識のようだった。

クソ忙しいなか長時間問題点を指摘したが、「はぁ、、」とか「へぇ、、」とかまるで理解が出来ないらしい。ずーーっと自分は間違ったことはしていないという主張だけ。まぁ本人がそう思ってるんならそれでいいや、もう二度とこいつとは関わらないだろうなってだけの話。

「これじゃ再犯せざるをえない」という発言をしたのは事実だけど、そこにフォーカスを当てると見える景色は全然違う訳で。そのパワーワードを使うならそれを支えて補う説明は不可欠。たとえば、「今回無実の罪で逮捕されて、結果として有罪判決を受け、約4年間の拘禁生活を送り社会復帰したけれども、拘禁中の心身の苦労はもちろんのこと、出所したらしたで住居が確保できない、住居が確保出来ないから仕事もできない、ホテルやネカフェを泊まり歩いている内に資金はどんどん目減りする。自分は無実なので再犯もクソもないが、日本における刑法犯の再犯率は約50%という高い水準を推移しているといわれている理由が自身の経験や多くの受刑者達を見てきた今なら理解できる。再スタートを切ろうという気持ちがあっても社会がそれを許さない、これでは生きる為に再犯せざるをえない人が出てくるのは必然のこと」(堀口氏)
とかいう書き方をしないと問題提起にならない。
関心を得たいからパワーワードを使う、そのテクニックというかアルゴリズムは分かるが、ただ、関心を得られるのと引き換えに誤解を生んでいては本末転倒なだけ。関心と共感はイコールではないし、ただ注目されればいいってものでもない。変に注目されて余計色眼鏡で見られるなら誰にも見られない方が遥かにマシ。実際、仕事もクソ忙しいのにイチミヤや弁護士ドットコムの編集長に電話で抗議するのも、こうして掲載された記事に対してこの記事を書かなければいけないのも不毛としか言いようがない。その上、ただでさえマイナスイメージからのスタートなのに、傷口に塩を塗るようなことをされたらたまったもんじゃない。私は過去の痛みを乗り越えて、過去の意味を変えたくていま懸命に生きている。4年間やってもいないことで「お前が犯人なんだ。反省しろ」と、疑われて世間にも誤解と偏見にまみれた色眼鏡で見られ続けてきたので今更他人の意見や評価は全く気にならないが、時間と金があれば損害賠償訴訟を起こしてやりたい気持ちだがそんなことをしている余裕もない。
控えめに言って今回の記事(主に見出し)は今後の活動にもかなり影響を及ぼす悪質なもの。マスメディアっていい加減なものだけど、他にお付き合いしていただいている記者さんとかはこんな私にも誠実に対応してくださる方々なので、今回のようなトラブルになったのは非常に残念かつ恐怖でしかない。
実名顔出しで世の中に発信しているという覚悟を少しは汲んで欲しかったなあって思います。
ひとまず、弁護士ドットコムの編集長山口さんと話をして謝罪を受けた上で、記事を訂正することで同意して今は連絡を待っているところ。

とりあえず、メディアって怖いね、というお話でした。

訂正記事が出たあとは、私の活動や再審請求に向けてのことも続報として上げていくことになりそうです。

私は何十年かかっても冤罪を主張し続けます。

それでは、また記事が上がれば報告します🙆

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?