刑事被告人のすゝめ#006
閲覧頂きありがとうございます。HIROKIです✨
今回は、前回の予告の通り被疑事件が公訴提起(起訴)されてから初公判までの流れを書いていきます。
前記事にも少し書きましたが、被疑者が起訴されると身分は被告人となり、被疑者のように23日間という勾留期限はなくなり(厳密には規定は存在しますが守られていません)、保釈申請しない限りは裁判の判決が出るまでずっと拘置所で過ごすことになります。起訴されると大きく変わるのが、なんといっても留置場から拘置所へと移監されることです。
このあたりは私もうろ覚えなので詳しくは書けないですが、留置担当者が捜査刑事に再逮捕があるかどうかを確認し、なければ検察官に被告人を拘置所に移して欲しい、という趣旨の意見書を出し、検察官が移送指揮書を出す、という流れだったような🤔🤔
とにかく、再逮捕がなければ起訴されると早くて
2週間程度で拘置所にお引越しです。拘置所に行くと留置場に較べて自由度がグッと上がります。
たとえば、5日に一回のお風呂が週3になったり、筆記用具を自分で管理出来るようになったり、お菓子やパンが買えるようになったり、新聞も買えるし、一日に数時間ラジオも流れます。なにより私が嬉しかったのは留置場では7枚までしか書けなかった手紙が枚数無制限になるということでした。私は拘置所にいる間に逮捕から出所まで、それから所内での小話などをインスタグラムを使って代理投稿してもらって3年半連載をしていたので、もし7枚という縛りがあればあの企画は立ち上げることも最後まで書き切る事もできませんでした。その点はすごく助かったなあ、と思っています。なにしろ本編だけで便箋900枚分ぐらいは書きましたからね🤤また、事件の
経緯を公開することにはやはり自分の手の内を明かすことになるわけですから、リスクもあったし、事件についてのことを書くのは問題無いとしても、証拠についての具体的な事を公開するのは法的に大丈夫なのか、と。というのも、訴訟記録の第三者への提供や閲覧させることは原則として刑事訴訟法上禁止されているから、証拠についての詳細を語ることはここに引っかかるんじゃないかと。ですが、専門家に相談したところ、たとえば一つの供述調書があったとして、その現物を提供なり閲覧させることは法的にアウト、その内容の全てを口頭であったり便箋に書き写して送る分にはオッケー🙆ということのようです。
ごめんなさい、話が逸れました。
拘置所に移ると、独房か雑居(集団部屋)かのいずれかに入ることになりますが、個人的には孤独に耐えられるのなら独居がおすすめです。雑居はなにかと上下関係が厳しかったり、お金がない人とある人の差が激しかったりして、ましてや過度のストレスがかかる環境のなか、色々と神経過敏になります。
その結果、いじめが起きたりしたりすると懲罰に科されることになります。反則行為の種類にもよりますが、懲罰を受けると私物を全て没収されて、誰とも連絡がとれない、ラジオも切られる、そして一日8時間程ドアに向かって座っていなければいけません。これは控えめに言って高確率で精神が壊れます。人権派弁護士などはこのような処遇のあり方に
問題意識を持っていますが、行動しようにも被告人には「やられた」ということしか言えないけど、
組織側は何十人も「そんな事実はなかった」と主張
してくるので、結果としては必ず負けます。仮にそういう問題があって不利益処分を受けそうな時には、弁護士に詳しい状況を伝え、拘置所長に対して抗議書を作ってもらって下さい。そのうえで、弁護士会に対して人権救済の申し立てをしましょう。弁護士も施設の対応に問題があれば拘置所に対して戒告などの書面を送ることがあります。(実際私もやって、施設側の違法が認められたこともあります)ただ、公的機関からそのような書面が出ても、施設側の対応が変わることはありません。ただ、「要注意人物」として刑務官がとやかく言ってくることはほぼ無くなるので生活は比較的マシになります。
さて、起訴されると被告事件に関する検察官請求書証あるいは物証などが開示されていきます。それをみて自分が罪に問われている理由はこうで、その理由の裏付けとしての資料(証拠)がこれだけあり、
すべての事情を容れると結論としてはこうなる。
というようなことを開示します。自分がやってしまった事実に間違いがなければ検察官の立証構造は
揺らぎませんが、特に冤罪事件や捜査機関が事実を誇張して本来三ぐらいの事実なのに十ぐらいの
こを立証してこようとする場合もあります。そうすると、検察官はどこかで嘘をついているわけだから
証拠をしっかり見ていけば、必ず欠落や誤認が出てきます。私が冤罪を訴える人を見極める一番のポイントはやはりそういうところですね。
さて、起訴されると事件にもよりますが、裁判員裁判でなく裁判官裁判だと、早くて起訴から概ね一ヶ月後ぐらいに初公判が開かれます。初公判の内容としては一般的に【人定質問】と【罪状認否】だけで終わります。人定質問とは、被告人の氏名、住所、本籍、職業などを訊かれて被告人が本人かどうか確かめる手続きになります。罪状認否は、名前の通り公訴事実(罪に問われている事実)を認めるか否認するか、という質問が行われます。ほとんどの事件では裁判官が被告人に対し、「いま、検察官が読み上げた起訴状の事実に間違いはないか」ということを聞いてくるので、それに対してはいかいいえで
答えるだけの手続きとなります。
初公判はこんな感じで終わります。
ちなみに、裁判員裁判だと、初公判前に公判前整理手続という手続きが行われるので初公判は起訴されてからかなり後に行われることになります。また、
裁判官裁判でも期日前整理手続という措置がとられることもありますが、これは裁判所の職権で可否が判断されるので請求したとて必ずしも通るとは限りません。今後の記事で改めてそのあたりのことは
触れていきますが、期日前整理手続を行う事件のケースとしては、公訴事実に争いがある(いわゆる否認事件)場合に検察官の請求証拠だけでは弁護側にとって不利なので、請求証拠だけでなく、その他にある(隠されている)証拠を開示させた上でケースセオリー(弁護側立証方針)を構築し、争点を整理した上で公判を進めていく、ということになります。ただ、この手続きはかなり時間がかかりますので(私の場合は弁護士の能力にも問題がありましたが1年7ヶ月かかりました🧟)事実関係に争いがあっても執行猶予が確実に見込まれる案件などでは社会復帰が確実に遅れるのでやらない方が良いとは個人的に思っています。
というわけで、今回は起訴から初公判までのことを
ざっくりと書きました👋
次回の予定記事は
冒頭陳述について。になります🙆
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