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ピリオダイゼーションとは


ピリオダイゼーションとは

日々、アスリートたちは身体の限界を挑戦し、常に進化を求めています。しかし、その成長への道のりは、単にウエイトトレーニングをして筋力を増強させるだけの単純なものではありません。心の中で疑問を抱くことも多いでしょう。「どうすれば、今以上のパフォーマンスを発揮できるのか?」この問いに答えるためには、一年を通して計画的に、そしてその時々の体調や目標に応じてトレーニングプログラムを組む必要があります。

この科学的かつ組織的なトレーニング計画のことを「ピリオダイゼーション」と呼ぶのです。多くの人々がこの言葉を初めて聞いた時、複雑で難しそうに思うかもしれません。しかし、実際には非常に合理的で効果的なトレーニング方法です。ピリオダイゼーションは、マクロサイクル、メソサイクル、ミクロサイクルという3つのフェーズ(段階)で構成されており、それぞれがアスリートの成長をサポートします。具体的には、年間の大枠となる「マクロサイクル」を、さらに管理しやすい期間の「メソサイクル」に細分化するのです。

想像してみてください。アスリートが一年を通して、各大会や試合に向けてどのように体調を整え、どのようにトレーニングを強化していくかを考える。それを具体的に実行できるように、各フェーズの目的や目標を明確に定める。それがピリオダイゼーションの魅力と効果です。

そして、各フェーズでのトレーニングの目標は、競技のスケジュールやアスリートの体調に合わせて計画されます。これにより、アスリートは継続的に成長を感じ、モチベーションを保ち続けることができます。

スポーツに特化した筋力、スピード、持久力の組み合わせ

さて、トレーニングを計画する際に非常に重要なのは、どのような筋力や能力をそのスポーツが求めているかを理解することです。たとえば、筋力と持久力を組み合わせると筋持久力という新しい能力が生まれます。同様に、最大筋力と最大スピードを組み合わせると、爆発的な動きを短時間で行う「パワー」が生まれます。

さらに進めて、より高度な運動能力、例えば「アジリティ」は、スピード、コーディネーション、柔軟性、そしてパワーといった要素の組み合わせから成り立っています。これらの能力は、例えば野球やサッカー、ラグビーや体操、バレーボールやバスケットボールなどのスポーツで要求されるものです。

このような各種スポーツにおいてどの運動能力が優位に構成されているかを視覚的に理解するための図があります。この図を見ることで、コーチやアスリートはそのスポーツの特性や必要な能力をより深く理解することができます。そして、それに基づいて最適なトレーニングプログラムを作成するための手助けとなるのです。
(F)は筋力、(S)はスピード、(E)は持久力を表しており、○の箇所によりどの運動能力が優位かを図示しています。
コーチやアスリートは、この図から、自分のスポーツにおける生物学的運動能力の優劣を判断することができます。

様々なスポーツにおけるバイオモーター能力の支配的な構成
出典:Periodization Training for Sports

スポーツは、単なるゲームや競技ではなく、選手たちの身体の動きやエネルギーシステムの高度な科学の産物とも言えます。そして、それぞれのスポーツが持つ独特の特性や要求する能力は、選手やコーチが最高のパフォーマンスを追求する上での非常に重要な要素となります。それを深く理解し、適切なトレーニングプログラムを設計することが、アスリートの成功の鍵となります。

例えば、一つのスポーツが主にどのエネルギーシステムを使用するかを知ることは、そのスポーツのトレーニングにおけるエネルギー需要を理解するのに役立ちます。エネルギーシステムは、アデノシン三リン酸(ATP)の生成方法に基づいています。これは、私たちの筋肉の動きを支える主要なエネルギー源です。

筋力(F)と持久力(E)の組み合わせは、非常に興味深い現象を生む。それは筋持久力(ME)です。この力は、一定の抵抗に対して筋肉が持続的に動き続ける能力を示しています。具体的には、繰り返しのジャンプやランニングのような動きで、筋肉が疲れることなく動き続ける能力です。

しかし、筋持久力(ME)には、さらに細かく「長時間」「中時間」「短時間」という3つのカテゴリーが存在します。これは、運動の持続時間や強度によって変わります。

「長時間」の筋持久力は、例えばマラソンランナーやトライアスリートのような長距離競技者が持つ能力で、数時間にわたる低強度の運動を持続する能力を指します。「中時間」の筋持久力は、中距離ランナーやサイクリストが特に必要とするもので、数分から数十分間の中強度の運動を持続する能力を示します。一方、「短時間」の筋持久力は、スプリンターや短距離のスイマーが必要とするもので、数秒から数分間の高強度の運動を持続する能力となります。

これらの特性を理解することで、トレーニングプログラムをより効果的に設計することができ、アスリートのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。

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