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リアルキャンドルのライト

新しい場所の施工や準備が、2月に入って急ピッチで進んでいる。未だ、資材の納期がみえないこともあったり、予算と資金繰りでは人生最大の戦いの中にいる。しかし、目標に向かってやるべきことは小さいことから大きなことまで沢山あって、どんどん決めて動かなくてはならない。そう、止まれない状態にいるということ。肝はなんと言っても料理が美味しく見える空間と照明。その中でもシンボル照明について、今回は触れてみたい。

なぜリアルキャンドルのライトなのか

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たにたやにあったキャンドル照明。自然と日中光によってゆっくり溶けていた。7年間ありがとう ! 

前身の「たにたや」でもシンボルになっていた入り口上部にあったキャンドルシェード照明。なぜ本物のキャンドルを使うのか。最近だと、人工的なゆらぎ機能を装し樹脂でキャンドルを模したものも市場にはたくさんある。比べてみるとわかるが、本物の蝋と樹脂では、自然光と人工光(照明)の差くらい違いがある。何より、樹脂ではあの光の質を表現することはできない。そして、光に関して探究している身として、敬意を持ちながらもどうしても越えられない自然光の偉大さに、せめて本物素材を通した光の空間に居たいと思う気持ちがあったから。

食に携わるルーツには

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カップル席の真上に鎮座。ライトアップを目の前に、最高の席だ。この時からLEDで製作している

南青山のレストラン CICADA 。ここにリアルキャンドルの照明がある。このレストランに照明側で関わらせてもらったのは、独立する前の2012年だったと思う。このレストランの仕事が飲食に興味を持ったきっかけで、そこからどんどん気持ちが膨らみ「たにたや」に続いていく。今思うと、本当にやりたいことの布石はこの店の仕事から始まっていたのだ。リアルキャンドルの照明をつくり、共に生きていくのは原点を忘れないためなのかもしれない。

キャンドルシェードの照明は次の場所にも

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この写真は、以前製作してもらった工場での検品風景。今回、新スペース用には、y.s.mさんに製作をお願いしている

次の新スペースにも、リアルキャンドルを使った照明はシンボルのように鎮座する。「たにたや」で使っていたものはサイズも構造的にも合わず、いま新たに製作中だ。リアルキャンドルというのは、蝋の塊をくり抜いて使うこと。これも、ずっとお願いしているキャンドルメーカーさんへ頼んでいる。一つのシンボル照明があることで、その場所は記憶に残る空間になる。そこを訪れる側にも、迎える側にとっても空間を位置付けるもの。今回は、他の照明と一緒に照明制御システムに組み込む。前は、コンセントに毎回差し込んでいたので、アナログからデジタルへ進化する。それでもリアルキャンドルはずっと変わらないまま、新たな空間を包み込む。

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点灯していない姿のキャンドル。この色のキャンドルを今回も予定している。

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