専門家が知識やノウハウではなく伝えるべきこと

自分はデジタルヘルスの専門家なのですが、つい、知識やノウハウを伝えたくなってしまいます。
ただ、それを伝えても普通の人は全く興味がない。

専門家は、長年にわたって特定の分野に深く関わり、その領域に関する豊富な知識とスキルを持っているのですが、専門家が自分の知見を他者に伝える際、単に専門的な知識やノウハウを羅列するだけでは、聞き手の興味を引き付けることは難しいでしょう。
むしろ、専門家が語るべきは、その専門性を身につけることで得られる効果や価値なのです。

例えば、語学の専門家であれば、単に文法規則や語彙を教えるのではなく、語学力を身につけることで、グローバルなコミュニケーションが可能になり、新しいビジネスチャンスや文化交流の機会が広がるといった効果を強調することが大切です。
また、投資の専門家であれば、投資の手法やリスク管理の知識を伝えるだけでなく、賢明な投資が経済的自由や将来の安定につながることを伝えることが重要です。

このように、専門家が自分の専門性がもたらす効果や価値を語ることで、聞き手は、その専門性を身につける意義を理解し、興味を持つことができます。
そして、その効果を欲しいと思う人々を見つけ、その効果を得るためのきっかけとして専門知識を活用することが、専門家の重要な役割なのです。

例えば、語学の専門家が、海外での仕事やボランティアに興味を持つ人々を対象に、語学力の重要性を訴求することで、語学学習への動機づけを与えることができます。
また、投資の専門家が、経済的自由を求める人々に向けて、投資の効果を語ることで、投資への関心を高めることができるでしょう。

そして、こうして専門家の周りに集まった人々に対して、専門知識をツールとして提供していくことが大切です。
専門家は、効果を求める人々が実際にその効果を得られるよう、必要な知識やスキルを体系的に教えていく必要があります。

この過程で、専門家は自分の知見を実践的な形で伝えることができ、また、学び手は専門家の知見を自分の目的達成のために活用することができるのです。

ただし、専門家が効果を語る際には、聞き手の立場に立って、わかりやすく、具体的に伝えることが重要です。

専門的な用語や複雑な理論を並べ立てるのではなく、聞き手の日常生活や仕事に関連づけて、専門性の価値を伝えることが求められます。
また、効果を語る際には、過度な期待を抱かせたり、誇大な宣伝をしたりすることは避けなければなりません。
あくまでも、専門性を活かして聞き手の目的達成を支援するという姿勢が大切なのです。

専門家が本当に語るべきことは、自分の専門領域がもたらす効果や価値です。
そして、その効果を求める人々を見つけ、専門知識を活用して、その人々の目的達成を支援することが専門家の使命と言えるでしょう。

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