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2泊3日タイ・バンコク旅行記 1日目

再び日本を飛び出す機会が巡って来た。
バンコクを2泊3日で旅する。タイは10年ほど前に北部のチェンマイを訪れたきりで、バンコクは今回が初めてだ。
最優先事項は変わらず、美味しいものを食べることとする。カフェやレストランを訪れた際の記録は、小見出しで店舗名を記載したので参考にしてもらえると嬉しい。
直前までバタバタしていて、観光の旅程を細かく立てられず、バンコクへと乗り込むことになった。
初バンコクでありながら、寄り道だらけの旅となった。
それでも、時間と体力の許す限り存分に楽しめたと思う。
そんな旅の記録を綴っていきたい。

初めてのバンコク

今回は羽田空港からタイ航空でバンコクへ向かう。
木曜の深夜に発ち、金曜の朝に到着する便を選んだ。帰国は日曜夜を予定しており、昨年の台湾旅行と全く同じ2泊3日の構成である。社会人が海外を楽しもうと思うと、この旅程になってしまうのは致し方ない。
7時間ほどのフライトでは多少寝ることができ、旅行に向けての体力を温存できた。前回の旅から相棒となった空気で膨らますネックピローが今回も活躍した。
だいぶん旅の感覚を取り戻してきた気がする。

午前5時半ごろ、スワンナプーム国際空港に到着した。
空港のフリーWi-Fiに接続し、即座にe-SIMを起動した。
この旅で初めてe-SIMを使ってみた。旅程を通じて、全く問題なく、日本にいるのと同様の通信環境を享受できた。
そして、どこでも検索ができる状態であったことで、この後の旅程に大きな影響を及ぼすこととなった。
世の中はどんどん便利になっている。これからの海外旅行の際も使っていきたい。

空港からホテルへとしばし電車に揺られる。
到着は7時くらいだったと思う。さすがに部屋の準備はまだできておらず、
「チェックインは11時、いや10時までお待ちください」
とフロントで言われた。
そもそも正規のチェックインは15時からなので当然である。それでも、去り際には合掌して笑顔で見送ってくれ、こんなに早くに申し訳ないなあ、と恐縮する。
この後も幾度かあったが、タイの方々は合掌が自然に現れる。その一つの所作から安心感を得られたり、やわらかな空気が生み出されたりする。とても素敵だ。

チェックイン可能な10時まで時間が空いたので、一旦荷物をフロントに預けて観光へと繰り出すことにした。
タイ、ひいては東南アジアでは、Grabというタクシーアプリがメジャーで、今回の旅でもお世話になった。出発地と到着地を登録すると価格が提示され、了承すれば近場のタクシーが配車される。
ホテルまでタクシーに来てもらい、まず向かうはワット・パークナムだ。

ワット・パークナムと猫と犬と

ワット・パークナムというお寺の観光へ向かう。
バンコクは都市だと言われていたが、そこまで都会でもないのでは?、とタクシーに揺られながらぼんやり窓の外を眺める。
実際のところ、ホテルからワット・パークナムまでの経路が、バンコク中心地を抜けていなかっただけだった。この半日後には、どでかい商業施設をさまようことになる。

クーラーの効いた快適な車内で数十分を過ごし、ワット・パークナムの目の前まで乗りつけた。最寄駅からやや距離があるので、我々の後にもタクシーがやってきていた。

色彩豊かな仏塔

いきなりだが、こちらがワット・パークナムの名物スポット、エメラルド色の仏塔である。最上階に位置しており、色鮮やかで実に美しい。
事前情報によるとSNSで人気があるらしい。お寺でさえも「映え」に包括されていく世の中は凄まじい。
金曜の朝だったからか、人がほとんどおらず、とても良かった。すでに30℃近かったものの、建物の中は風が吹き抜けていく。心地よい夏の空気を先取りできた。
この最上階までエレベーターで一気に登ることもできるのだけれど、途中の階層に展示物があり、そちらも想定外に楽しかった。
他にも超巨大な黄金の仏像があり、そちらにはツアーの途中なのか欧米系の観光客が集っていた。

とても広い展示エリアは壮観
展示エリアの十二支の銅像 なんかとてもよい

ワット・パークナムを一通り見終え、帰りは歩いて最寄り駅まで行くことにした。
ただ、この周辺に何か他の観光スポットがあるわけではない。地元の方々が暮らす住宅地を抜けて歩く。

カラフルな街並みを抜けて歩く

異国の匂いが鼻をくすぐる。すぐそこに何があるかわからない。とはいえ、劇的な何かがあるわけでもない。
そんな海外での街歩きが、なんともいえず好きなのだけれど共感してもらえるだろうか。

緑溢れる街角

住宅地だからか、たくさんの猫に出会った。それだけでスマホのアルバムが豊かになる。
のんびり散歩していたり、置かれた餌を食べていたり、気ままにゆるやかに暮らしているようだった。

この後もタイでは頻繁に猫と出会った

猫たちをカメラに収めつつ駅に向かっていると、道の向こうからこちらを見つめる視線を感じた。
犬が二匹、すらりとしたやれる体型の奴らがいる。全くこちらから目を離さない。
かなり遠くだったので首輪が付いているかわからない。野犬だと流石にまずいね、と妻と話し合う。
結果、道を引き返して犬たちを迂回する。

遠回りもあって、20分ほど歩いて最寄り駅に到着した。
電車に乗ってホテルへ戻り、体勢を立て直すことにする。

駅から見た大仏塔と大仏の後姿

マヨンチットを求めて

ホテルに戻って一息ついたのち、お昼ごはんを食べに再び外へ出る。

アポロ

バンコク初の食事は中華系となった。妻が事前に調査していたお店だ。
すでに1時を回っていたこともあり店内は空いていた。
酸辣粉と表記された麺を頼んだ。味は文字の通り。妻は肉や豆腐やネギの乗った米麺を選んでいた。どちらもとても美味しかった。

手前が酸辣粉と焼売セット 奥は妻の米麺
案内された2階席はレトロな内装

ここで思いがけない出会いをするのだが、まずは基礎情報として見出しにも掲げた「マヨンチット」を紹介したい。
マヨンチットとは果物の名前であり、タイでは2月中ごろから4月までに出回る。ビワのような見た目をしている。私も旅の直前まで全く知らなかったから大きな顔はできないが、そんなものらしい。
これまで名前すら聞いたことのない、しかも食べられる期間が限定されている果物、マヨンチットを食す。
これをバンコク旅行のやりたいことリストの上位に掲げていたのである。

話は店に戻る。
なんと季節限定としてマヨンチットのかき氷がメニューにあったのだ。
早々にマヨンチットを食べられる機会に恵まれたことを喜び注文する。
「マヨンチットのかき氷を一つ!」
「・・・ごめんなさい。マヨンチットのかき氷は今なくて。スイカのかき氷はあるけれど、どう?」
非常に残念ながら、マヨンチットへの期待はスイカでは満たされない。
そこで、かき氷の代わりとして、タオフワイナムキンというものを頼んだ。
こちらは生姜の効いた甘い汁の中に、カリカリとした揚げパンと豆花が入ったもの。
タイのローカルフードの一つで、こちらも食べたいものとして調査していたので、ありがたくいただいた。

生姜がしっかり効いていて美味しかった



The Pattern Cafe

不意打ちの出会いに踊らされたものの、実はマヨンチットが食べられる場所の前情報はしっかり調べていた。
電車に乗って、目的地へと向かう。

マヨンチットに向けて、駅から力強い足取りでずんずん歩く。
観光地ではない場所に突如現れるカフェは、小さなホテルのエントランスと共有されていた。
とても雰囲気がよく、ここに泊まって旅の起点にするのも良さそうだった。

メニューを渡され、期間限定のマヨンチットがあることをしっかり確認する。
先ほどの一件があるので、控えめに聞いてみる。
「このマヨンチットのチーズケーキありますか?」
「マヨンチットのチーズケーキね、OK」

マヨンチットのチーズケーキ

艶々としたオレンジ色が美しい。
肝心の味は、マンゴーをベースに、甘さが控えめでやや酸味がある果物、という感じ。
南国に育ったことを全力で主張してくるマンゴーの濃厚さもよいけれど、マヨンチットはさっぱりしていて食べ飽きない。
あと、タイのスイーツはとても甘いイメージがあったのだけれど、このチーズケーキは甘さ控えめだった。マヨンチットの素材の味を感じられて、とても気に入った。

一緒に頼んだドリンク、オレンジエスプレッソも美味しかった。
タイはコーヒーの名産地であり、日本ではあまり見かけない組み合わせのドリンクも多く、それも楽しみの一つであった。
こちらはコーヒーの苦味とオレンジの爽やかな酸味と甘味が絶妙だった。強いて言えばオランジェットに味わいが近い。
たっぷりと休憩し、次のエリアへと向かう。

オレンジエスプレッソとおしゃれな店内



超巨大商業施設アイコン・サイアム

旅の初日ではあるが、早速おみやげを買いに行くことにした。
バンコクには多くの商業施設があるが、その中でも最大級のアイコン・サイアムへ向かった。

こちらの4階、5階にIcon Craftというタイ各地のおみやげを集めたゾーンがある。
ありとあらゆるジャンルがそろっており、今回の旅の半分以上はここで買った。おみやげの細かな紹介は別でまとめようと思う。

すぐそばに両替所(Super Rich)があるのも便利だ。
この時点でバンコクで過ごして半日、想像以上にクレジットカードが使えない場所が多く、手持ちの現金がどんどんなくなっていた。
このタイミングで両替をして補給できるのはありがたかった。
両替所は混んでいたが、整理券をとって、近くでおみやげを見ながら待ち時間を潰せるのもこの立地ならではだ。

おみやげを買い込んだところで、このあと別の予定のある妻と別れる。
まずは期間限定でやっていたコーヒーフェスを巡ることにする。
これまでに書いた場所もそうなのだが、基本的にバンコクは英語で意思疎通ができるため、一人行動でもなんとかなった。

様々なコーヒーショップ、カフェが出店していた

各ブースでさまざまなコーヒーを提供していた。
せっかくなので、ぐるりと周り、試飲などさせていただきつつ、目にとまったPOUR OVER LABというカフェのブースで一杯いただいた。

labという名の通り、実験器具が並んでいる

「私たちはさまざまなフレーバーのコーヒーを提供しています。どうぞ」
手渡されたコーヒー豆の入ったボトルを嗅ぎ比べる。ウイスキーや花や果実の香りなど10種類以上ものコーヒー豆があって面白い。
「えっと、おすすめはどれですか」
「おすすめはこのウイスキーフレーバーのコーヒーです」
「じゃあ、それを一つ。ホットで」
海外の店で頼むものに困ったら、ひとまずrecommend(おすすめ)を聞いて従う。これで大体間違いない。

注文を受けてから、一杯をドリップしてくれる。丁寧に淹れられたコーヒーを近くのベンチでゆっくり味わう。
これが、これまでに飲んだ事のない味で驚いた。想像していた以上にウイスキーの香りを纏っている。
飲み終えたのち再び話を交わして、おみやげとして豆を買わせてもらった。
ドリップ技術はないので、どこまで再現されるかは怪しいが、うちで飲むのが楽しみである。

そうこうするうちに日は暮れ、夕食どきとなった。お腹を満たすために施設内を移動する。
食事に関してもアイコン・サイアムはSook Siamという巨大フードコートを抱えており、ありとあらゆる料理を楽しむことができるのだ。

屋内とは思えない巨大な屋台群
水上マーケットを模したオブジェ

あまりに広く、店の数も多く、優柔不断な人間にとっては大変だった。この写真もどのエリアで撮影したか覚えていない。食べたいものがありすぎて、広いエリアを少なくとも2周はしたと思う。
冒頭にも掲げた通り、旅行は食事がメインなので、別々の店で2種の麺をいただいた。量が多くないので複数楽しめるのは良い。値段もお手頃である。
フードコートの席は賑わっていたが、一人なので隙間をうまく見つけて食べることもできた。

トムヤムヌードル 辛すぎず美味しかった
ココナッツ香るチキンカレーの麺

アイコン・サイアムからの帰りは、川を渡る船に乗っていく。シャトルバスならぬシャトルボートだ。
船着場は驚くほどの人で溢れかえっていた。船の乗り場も複数あり、長蛇の列ができている。
帰るのにどれだけかかるのだろう、とげんなりしかけたが、よくよく見ると並んでいるのはどうやらナイトクルーズに向かう列のようである。
行き来している船はどれもゴージャスだった。船内で食事を楽しむこともできるように見えた。
一方、これから乗り込むシャトルボートの乗り場は一番端で、なんともかわいらしいサイズの船が波に揺られていた。
ここで良いか尋ねようとしたところで、手に持っていたチケットを係のおばさんに半ば奪い取られ、列に並ぶよう促された。

電車の駅まで送ってくれるシャトルボート
ボートからの夜景 クルーズ船が映える

ボートから見える景色はナイトクルーズと変わらない。なんならこちらは、水しぶきが迫るほどの臨場感も感じられた。

到着した駅から再び電車に乗ってホテルへ戻る。
近くのスーパーで手頃なおみやげを買い足す。
ホテルの部屋で、買ったそばからタイのクラフトビールで疲れた身体をほぐす。
長い初日が終わった。

2日目へ続く

パッションフルーツビールで1日を終えた



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