世界各国の食を巡る:トルコ料理編2
唐突に思いついた。
東京近郊で、世界各国の料理を食べよう。
ことの発端とあらましについては、過去回を参照。
またトルコに戻ってきた。先日読んだ「食で巡るトルコ」に載っていた料理たちが気になりすぎて、いろいろなトルコ料理をちょっとずつでも楽しめるお店がないだろうか、と思っていた。そんなところに丁度よさそうなお店を発見したもので居ても立っても居られなくなって。
場所はまたもや埼玉県の川口市。最初のSKY RESTAURANTともそんなには離れていない。やはりこのあたりはトルコ系の人たちが多い地域らしい。高速道路の脇道に隣接する、一見すると民家のような建物に大きな看板が出ていた。
ビュッフェスタイルでの提供は日曜の朝8:30からと聞いて、ちょうどその時間に到着。扉を開けると、7割方の席が埋まっている。全員トルコ系の人に見える。トルコ系の方が食べ慣れた味を求めてやってくる店、といったところだろうか。飛び交う言葉が全然分からなくて異国感満載。素晴らしいアウェイ感。
とりあえず店員の方をつかまえてビュッフェということでOK? と確認。席を確保して、いざトルコ料理たちの渦中へ。
1皿目。まずは前菜類で気になった料理をいろいろと。手前から反時計まわりに食べてみる。
ナスを主体としたピリ辛のペースト。アジュル・エズメ? もしくはシャクシューカだろうか。唐辛子が結構効いている。
ヨーグルトソースが主体のパプリカやナスのサラダ。揚げたにんにくの香ばしさがなんとも美味しい。
素揚げの角切りポテトと、バジルやピーマン、玉ねぎのサラダ。パタテス・サラタス? ポテトがカリカリで香ばしく、そこにやや酸味のあるドレッシングの野菜類。これとヨーグルトソースの組み合わせがとても美味しい
ひよこ豆のペースト。フムスのように潰してなめらかになっていないけれど、構成としてはフムスに近い。安定の美味しさ
ピーマンなのかししとうなのか。シンプルなグリル&オイル。
ナポリタンに近いトマト味とソーセージの煮込み。サルチャ? かなり辛め。ピデなどと一緒に食べた方が良い味。
中央のはメネメン。トマトとピーマンを卵と混ぜてスクランブルエッグにした料理。卵なんだけれど、ふわふわの食感と味がどことなくおぼろ豆腐のようで面白い。
2皿目はチーズ類とパンを主体にいろいろと盛り合わせ。また手前から反時計回りに。
モッツアレラチーズとトマト。おそらく普通の市販品。
クリームチーズ。これも普通の市販品っぽい。
小さいモッツアレラチーズとオリーブ。まわりにかかっているのはバジルと思ったらミントだった。トルコ料理だとミントがかなり多いイメージなのでなるほど、と。
カッテージチーズ(ロル・ペイニル)。自家製……なのかな。シンプルで素朴だけれど美味しい。
野菜入りのスクランブルエッグ。セブゼリ・メネメン? やや塩気が効いている味で、割とシンプル。
オリ―ブ3種類。一番おもしろかったのが、萎れているような黒オリーブ。独特の苦味があって、これは以前食べたシリア産のオリーブに近い味。こういうクセの強いものが混じっていると、ちょっとしたアクセントで面白い。
おそらくヤギか羊のチーズ。ベヤズ・ペイニル? ホロホロと崩れるような食感で少し酸味がある。いわゆるミルクっぽいコクはあまり感じない。こういうの、海外だとよくある感じ。
中にちょっと詰め物の入ったラバシュのようなパン。詰め物の味がほとんどしなくて、正直何か分からなかった。上の胡麻が良く香ったので、その美味しさの方が印象的。
中央のは、パイ生地っぽいものの中にみっちりと詰まったお餅のような……なんだろう、チーズだったのかな。全然味がしなかったので分からなかった。ベヤズ・ペイニルを包んだものかもしれない。
3皿目、パン類を少しずつ。チーズ類は飛ばして、奥から、
バゲットの上にチーズと、ペーストは何かと思ったらここでもミント。この組み合わせは初めて。なるほど、結構さっぱりとした風味があって美味しい
ピデ。これがシンプルで一般的なピデだった。
シガラ・ボレイ。なんだけれども、やはりここでも中のチーズはあまり味がせず。不思議。
ひよこ豆とグリルしたパプリカとオイル。グリルによって炭火っぽさとパプリカの旨味がしっかり出ていて美味しい。
最後はスイーツで〆。どれもシロップ類にどっぷり浸かったような濃厚な甘さ。このあたり、とてもトルコっぽい。ドライフィグも、中がシロップ漬けかと思うくらい甘かった。これもビュッフェに含まれているトルコのチャイが、甘さを和らげてくれる。
少量ずつとってきたけれど、さすがにお腹いっぱい。ごちそうさまでした。
いわゆるトルコ料理の前菜類がいろいろと楽しめた。一方で、チーズ類はどうも日本の普通の市販品が主っぽいので、トルコの人たち、これ満足できるのかなあ、と心配になる。たぶん、現地の味とは全然違うと思うのだけれど。あと、パン類は作り置きのものが多いためか、総じてちょっと残念だった。
想像はしていたけれどもけっこう辛い味のものが多い。最初から辛いもの、最初は辛くなくても後味で結構辛さが残るものなどもあって、唐辛子の使い方で結構味の奥行きが変わるなあ、と感心。
ヨーグルトとにんにくの風味が入ると一気にトルコっぽくなるのも面白い。今回のヨーグルトソースは見た目からもう美味しそうで、食べてみるとやっぱり美味しくて、これとマントゥとかあわせて食べてみたかった。
あと、野菜はシンプルなグリルが美味しい。表面が焦げるくらいになったパプリカやピーマンって、独特の甘みがあって良い。あと、ちょっと穀物っぽい風味もあったりして、でもどうみても野菜だけなんだけど……。オイルの風味なんだろうか。オリーブオイルではなさそうだったけれど。
なんとなく、子供のときに食べたなにかが思い出されそうで、でも分からなくてちょっと不思議な感覚になった。
ちょっと遠かったけど、そのせいもあって1日だけトルコに旅行した気分に。凄く美味しい! というわけではないけれど、素朴でシンプルな日常のトルコ料理を食べられるのは、なかなか有難い店だった。
ごちそうさまでした。
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