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無事仔牛が生まれてほっとした話~A Farmer's Diary Plus~

少し前になりますが3/1に無事仔牛が生まれました。
星野リゾート トマムの公式HP内の「A Farmer’s Diary」でも、出産の事、生後2日でおべべを身に着けしゃんとした仔牛の写真も掲載しております。
ぜひ、そちらもご覧ください。

このnoteでは「A Farmer’s Diary」では書ききれない当日の状況やファーム星野の冬事情などを綴ろうかと思います。

3/1は私は富良野市(トマムから車で1時間程度)にとある研修の為、出張していました。
時間を確認する為、スマホを覗くと「ファーム星野チーム」のグループチャットで緊急の連絡が、、、

えええええ、、、
予定日より7日間以上早いのですが「オハナ」(写真左)が出産した様です。

2月後半は暖かな日が続き、トマムも雪はだいぶ減っていましたが、当日は冷え込み仔牛の下は土では無く"氷"です。
当日チーズ製造を担当していたKさんがお昼休み中にたまたま産み落とされた仔牛に気づいて、チームメンバーに共有してくれました。

Kさんの初動は正しく、もろもろ衛生面を考えると、まずは当日の牧場スタッフや、その後衛生業務にあたらないスタッフが仔牛の対応に入るのが優先なのです。

数分後に、お昼休みに入っていた当日の牧場スタッフから

「行きます」

という心強いコメントが入り、乾燥したワラを敷いたソリに仔牛をピックアップした写真が届きました。

仔牛の体が冷えない様に付着した体液をなめるオハナ
とお手伝いする(お節介な)シェリー
を、横目で眺めるしずく(右)

遠方の会議室で心配していましたが、見事なチームワークでした。

今回は、予兆も無いままの1週間以上早くの早産になりましたが、通常は予定日が近くなり、お腹や乳房の具合を確認しいよいよかなと判断すると、牛の体温に注意を払うようになります。
牛の体温がいつもより高い39度近くがしばらく続き、平熱(38度)に落ちるとといよいよ今日明日かな、という感じになります。
冬だとワラを敷き詰めた、出産用スペースに移動させます。

よく、「分娩時はみんなで引っ張りだすのですか?」と質問を受けますが、ファーム星野だと1年に1回あるか無いか、くらいです。
放牧だと牛たちもよく歩くので安産になる可能性が高いんだと思います。

出産時に人のサポートが必要になるケースで多いのは

【逆子の場合】


これは大変。
牛の出産は足から出てくるのですが、前足なら正常。ひとまずホッとします。
後ろ足なら逆子。覚悟を決めます。
出産途中でヘソの緒が切れた瞬間に肺呼吸に変わるので、逆子はゆっくり出てくると窒息死してしまいます。なので、逆子の場合は躊躇なく一気に引っ張り出します。
リゾート内から人手を集めて一気に引き出す事も、機械を使って行う事も、ケースバイケースです。

【初産の場合】

初産はまだ産道が狭く人の介助が必要になることもあります。逆子はある程度力技ですが、初産のケースは、牛の陣痛に合わせて、仔牛が出てくるのをサポートします。
母牛、仔牛、人が力を合わせてこの世に出てくるイメージです。

こちらは過去画
海野さんとたまたま通り掛かったアクティビティースタッフで引っ張る様子
こちらは頭位での出産

冬の出産は特に気を使います
ファーム事業を通して悲しいことの多くは出産の前後に起こるのですが、とりわけ冬に悲しい事が多いです。
過去に、何度も当時の日本最低気温をマークした事のあるトマムの冬は、寒さに強い牛にとっても厳しく、出産適期とは言えないようです。

そういう事もあり、ファーム星野ではなるべく特に寒さ厳しい11月中旬頃~3月中旬頃に出産時期がかぶらない様に季節分娩を今期より実施しています。

そこをちょっとずれこんじゃったのが今回のオハナだったんです。
仔牛はその後「リロ」と名付けられました。
表紙写真が最新のリロ(生後約10日)ですが、牛の成長は本当に早い!!
ファーム星野にとっては少し早い春を告げる誕生になりました。


6ヶ月お姉ちゃんのカノンは小さいリロがかわいい様子
オハナお疲れ様でした

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今回も長文を最後まで読んでいただきありがとうございました。
春の足音は個人的には嬉しいのですが、年々冬が短くなるのはスキーリゾート"トマム"としては憂うべき状況です。

まだまだ3月最後までお客様に楽しんでいただけるようにウィンターシーズン営業をやってますので、是非そちらもチェックしてください。
3/30-31にはスキー場クローズイベント開催します。

ファーム星野も「ホエイ石鹸作り」で出店しますので、是非お越しいただきたいです。
宜しくお願い致します。


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