チェイサーゲームWの感想(冬雨)ネタバレ含む

冬雨について考えたこと。

冬雨について

<大学時>
大学四年生の時に恋人の樹に裏切られ、『冬雨じゃ物足りないんだ』と振られ別れる。この振られ方が本当にショックだよね。女じゃなくて男を選ぶところも。自分は女で、結婚はできないし、子どもも作れない。冬雨は自分の努力だけはどうにもならないことで理由で振られる。私自身も彼女から自分ではどうにもならないことで振られたことがあるけれど、この時の冬雨もきっと世界で一番好きな、一番信頼している人から自分という存在を否定された気持ちになったのだと思う。この悲しみを誰にも言うことが出来ず、理解されず苦しかったよね。
(本当にしんどい。昔のことをめっちゃ思い出しました。)

<中国に帰国し浩宇と出会い、結婚。月を出産>
中国に帰って死のうと思ってた時に浩宇と出会い結婚する。最初は無理やり冬雨母に結婚させられたのだと思ったけど、そうじゃなかった。
樹は女の自分でなく男を選んだ。自分はもう樹には選ばれない。自分には存在価値がないと思っていた冬雨を支えてくれた浩宇に本当に救われたのだと思う。家族を持つこと、仕事にのめりこむことで樹のことを忘れることができるとも思ったのかもしれない。
でも、忘れることができなかった。
月を出産した後も、好きだという感情を無くすことはできなかった。
おそらくこの時冬雨は樹とどうにかなりたかったわけではなかったと思う。きっとどうしたらいいかわからない感情を昇華したくて日本に仕事相手として樹に会い行ったのだと思う。

<来日後再び樹と出会う>
たまたまかもしれないが、樹たち制作チームとの顔合わせの日を樹の誕生日にするのが、冬雨の樹への想いがすごいなと思った。樹に付き合っている人が居たとしたらもっと傷つくと思う。
けれど、居たら居たで樹のことを諦められるとも思ったのかもしれない。
またお互いがおそろいのイヤリングをつけてくるのもすごい。樹はいつもつけてそうだけど。冬雨はやっぱり樹が好きで、樹にも知ってほしくて着けて来たのだと思う。けれどやっぱり樹の前で壊してしまうほど、樹を憎む気持ちもあるし、好きな気持ちを無くしたいのもあるのだと思う。

<自分の樹への気持ち、樹の気持ちを再確認する>
樹と接していくうちに樹の優しいところや愛おしい気持ちが鮮明になる。冬雨は自分たちが別れなければならなかった理由は自分にあると思っていた。だけど真実を知ったときに今まで抑えていた感情を爆発させた。自分が妻だとか母親だとか、会社での立場とかそういった立場を抜きにしてただの”林冬雨”として樹をまた愛したのだと思う。樹と二人でいられる時だけ何の役割を持たない”林冬雨”になれる、正直な冬雨でいられるのだと思う。

<樹への愛情と家族への想い>
浩宇に樹を愛している、自分はレズビアンだと伝える。でも家族としてやり直したい。
自分には家族がある。娘を愛している。でも樹も愛している。
すごく複雑な心境だと思う。
娘はまだ小さく、娘にとっては両親は絶対的な安心できる大好きな存在。
母親が居なきゃだめだと冬雨はわかっているし、まだ幼い月をおいて自分の想いだけを優先させちゃいけないと思ったのかもしれない。
あとは最後の最後に樹と冬雨は【お互いに愛しあってる】って確信できたから自分が正しいと思う道を進もうと思ったのかもしれない。
すごく切ないけどね。

<再会>
結婚指輪外しおそろいのネックレスをつけた冬雨がキャリーケースを持って思い出のカフェで樹と再会する。本編ではこの場面で終わっている。
ゲームが完成して世に出ているから3年以上は経っているのかな。

ここからは自分の妄想ですが・・・。
冬雨はもう自分に嘘つかないと思う。
冬雨は自分に嘘つかないって決めて中国に帰って仕事を辞めて、月が大きくなって(7~8歳くらい)自分のこと樹のことを月に話したのかなと・・・。また浩宇にもちゃんと誠実に接したのだと思う。恋愛感情はないのかもしれないけど月の父親として、家族として誠実に接したのだと思う。
それで誰かが我慢するのでなく、ちゃんと話し合って、お互いに理解して離婚っていう道を選んだのだと信じたい。

皆さんは冬雨についてどう思われましたか?

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