池本ヒロ

徒然なるままに駄文を連ねていきたいと思っています。 お付き合いいただければ幸いです。

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  • 美術館散歩

    美術館、美術展などをレポートしています

  • 近所のスーパーで買えるコスパ重視の美味しいワイン

    池本が近所のスーパーで買って美味しいと思ったワインをレビューします。 あくまで個人的な感想です。がっかりしても怒らないでね。

  • 創作小説

    小説を書いてみました。 不定期更新です。

最近の記事

美術館散歩 #14 エミール・ガレ展

没後120周年を記念するエミール・ガレ展に行ってきました。 国内の個人コレクター所蔵の未公開作品などを中心に、ガラスの天才と呼ばれたガレの足跡を追う展示となっています。 残念ながら展示作品は撮影禁止でしたので、画像は全てネットで拾ったものです。 ガレの生きた19世紀のフランスでは、工芸作品は絵画や彫刻よりも格下と見なされ、サロンに出品することすら許されていませんでした。 そのような状況の中で、ガレはガラス、陶器、家具などに芸術性の高い作品を発表し続け、時代に風穴を開けて行

    • 近所のスーパーで買えるコスパ重視の美味しいワイン #5 ベルポスト モンテプルチアーノ ダブルッツォ

      ブルゴーニュやボルドーは美味しいけど、中々手が出せませんよね。 そこで、近所のスーパーで買えるコスパ重視のデイリーワインをレビューします。 中々個性的なワイン。 イタリアには、土着品種の葡萄が500種以上あると言われていますが、このモンテプルチアーノもそのひとつ。 トスカーナに同じ名前の地名がありますが、まったく無関係で、アブルッツォ州(イタリア半島を長靴に見立てるとふくらはぎのあたり)を代表する葡萄品種です。 イタリアワインの伝説的ソムリエ、故内藤和雄氏の著作、「土着品

      • 潮の香り

        列車を降りて人気のまばらなホームに立つと、海からの風が潮の香りを運んできた。 私は目を閉じて、その香りを胸いっぱい吸い込む。私の中に澱のように溜まっていた疲労や恐れや諦観や、そんなドロドロとしたものを一緒に吐き出せることを願って、静かに息を吐く。 改札を出て駅前の通りを強い日差しを浴びながら歩いて行く。 私が小学生の頃、父親の勤めていた会社が契約する民宿に毎年家族で海水浴に来ていた海辺の町は、あの頃と少しも変わっていない。 あの頃は夏の海水浴、冬の温泉が、毎年の我が家のイベ

        • 近所のスーパーで買えるコスパ重視の美味しいワイン #4 カデ・ドック シャルドネ

          ブルゴーニュやボルドーは美味しいけど、中々手が出せませんよね。 そこで、近所のスーパーで買えるコスパ重視のデイリーワインをレビューします。 今回は白ワイン。 前回紹介したバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドが南仏ラングドックで手がけるデイリーワインです。 ラングドックはもともと安価なワイン産地のようです。 以下はWikipediaからの転載です。 ということで、ラングドックのワインはフランスワインの中では、コスパの優れているものが多いようです。 シャルドネは白ワインに

        美術館散歩 #14 エミール・ガレ展

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          近所のスーパーで買えるコスパ重視の美味しいワイン #3 アニョ-・ルージュ

          ブルゴーニュやボルドーは美味しいけど、中々手が出せませんよね。 そこで、近所のスーパーで買えるコスパ重視のデイリーワインをレビューします。 と言っても今回はボルドー。バロン・フィリップ・ド・ロスチャイルドが手がけるデイリーワインです。 フランクフルト出身のロスチャイルド家が歴史に名を刻んだのは、18世紀中頃、神聖ローマ帝国の時代です。 マイアー・アムシェル・ロートシルト(ドイツ語でロートシルト、フランス語でロスシルド、英語ではロスチャイルドになります)が金融業で成功し、彼の

          近所のスーパーで買えるコスパ重視の美味しいワイン #3 アニョ-・ルージュ

          近所のスーパーで買えるコスパ重視の美味しいワイン #2 コノスル ピノノワール ビシクレタ・レゼルバ

          ブルゴーニュやボルドーは美味しいけど、中々手が出せませんよね。 そこで、近所のスーパーで買えるコスパ重視のデイリーワインをレビューします。 今回はコノスル ピノノワール ビシクレタ・レゼルバ。 こちらもチリワイン。 前回、チリワインのコスパの良さは人件費の安さと記述しましたが、それに加えてTPP(環太平洋パートナーシップ)による関税撤廃が大きな要因になっているようです。 コノスルは環境への配慮を重視する会社のようで、エチケット(ラベル)に描かれた自転車は葡萄畑の移動手段を

          近所のスーパーで買えるコスパ重視の美味しいワイン #2 コノスル ピノノワール ビシクレタ・レゼルバ

          近所のスーパーで買えるコスパ重視の美味しいワイン #1 モンテス・アルファ カベルネソービニヨン

          ブルゴーニュやボルドーは美味しいけど、中々手が出せませんよね。 そこで、近所のスーパーで買えるコスパ重視のデイリーワインをレビューします。 一回目はモンテス・アルファ カベルネソーヴィニヨン。 チリワインです。 モンテス社は1988年、醸造家のアウレリオ・モンテス氏を中心に創業されました。 社歴は長くはありませんが、今やチリを代表するワイナリーに成長しています。 チリは雨が少なく日照時間が長い。また害虫が少なく農薬の必要が無いなど、葡萄栽培に適した環境なのだそうです。

          近所のスーパーで買えるコスパ重視の美味しいワイン #1 モンテス・アルファ カベルネソービニヨン

          美術館散歩 #13 印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵展

          「印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵展」に行ってきました。 平日の日中に行ったのですが、かなりの混雑。 印象派の人気の高さがうかがわれます。 パリで生まれた印象派の、その影響を受けて各地で独自に発展していった軌跡をたどる展示となっていましたが、既に多くの方が優れたレビューをあげておられるので、今更その概要を書くのもどうかと思われます。 なので、今回はメアリー・カサットに焦点を絞って書いてみたいと思います。 なお、館内の作品は写真撮影禁止となっていましたので、画

          美術館散歩 #13 印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵展

          美術館散歩 #12 スフォルツェスコ城

          2019年に訪れたイタリアの美術館を数回に分けてレポートしてきました。 今回が最終回。スフォルツェスコ城です。 フォルツェスコ城(スフォルッツァ城)は、元々は14世紀にミラノを支配していたヴィスコンティ家の建てた居城でしたが、その後、ミラノの支配者がスフォルツァ家に移り、1450年にミラノ公フランチェスコ・スフォルツァが城を改築したことでこの名があります。 現在は美術館、博物館となっています。 城の一階、アッセの間には桑の枝葉で天井を覆うレオナルド・ダ・ヴィンチのテンペラ

          美術館散歩 #12 スフォルツェスコ城

          美術館散歩 #11 ミラノのドゥオーモとスカラ座

          2019年に訪れたイタリアの美術館を数回に分けてレポートします。 今回はミラノのドゥオーモとスカラ座。 美術館ではありませんが、美術的価値の高いものとしてミラノのドゥオーモとスカラ座博物館を取り上げます。 ミラノのドゥオーモの建設が着工されたのは1386年、工事が難航して滞り、ミラノを占領したナポレオンの再建の命で一応の完成を見たのが1813年、その後も細部の建築が進められて完全に完成したのは1965年。つい最近のことです。 イタリアには珍しいゴシック建築となっています

          美術館散歩 #11 ミラノのドゥオーモとスカラ座

          美術館散歩 #10 ピッティ宮殿とカーサ・ブオナローティ

          2019年に訪れたイタリアの美術館を数回に分けてレポートします。 今回はピッティ宮殿とカーサ・ブオナローティ。 ピッティ宮殿はメヂィチ家のライバルだったピッティ家の居城として建築に着手されたのですが、その完成を見ずにピッティさんは逝去。 建築は中断し、約100年間も放っとかれていたものを1550年頃、メヂィチ家の当主であったコジモ一世が買い取って完成させた宮殿です。 ウフィツィ美術館とはアルノ川の対岸にあり、両者はヴェッキオ橋の2階部分を通るヴァザーリの回廊(#8で取り上

          美術館散歩 #10 ピッティ宮殿とカーサ・ブオナローティ

          美術館散歩 #9 アカデミア美術館

          アカデミア美術館にはミケランジェロの最高傑作、ダビデ像があります。 彼は巨大な大理石の塊から2年半をかけて高さ4メートルを超える青年の姿を掘り出しました。 旧約聖書の物語、ダビデが巨人ゴリアテと戦う場面を描いています。 過去に造られたダビデ像は戦いに勝った姿を描いたものが多いのですが、ミケランジェロは、今まさに戦いを起こすその瞬間を表現しました。 敵は歴戦の強者。羊飼いの青年ダビデの武器は投石機ひとつ。 はたから見れば全く勝ち目の無い戦いに、今まさに挑もうとする闘志あふれ

          美術館散歩 #9 アカデミア美術館

          美術館散歩 #8 ヴェッキオ宮殿

          2019年に訪れたイタリアの美術館を数回に分けてレポートします。 今回はウフィツィ美術館の隣にあるヴェッキオ宮殿。 ヴェッキオ宮殿は1314年、フィレンツェ共和国の政庁舎として建設されました。日本で言えば鎌倉時代。今でもフィレンツェの市庁舎として使われています。 美術館ではありませんが、五百人広間という部屋にヴァザーリのフレスコ画があります。 今回はそのお話。 画家であり建築家でもあったジョルジョ・ヴァザーリは、その本業の業績もさることながら、「画家・彫刻家・建築家列伝」

          美術館散歩 #8 ヴェッキオ宮殿

          美術館散歩 #7 ウフィツィ美術館

          2019年に訪れたイタリアの美術館を数回に分けてレポートします。 今回はウフィツィ美術館。 ウフィツィ美術館は、メヂィチ家歴代当主の莫大な美術コレクションを展示・所蔵する美術館です。 この建物は元々は、16世紀後半のメヂィチ家当主、コジモ1世が公務のために造らせたオフィス(イタリア語でウフィツィ)だったためその名があります。 フィリッポ・リッピは彼のボッティチェッリの師です。 修道士だった彼は、修道女=ルクレツィア・ブティと駆け落ちするんですね。フィリッポ・リッピが50代

          美術館散歩 #7 ウフィツィ美術館

          美術館散歩 #6 フィレンツェとオルチャ渓谷の景観

          2019年に訪れたイタリアの美術館を数回に分けてレポートします。 今回からフィレンツェです。 フィレンツェは街自体が美術館だとよく言われます。 なので、今回は拡大解釈して街の景観そのものを取り上げていきます。 銀行業で財をなしたメディチ家がやがて政治を支配し、多くの芸術家を庇護、育成し、この街が形作られました。 タイトルの写真はミケランジェロ広場から望むフィレンツェ歴史地区です。 アルノ川の向こう、中央やや左に見えるドームがサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、左端の

          美術館散歩 #6 フィレンツェとオルチャ渓谷の景観

          美術館散歩 #5 バルベリーニ宮殿

          2019年に訪れたイタリアの美術館を数回に分けてレポートします。 今回はバルベリーニ宮殿とローマの教会にある芸術作品。 バルベリーニ宮殿はバルベリーニ家の居城で、その建築にはベルニーニも関わっていたそうです。 今は、「国立古典絵画館」となっています。 チケット売り場がわかりにくく、そのままスルーして入れてしまいました。 そのような人が結構いるようで、職員が見回っていて「チケット持ってますか?」みたいなことを聞いてまわっています。 チケット売り場の場所を聞いて買いに戻ったの

          美術館散歩 #5 バルベリーニ宮殿