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「いやー、何でもできるのスゴイ!」って言ってきたけど、今は・・・

学校に、何でもできる先生っていませんか?
例えば・・・

  • 宿泊行事の主担当ができる!

  • 生徒指導ができる!

  • 集会で子どもの前でしゃべるのが上手い!

  • 学級経営が上手!

上記のような、マルチプレイヤーの先生を、これまで私は目指してきました。
また、そういう何でもできちゃう先生に直接&間接的に「○○先生って、何でもできて、本当にスゴイですよね!」と言ってきました。
#これは、お世辞ではなく本当に思ったことです。

しかし、最近は…「マルチプレイヤー」よりも、特定の業務に秀でた「特化型人材」の方がいいのでは?と思うようになりました。

マルチプレーヤを求めすぎたから、教員不足になった⁉

ご存じのとおり、学校現場では今、深刻な教員不足が発生しています。

不足 レベル1 「初任者の後補充」が見つからない!
不足 レベル2 「産休・育休・病休代替」が見つからない!
不足 レベル3 「年度当初から欠員状態」で1学期がスタート!

教員不足に、苦渋の対処…

レベル1
→初任者の出張時は、授業交換or自習で乗り切る…

レベル2・3
→同じ教科の教員が空き時間ほぼゼロで当該授業をカバーする…
→副担任や教頭が担任を代行する…

しかし、もう上記のような、その場しのぎではダメな状態になっています。
なぜなら、今年度だけ踏ん張れば…来年度は大丈夫!とう話ではないからです。
この社会問題は、
教員数の分母を増やさないと、根本的な解決にはならないわけです。
事実、文科省や教育委員会も、教員採用試験を大学3年生が受験できるようにしたり、再任用教員の確保に励んだりと様々な対策を取っています。
そんな中、私は違ったアプローチでの教員不足対策を提案します。

それは、教員の仕事の細分化です。
授業ができて、担任ができて、生徒指導と教育相談対応ができて、行事の運営も任せられて、中学校なら部活動も担当できて・・・
そんな、何でもできる❝マルチプレイヤー❞を求めていたら育休中の先生や教職を目指す学生など、現場を離れたor現場経験がない人たちにとっては、プレッシャーでしかないはずです。

『教科指導はできても、担任は不安・・・』
『生徒指導と保護者対応に、自信がもてない・・・』
『授業と学級経営はできても、部活動の時間まで担当できない・・・』

こういった、理由で復職をあきらめたり、教員になろうとする学生が民間企業や他の公務員職に流れたり、再任用の依頼を断ったり、あるいは早期退職を希望したりすることで、教員の人員確保を難しくしているのではないでしょうか?

やらないことを決めて、やれることに集中!

例えば、
・担任は持たない!
・授業のみを担当!
・部活動は引き受けなくてもOK!

上記のような働き方で、教員を募集するのはどうでしょうか?
こうすることで、教職に就こうとする人の、最初の心理的ハードルを大幅に下げることができます。
そして採用後、現場で働きながら仕事を学ぶ(OJT)中で、本人の❝自己申請❞で次年度以降から、他の業務(担任や副担業務)を引き受けるというものです。
※もちろん、それに応じて昇給!
※部活動は教育課程外の活動なので、従来通りの手当をつけるのみ。

いかがでしょう?
このような、思い切った分業制にして、プレッシャーを低減し、業務のハードルを下げることで、教員の人材確保につながり、それにより時間的な余裕が生まれ、授業準備ができる環境が整い、毎時間の授業の質が向上されることが予想できます。
これは、中長期的な視点で見たとき、子どもたちに大きなプラスになると私は考えるのです。

もちろん・・・

そんなこと…現行の制度では不可能なのでは?

と、思われた方もいるでしょう。
たしかに、人件費の確保や法整備には、時間がかかります。
しかし、それぞれの学校現場で職員室の❝雰囲気❞を変えることはお金もかからず、そう難しいことではないはずです。

  • 教職員にも、得意・不得意があって当たり前!

  • 何でもできることよりも、個々の職員の❝得意に特化して❞チームで不得意分野をフォローし合う!

その理解をより広めることで、気持ちが救われたり、もっと学校に貢献したいと自分から思えたり、時間の使い方を工夫して勤務時間内でより大きな成果を出そうとする職員を増やすことに繋がるのではないでしょうか?
これは、復帰を考える先生や、教職を志す学生(教育実習生)に大きな安心材料を与えるだけでなく、離職率の低下にもつながると私は考えます。

このように、考えたことが、
私が、今まで目指していた❝何でもできるマルチプレイヤー❞を、理想的と思わなくなった理由です。
※もちろん、向上心を常にもち、できることを増やしたいと思う純粋な気持ちは素晴らしいことです。

そして、私は今後、言わないようにする言葉を決めました。それは・・・
「○○先生って、何でもできてスゴイ!」です。
※人材不足を助長するような発言をしないことが、職員室の良い雰囲気づくりに影響すると考えたからです。

私は、同僚のとがった部分(長所)を見つけることに集中することにしました。
一緒に仕事をして、素敵だなと思ったことは、遠慮せず、口に出してお伝えしていきます。
※思っていることは、言わなければ伝わらない!

学校は、最高に楽しい職場である!

私は、教師という仕事は楽しく、創意工夫の余白があるクリエイティブな仕事だと認識しています。
担当する授業や自分の分掌の中では、結構な裁量権があると思っているからです。
この理解が多くの人に、そして正しく認知され、子どもも先生がもっと笑顔になれる楽しい学校現場を作っていきたいです。

最後までお読みくださり誠にありがとうございます。


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