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どの自分でいくか

人と会う時に、どの自分でいくか迷う事があります。初対面の人に自分を紹介する時にどの自分を選ぶか問題です。

明らかにハッキリしている人は羨ましいです。「カメラマンです」「映画監督です」「役者です」「ラーメン屋です」「政治家です」「小説家です」などなど。その肩書とその人が完全に一致している人っていますよね。

私はそこがなかなか難しいのです。一番大きな肩書だと「映画監督です」でしょうか。でも、映画監督って誰もが知っている劇場公開映画をコンスタントに撮ってる人しか名乗ってはいけない気がするんです。恐ろしいのが「映画監督です」と言った0.05秒後に「どんな映画を撮ってるんですか?」と聞かれる事です。「えーと、いや、映画と言っても短編映画ばかり撮ってまして…」と言うと、「どこで見れるんですか?Netflixとか?」と言われるのです。「いや、そういうんじゃなくて、自分のYouTubeとかで見れるようにしたりしたりしたりしてまして…」と言うと、「映画監督と言っても、お仕事では無いんですかね?」と聞かれますよ。すかさず瑞泉の40度の古酒のロックを注文して飲み干すでしょうね。シラフじゃいたたまれないんです。

だから自分から「映画監督です」と言う事はありません。一緒にいる人に「この人映画監督なんですよ。」と言われることはありますが、ニコニコして会釈して目をそらして、キャッチボールが始まらないようにしますね。ニコニコしながらシャッターガラガラガッシャーンと閉めますね。深掘りされたら終わりますから。

大体いつも初対面の人には「映像の演出をしています」と言うことが多いんですが、ほとんどの人が「映像の演出?」という顔をします。そして「映像の演出って何をするんですか?」と聞かれます。そんな時は「映像の監督ですね」と言います。そうすると「ああ。映画監督みたいな?」と言われるので、「まあそれのテレビ番組とかCMとかそういうやつですね」と言ったりします。ほら、もうよく分からないですよね。私がやっている事は一発で理解されない仕事なんです。

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