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目先のおめでとうに手を出さない

SNS時代になって、人から褒めてもらえる機会が断然増えた気がします。ちょっとした事で褒めてもらえますから。特にFacebookのような相互承認が必要なSNSは褒めるのが礼儀みたいなところもあります。でもあんまり褒めが増えると、褒めの価値が下がります。褒めの供給過剰な気がするんです。

一方で、日本人は人を褒めるのが苦手なので良い風習ではあると思います。「英検2級を取りました!」とか「大学に受かりました!」とか「プレゼンに勝ちました!」とか、そういう事に対して「おめでとうございます!」と言うのは、言う方も言われる方も気分がいいですし、ネガティブな事は何一つありません。

私がモヤモヤするのは、最終的には高い理想を目指しているのに、手っ取り早く目先のおめでとうを欲しがってしまう心理です。

これを「あんなヤツがいる」と他人に対して語ると説教じみてしまうので、私のケースで書いていきます。

私は短編にしても長編にしても、映画を作るたびに映画祭に応募します。そして、最優先するのは三大映画祭と言われる、カンヌ、ベルリン、ベネチアの映画祭です。地球上にこの3つの映画祭よりも格上の映画祭はありません。今生きている人類がそう決めたんだから仕方ありません。米アカデミー賞は映画祭ではないので応募して狙えるものではありません。

もちろん三大映画祭に応募しても軽く落選します。「おい!ちゃんと見てないだろ!」と言いたくなるほど簡単に落選します。数行のメールで落選が通知されます。

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平林勇500円

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