まだ映倫マークは出ていない

「五十にして天命を知る」と言われますが、天命を知るどころか、今だに店名を知るレベルです。アグネス・ビーじゃないんですよね。

50歳になって突然硬化がスピードアップした気がしています。硬化と言っても動脈のことではありません。たぶん動脈は順調に硬化し続けてると思いますが、50歳になってからの硬化は自分自身に対する認知の硬化です。

自分自身に対する認知というのは、分かりやすく言うと「自分はこんなもんだな」と自分をメタ認知する事です。いや分かりにくいですね。「オラはこの程度の人間なんだな」と諦める心境と言いますか。

その「オラはこの程度の人間なんだな」という意識が硬化し始めるんです。自分の中から硬化する成分を分泌して、今の状態を固定させようとするんです。「人生の結果は出たよ」とばかりに今の状態を定着させようとするんです。フジツボのように。

フジツボはカニやエビの仲間の甲殻類なので、幼少期は手足を動かして海の中を泳いでいるんですが、ある程度育つと場所を決めてそこに固着して、そこで一生を過ごすんです。絶対に取れないようにガッチガチに固着するんです。「オラ！フジツボだ！」とフジツボ宣言し、他人からも「あなたはフジツボよね！」と言われ、自他ともに認めるフジツボと化すのです。

ちょっと違った言い方をすると、自分の人生の結果発表をされる感じと言いますか。結果発表をされるし、自分でも発表をしてしまうんです。「私はこういう人生を歩んで来ました。そしてこんな結果が出ました。」と自分から言ってしまい、「あなたの人生はそんな結果なんですね。」と人々から言われるのです。

そして一度発表してしまった結果は、編集不可能なデータとしてクラウドに保存されてしまうのです。編集不可能なデータとして保存されると、私はもう保存されたデータ通りの人間として生きていくしか無いのです。「お志事おじさん@二次元orz」というIDはもう永久に変えられないのです。