見出し画像

最強のプロデューサーチーム

『SHELL and JOINT』の基本的な制作スタッフはかなり少ないのですが、映画祭に行くとなるとかなり大人数で行きます。これは監督としては本当に心強いですし、何よりも映画祭が楽しくなるんです。

モスクワ国際映画祭に行った時、ワイワイと大人数で行きました。あの時は確か7人でしたが、ワイワイしてました。ワイワイどころか、ワイワイワイワイワイワイワイワイしてました。今回のロッテルダムでは、瞬間最大風速11人までになりました。そして何よりも、私も含めてですが、まあまあいい歳の大人ばかりなので、ワイワイしつつもそれぞれが自立しているので楽なんです。

特にプロデューサーチームが最強です。

ここのところずっと無料で映画祭の事ばかり書いていたので、今日は有料にして、『SHELL and JOINT』のプロデューサーチームについて書いてみます。「いやいや!この記事こそ無料だろ!」とプロデューサーチームからクレームが入ったら、そのうち無料にしますw

まず、全員が絶対に言うことを聞くのが勝俣さん。最強のプロデューサーです。勝俣さんが怖いから言うことを聞くんじゃなくて、一番一生懸命やっていて、かつ正論だからです。私が諦めかける様な事があっても、勝俣さんは全く諦めてないことがしばしばあります。「理想はそうかもしれないけど、状況的に無理でしょ…」という事でも、実現化させてしまうところがあります。勝俣さんにケツを叩かれなければ『SHELL and JOINT』も、いまごろシナリオの最終稿ぐらいを書いてたかも知れません。こうやって書くと、スキの無いキレ者の女性という印象になってしまいますが、職場のデスクが最強に散らかっていたり、とにかくビールが好きだったり、しばしば遅刻がちだったり、いろんな事を面倒臭がったり、そして、実はすごく愛情深かったりするところも、人を惹き付けるところなんだと思います。私は勝俣さんと映画祭に関するとてつもない大きな野望を持っていますが、今回の映画祭ツアーで、それが永遠に手に入らない夢では無いと確信しました。ビール飲んで作戦会議しないとです。

そして、いつも安定感のある伊東さん。フィンランドのロケでも、モスクワ国際映画祭でも、今回の旅でも、伊東さんがいるから大丈夫とみんな思っています。この「伊東さんがいれば大丈夫感」は、みんなが思ってます。私の映画チームは女性の割合がすごく大きいのですが、そん中でドーンと安定した男性プロデューサーの伊東さんの存在は大きいです。ワイワイワイワイしたチームの中に、一人紳士がいる感じでしょうか。伊東さんとは、10年以上前に結果的にはお蔵入りしてしまったWebムービーを作ったのが最初の出会いでした。連続モノでしたが、トータルで70分ぐらいの作品になったので、実はちょっとした映画を撮った感じなんです。その後、数年してから短編映画の『Keshinomi』を作り、そして今回の『SHELL and JOINT』に繋がります。『SHELL and JOINT』は、エグゼクティブプロデューサーが、伊東さんと勝俣さんなのですが、本当に役割分担されていて、そういうところも強いチームになっているんだと思います。

そして、特攻隊長的な岡崎さん。岡崎さんも本当に凄いです。エネルギーの塊です。エナジーの塊です。岡崎さんは、広告の現場でクリエイティブディレクターやコピーライターをやっているので、『SHELL and JOINT』のコミュニケーション関係をお願いしようと思ってたんですが、エネルギーが凄いので、それにとどまらず、いろんな事をやって頂いています。特に英語が普通に喋れるし、フィンランド語も喋れるし、日本語でもグイノグイノ行くタイプなので、引っ込み思案を自称している私や勝俣さんを引っ張ってくれます。勝俣さんとはまた違った突破力を持ってます。すごく不思議なのが、自称完璧主義なのに、飛行機の乗り遅れの回数がハンパないです。効率的にコスパの良いルートを綿密に調べてチケットを買うのに、乗り遅れるからそのチケット代は無駄になり、普通にビジネスクラス取った方が良かったんじゃないかと思うんですけど、本人曰く「そういうことじゃない」らしいんです。そして今回の日本からアムステルダムに行く便でも乗り遅れ、成田空港で野宿して次の日の便に乗りました。野宿したのは自分への戒めとしてなんだそうです。

そして、『SHELL and JOINT』では、ラインプロデューサーとして、ほとんどの現場を動かした石井さん。石井さんとは、勝俣さんと同様に『しまじろうのわお!』の番組の最初からずっと一緒に映像を作って来て、ダッシュさんにある私の席の前に、石井さんはいつも座っています。「なぜフリーランスの私がダッシュさんに席があるのか?」については今回は書きませんが、石井さんとはそんな間柄です。勝俣さんが大きな判断をし、その判断に基づいて現場を動かしていくのが石井さんです。石井さんはしばしば「石井お母さん」と呼ばれている様に、石井さんがいる安心感があります。「伊東さんがいれば大丈夫」とはまた違った「石井さんがいれば安心」という感じがあります。骨密度が異常に高い家系で、病気をしないというところも安心感に繋がっているのかも知れません。特に若い人たちは「石井さん!石井さん!」と石井さんを慕ってきます。若い人たちにも大きな声でメチャクチャ怒るんですけど、それでも「石井さん!石井さん!」と石井さんを慕ってきます。石井さんの醸し出す温かい人間性がそうさせるんでしょうね。

勝俣さん、伊東さん、岡崎さん、石井さん。この4人のプロデューサーのバランスは絶妙です。何らかの漢方薬の配合に近い絶妙な配合具合です。そして、私はこのプロデューサーの方々がいるからこそ、自由な作品が作れているんです。「自由な作品が作れる」って、とてつもない事なんです。ひとつ注釈があるのですが、「大人になってからも」自由な作品が作れる事が、凄いことなんです。若い時はいくらでも自由に作れますが、大人になってから自由に作ることがいかに大変か。

この4人のプロデューサーが4本のクルマのタイヤで、私がドライバーとして運転していると言うと、いかにも監督を支えるプロデューサーチームな感じですが、しばしば高い確率で私もタイヤになってます。割となってます。タイヤに。でもタイヤになれる監督だからこそ、皆さんに支えてもらえているのかもしれません。これからも積極的にタイヤになるぞ〜!

さらに言うと、私がし続けなければならない事は、とにかく0から1を生み出すこと。この「1」という細胞がなければ、勝俣さんを始め、この最強のプロデューサー軍団の方々に、それを分裂させて大きく成長させてもらうことは出来ませんから。

(写真の左から、勝俣さん、石井さん、伊東さん、岡崎さんです。)

サポートして頂けたら、更新頻度が上がる気がしておりますが、読んで頂けるだけで嬉しいです!