見出し画像

酒もいいけど、規則正しい生活もいい。

家飲みをしなくなって9ヶ月。もう家で酒を飲もうという気は起きません。たまーに、ちょっとした良いことがあった時だけ、お祝いとして飲むことはありましたが2〜3回だったと思います。

以前の私では考えられないほどの激変です。外では飲むけど家では飲まない人は多いと思いますが、私たち酒好きは365日飲むのが当たり前なんです。昼と夜と飲む時もありますから、回数で言ったら延べ400回は1年で飲んでいると思います。それがここ9ヶ月でガラッと変わってしまいました。

何でもそうですけど、続けることでそれが当たり前になって習慣になるんですよね。習慣はその人の人生を作ります。今では、2日連続の飲み会は罪悪感を感じて行くことが出来ません。ルールでは外飲みはOKなので、1週間連続で飲みに行ってもいいんですが、それが出来なくなってしまいました。

もっと言うならば、酒を飲むよりも朝6時半に起きる気持ちよさの方が勝ってしまっているとも言えるんです。恐ろしいですね。だから、積極的に飲みに行こうともしなくなってしまいました。

いやいや、早めに言い訳しておきますけど、「積極的に飲みに行かない」とはどういうことか?私のような酒好きが言う「積極的に飲みに行かない」は週に2〜3回しか飲みに行かなくなったレベルですからね。

私は家飲みを禁止してから、酒を飲んだ日をカレンダーにチェックしているんですが、何だかんだ月に10回ぐらいは飲みに行ってます。だから、酒好きを100として酒を飲まない人を0とするならば、私は75ぐらいのところにいるんだと思います。完璧に酒飲みのチーム側ですけどね。

いやしかし!

それでも酒以外の幸せを見つけてしまった感はあります。「楽しく酒を飲むことこそが人生」と言い憚らなかった私がです。

そして、それに対して少し迷いがあるんです。私がいろいろな事を頑張れたのは、美味しい酒を飲むためでしたから。

私が1年に1本映画を作り続けられたのは、映画の企画をしながら飲む酒が美味しく、撮影の後に飲む酒が美味しく、完成した時に飲む酒が美味しく、映画祭に行ってみんなで飲む酒が最高に美味しかったからなんです。

仕事でもそうです。打ち合わせの後に飲む酒が美味しく、撮影の後に飲む酒が美味しく、納品した後に飲む酒が美味しく、打ち上げで飲む酒が美味しく、続編が決まった時に飲む酒が最高に美味しかったからなんです。たまにテレビ賞なんかで海外に行って飲む酒も最高でした。

いやしかし!(2回目)

今の私は「酒を飲む」という人生の目標を失いつつあるんです。「別に飲まなくてもいいや」が当たり前になると、何のために創作活動や仕事をしているのかが分からなくなってしまうんです。いま、本当に迷いがあります。

そして、この迷いがとても心地よくもあります。ガツガツする気持ちはないけれど、規則正しい日々が穏やかでとても幸せです。だから、この穏やかな気持ちを味わいたいがために、また酒を控えてしまうのです。あ、もう一度確認しておきますけど、週に2〜3回はしっかり飲みに行ってるんですけどね。

一方で、私は知ってしまっているのです。不健康だったりメンタルが不安定な時の方が、強い作品が作れることを。特に私の場合は絶対にそうなんです。過去の偉人たちも、不健康だったりメンタルが不安定だった人が多かった印象があります。

なぜ、不健康やメンタルが不安定な方が強い作品が作れるかと言うと、心の底からもがき苦しんでいるからです。格好をつけられるのは健康な人だけです。心身ともに健康なアーティストに魅力が無いのは、格好つけられる余力があるからです。そういう人は全てをさらけ出しませんからね。アーティストにとって健康というのは案外邪魔なものなのかも知れません。

でも、私は強い作品が作れなくなったとしても、心身ともに健康な方を選びたいと思っています。不健康でメンタルを病んで名作を作るよりも、日々健康で平凡な幸せを感じながら凡作を作る方を選びたいと思ってます。あわよくば、心身ともに健康な状態で名作を作れたら最高ですけどね。

幸か不幸か「クリエイターとしての名声を得ることが、本当の幸せを得ることなんだろうか?」と思ってしまったところがあります。私はそもそもの志が低いので、現世での幸せを求めてしまうんでしょう。志の高い作家は「生きてる時が仕込み時期」と言いますからね。死んでからが本当の勝負なんだそうです。

酒を減らしたことで、人生に対する考え方も変わってしまいました。

いやしかし!(3回目)

ここから先は

211字

平林勇500円

¥500 / 月 初月無料

少し踏み込んだ事を有料マガジンで書いてます。いつも踏み込んでしまうので、ほとんどの投稿が有料になってしまいますが。

サポートして頂けたら、更新頻度が上がる気がしておりますが、読んで頂けるだけで嬉しいです!