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クオリティと効率とギャラ

クオリティは上げれば上げるほど上がらなくなります。20%のクオリティのものを50%のクオリティにするのは簡単です。でも、90%のクオリティのものを92%に上げるのはすごく大変なんです。

これはモノづくりをしている人なら誰でも感じていることだと思いますが、仕事となるとお金が絡んできます。20%を50%に上げるのに100万円かかるとします。30%アップさせるのに100万円です。でも、90%から92%のたった2%上げるのに1億円かかる可能性があるんです。

私はそんな事ばかり考えてしまいます。仕事をしていてすごく気になるポイントだからです。

仕事の場合、お金で換算することも出来ますし、働く時間でも換算することも出来ます。例えば、朝8時から夜8時までかけてやったクオリティと、朝8時から翌朝の8時までやったクオリティがあるとします。前者はスケジュール通りに終わらせた12時間労働で、後者は監督がこだわったための24時間労働だとします。

前者のクオリティを100だとします。倍の時間を使った後者のクオリティは200にはなりません。たぶん105ぐらいです。下手するとスタッフやキャストのモチベーションが下がって90になってしまう可能性もあります。

私は、仮にクオリティが100から105に上がるとしても、スタッフやキャストに倍の時間働いてもらおうとは思えないんです。しかも徹夜だったりして。監督が100を105にしたいと思う気持ちはよく分かります。でも、スタッフやキャストの負担や人権を考えた時に、とてもじゃないけどクオリティを5上げるためにそんな事は出来ないんです。

もしかしたら私のアーティストとしてのボトルネックはそういうところなのかも知れませんが、仕上がりに大差が出ないところで自分の自我を通すことは出来ないんです。私はそもそも「効率」みたいな事を考えてしまうので、そもそもがアーティストではないんだと思いますが。

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