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ジャンプの仕方を会得する

いくら勉強しても超えられない谷みたいなものがあります。勉強しただけでは超えられない谷と言った方が正しいでしょうか。そういう谷が現れたらジャンプしなければ向こう側に行けません。でも、そのジャンプが難しいんです。

例えば釣り。釣具店に行けば魚種別の仕掛けやエサも売ってますし、膨大な数のルアーも売ってます。でも同じ仕掛けやエサやルアーを使っても、釣れる人と釣れない人がいるんです。同じ場所で釣っているにも関わらずです。

その違いは何かというと、ジャンプの仕方を会得しているかどうかだと思うんです。あえて「会得」と書きましたが、言葉では説明できない感覚だったりするからです。でも、会得してしまった人にとっては難しいことではないんです。「いつものあの感覚」なんです。

それはあらゆる専門分野で同じことが言えると思います。ジャンプの仕方を座学で学ぶことは出来ないんです。だから、たくさん経験して会得するしか無いんです。

私はいま長モノの脚本を書く練習をしています。私は短編専門だったので、短編については会得出来てるんですが、長モノに関しては会得出来てないんです。ゼロから脚本を書きつつ脚本の本を読み込む事を交互にやっています。座学と実習を交互にやっている感じですね。

脚本の本にはいろいろな事がたくさん書いてあります。いろいろな本を読めば読むほど、脚本は「工学」なんだなと思わされます。極端に言うと数式と言いますか。以前、作曲の渡邊さんが作曲は数学だと言っていて、それと同じ感覚なんだと思いました。人の興味関心を惹き続けるって、センスとか感覚ではなくて、しっかりとした力学が必要らしいんです。

私は今それを会得しようとしていますが、まあ呆然と立ち尽くしてしまいますね。今までこんな事も知らずに感覚だけでやっていたんだなと気付かされます。短編だからこそ通用して来たと痛感しています。

私が「こんな設定の映画があったら面白いな」と思うアイデアって、長編で言うと前半10分ぐらいまでの設定なんですよね。そんな面白い設定の中で主人公がどう行動して行きどうなるか、というところまで考えが及んでいません。いかに短編脳だったかを思い知らされます。

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