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長編映画で国際映画祭は配給次第?

何度も書いてますが、今年始めて長編映画を作りました。短編映画の時からそうですが、作品が完成したらまず映画祭にエントリーします。『Shell and Joint』を作った今年も同様でした。

完成した翌日、カンヌの監督週間のベンジャミンさんと奇跡的に会うことが出来、作品のプレゼンテーションが出来ました。でもベンジャミンさんから開口一番聞かれたのは、「配給はどこですか?」という事でした。私とプロデューサー達は無邪気に「まだ完成したばかりで配給は決まってません。映画祭が決まって、映画祭での上映が終わってから考えようと思います。」と答えました。ベンジャミンさんはその後も確認するように「配給はどうするの?」と聞いてきました。

私たちは「配給」というのは、映画を劇場公開する時に必要な存在で、まさか映画祭を決めるのに配給が絡んでくるとは思ってませんでした。

そしてさらに別の国際映画祭の方からも、長編映画を映画祭に決めるためには、やはり「配給」が必要と言われました。特に、カンヌ、ベルリン、ベネチアクラスの映画祭で長編映画を決めるには、配給無くしては無理との事でした。「無理」と断言されました。

久しぶりに愕然としました。あらためて短編映画はアマチュアの世界だったんだなと気付かされました。

映画祭でワールドプレミアとして上映される前に、その映画を見て、配給すると決め、映画祭後にその国での上映まで決まっているような映画じゃないと、三大映画祭には決まらないとの事です。特にコンペティションのような世界中から20本ぐらいしか選ばれない場は、作品同士の戦いではなく、配給会社も含めた組織戦らしいのです。

ということは、映画祭に選ばれる前に、力を持った配給会社に見てもらえるルートを探し、見てもらって配給すると決めてもらわなくてはなりません。作品の力はもちろんですが、監督の将来性や話題性も必要になってきます。そこを勝ち抜いた作品たちが三大映画祭のコンペ部門に並んでいるんです。

いやもう途方も無いです。私たちが考えていたのは、まさに竹槍でB29を落とそうとしてた、あれに似ています。全くの認識不足でした。

一方で、いきなりものすごいレベル感での学びがあるなと思いました。いきなりトップクラスの方からの意見を頂いているので、「竹槍でもB29が落とせるかもしれないぞ」という雑音に惑わされなくて済みました。

いま現在、2018年12月31日現在、私たちは太平洋のど真ん中に投げ込まれてしまった心境でいます。周りを見渡しても何も見えず、どっちに向かって泳げばよいのかわからず途方に暮れて浮かんでいます。

それでも来年の年初から一気に調査を始め、いろんなルートをたどって、やれることは全てやっていこうと思っています。何も知らなかった世界が突然目の前に現れて驚きましたが、こんなにも刺激的でワクワクさせられる事はそうそうありませんから。

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