見出し画像

バランスを取ると負ける。

自分の作品を作る時は、100%自分のやりたいことだけを詰め込むようにしています。でも自分のやりたいことを100%詰め込むと、とてもバランスの悪い作品が出来上がります。自分のやりたいことだけを考えていて、観客の事を考えていないからです。

いやしかし!

それでも「作品」と言うのならば、100%自分のやりたいことを詰め込むべきだと思ってます。私が作品をどう捉えているかと言うと、作品は作家そのものであるべきと思っています。少なくとも私は100%自分のやりたいことを詰め込まないと強度の強い作品が出来ないんです。

少しでも欲をかいて、こんな事も出来るあんな事も出来ると、自分のやりたくない事を打算的に入れてしまうと作品になりません。5%でもそういう調整をしてしまうと、強度は半分以下になります。

それは誰にでも当てはまることではなく、私の作り方と作風がそうさせているんです。これまで私が作ってきた作品の居場所は「実験的」とか「その他」とか「異端」なんです。その居場所にいるためには、余計なものを混ぜてはいけないんです。白いご飯しか入ってない弁当なんです。格好つけて梅干しを真ん中に入れてはいけないんです。

梅干しを真ん中に入れると、とてもバランスが取れるんですけど、「白飯に梅干しが真ん中に入った弁当」になってしまうんです。「白飯に梅干しが真ん中に入った弁当」は世の中に腐るほどあるので、私の特技である「異端」が使えなくなるんです。そうすると負けるんです。なぜなら、私はバランスを取ることで強度を出していく作風ではないからです。

バランスを取ると負けると学んだのは麻雀です。麻雀をやっているとツモが良くて自分だけ大勝ちしてしまう流れがたまに来ます。余りにも勝ってしまうので、バランスを取って少し手を抜くと、一気に流れが変わって自分だけが大負けしたりするんです。それを何度も経験していたので、自分に大勝ちの流れが来ても手を抜くこと無く、相手をコテンパンに負かしてしまわないとダメだと学びました。要するに、やる時には徹底的にやらないと勝つどころか負けるんです。

表現も同じで徹底的にやらないと何も手に入らないんです。仕事も同じだと思います。本当に徹底的にやって初めて人は自分の事を見てくれます。

ここから先は

1,389字

平林勇500円

¥500 / 月 初月無料

少し踏み込んだ事を有料マガジンで書いてます。いつも踏み込んでしまうので、ほとんどの投稿が有料になってしまいますが。

サポートして頂けたら、更新頻度が上がる気がしておりますが、読んで頂けるだけで嬉しいです!