あらすじ紹介⑦
『片翼の鳳蝶ーRight sideー』
山田
別れた女から届いた招待状を見て、貴方は怒ったかしら。このウエディングドレス姿を見て、どう思うのだろう。きっと、恨んでいるのでしょう?
中学の頃に決められた婚約者と、私は結婚する。だけど、その人を愛してなんていない。
私が愛した貴方と出会ったのは六年前。
息がつまる家から逃げたくて飛び込んだ就職先で、貴方は眉根に皺を寄せてパソコンと向かい合っていた。感じの悪い目付きで私を一瞥する姿に、少しの腹立たしさと興味をもった。それが一目惚れだった。
結婚式当日を迎えても、思い出すのは貴方との日々ばかり。本当に幸せだった。貴方が私のソウルメイトだって、今でも信じている。
でも、私はその思い出を胸に、この決められた人生を歩くことを決めてしまった。
貴方と決別するために、私はこのバージンロードを進む──これは、新たな人生を歩みだす一人の女の物語。
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