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あらすじ紹介②

『ハンザの騎士』
藤和


 その騎士はある日突然、令嬢の目の前に現れた。

 男爵令嬢を妻にと望むその騎士は、男爵に何度断られても、すばらしい手土産を携えて令嬢の元へ通った。棘を丁寧に取り除いた、柔らかく花開く薔薇の花と共に。
 薔薇の花を携えた真摯な騎士に、令嬢は次第に心惹かれていく。令嬢もまた、騎士の妻になることを望んでいた。

 けれども、父である男爵はそれを許さない。
 悲しみに暮れた令嬢は、諦める様子を見せない騎士にこう告げた。

「それなら、枯れない薔薇をください」

 これは、涙に暮れる令嬢と諦めない騎士の心を、ひとつの石が繋ぐ物語。


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