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【風呂酒日和32-1】 宝来湯(ほうらいゆ)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


閑静な住宅街に、田舎の温泉街にある散歩道のような道が現れる。
古川親水公園というらしい。公園のようには見えないがなんだか落ち着く風景だ。
その通りを歩いていると、なかなか年季の入った建て構えが見えてきた。

小さめの靴箱が両端に分かれている。扉も2つ。
ということは、ここは番台があるタイプの銭湯だ。
久しぶりの番台スタイル。
これまた年季の入った木製の引き戸をカラカラと開けると
左側から店主と思われるおじさんの「はい、いらっしゃい。」という声が聞こえる。

番台も男湯との間仕切りもなかなか低い。
もちろん私なんかは余裕で見えないが、もしかしたら身長の高い人が来たらジャンプでもしたら向こう側が見えそうである。

店主のおじさんは、向こう側にいるおじさんと世間話をしながらもてきぱきと私から会計を受け取り、タオルを貸してくれた。


トイレはどこかと探していると、中庭のような外に続くような引き戸がある。
その向こうにトイレがあった。あったが、あれだ。
野外フェスなどで置いてある、仮設トイレのようなものが見える。
おそるおそる近寄ると、やはり和式だ。
「トイレの電気は振り返った柱にあります」と書いてある。
なるほど、ずどんとここに持ってきて、家にくっつけたようなトイレだ。


おじさんたちの世間話を聞きながら身支度を整える。
「潜水艦の艦長はまだ女の人がいないんだってさ。」という嘘か本当かわからない会話をへぇそうなんだと聞きながらそそくさと浴室へ。

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